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闢発の妖精王1 壊滅編  作者: C先輩
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VSカフカ

推敲する時間が足りないと、ついつい走り書きで描写が甘いですよねぇ。

書き進めながら校正力磨くしかないんでしょうけども。

 一直線に飛んでくる槍に対し、ネスは半ば条件反射で受け流す姿勢を取った。


 〈なに?〉


 加速した思考の中で視えたのは、投擲した槍に追いつかんばかりの驚異的なスピードで距離を詰めて来る敵機だった。

 武器を上段に構えて槍を弾こうとしたドーヴェンの懐へと一直線に飛び込んでくる。重装甲に見合わぬ身軽さを見せるドーヴェンではあるが、流石に反応が間に合わない。驚異的な速度だ。


『あらよっ――とぉ!?』


 だがそれは先程までの話だ。同乗しているこちらがフォローしてやれば何の事は無い。素粒子の壁に攻撃を弾かれた敵機は、驚いたような声をあげて距離を取り直す。先程手痛いカウンターを受けたのを警戒しているのだろう。ネスが槍を受け流し切るよりも前に離脱して見せた。


「これは!?」


「攻撃はこちらで捌きます。あなたは攻撃に集中を」


「――恩に着る!」


 ネスは明らかに異質な力に不審げだったが、詮索はしないでくれた。一瞬の逡巡ののち、ネスは前進する。

 機体の出力が非常に高いのだろう。ドーヴェンは地鳴りがする程の踏み込みによって、重装甲の妖精機とは思えぬ速度で間合いを詰めていく。


『いくぞ!』


 吠えるネスがポールアックスを横薙ぎに振り抜く。対する敵機はスウェーの要領で耐性を低くし槍を突き込むが素粒子の壁で軌道を逸らす。前進する慣性を殺していないネスは、そのまま後ろ回し蹴りを放つ。間合いが近く躱し切れない敵機は横っ飛びにステップしてダメージを抑えつつ、距離を取りながらマウントラッチから取り出した短剣状の武器を三連続で投擲しつつ、受け身を取って地面を転がる。

 当然、投擲物はドーヴェンに被弾する事無く、粒子の見えない壁によって弾いて見せた。


『ハハハハハ!なんだよそりゃぁ無敵じゃねぇか!』


 そうは言いながらも敵機の男はまるで追い詰められているような雰囲気を感じさせない。それにおよそロボットとは思えない柔軟な動きだ。自分が見て来たディナ・シー等とはまるで技術体系が違うようにも見えた。

 ネスは追撃の手を緩めず、態勢の崩れた敵機に対してネスはドーヴェンを飛び上がらせ、ポールアックスを大上段から打ち下ろした。


『大地を蠢き轟け叫べ!グラウンドダッシャー!』


 敵機は更に後退する。そこへドーヴェンが大地を打ち、地響きと共に地面が破砕し、どの土砂が噴流が如く敵機に襲い掛かった。


『良い!ウフフフハハ良いぞォお前!ハハハ!』


 迫りくる土砂の津波を前に、敵機の男は歓喜の声で嗤うと、機体から爆風を巻き上げて上昇し、錐揉み回転しながら空を舞い飛び掛かってくる、


『ぉおお!』


 対するネスは、ポールアックスの石突を力いっぱい地面に突き刺す。


『ロックアンカー!』


 そう一言、ネスは斧を抜く。すると大地の一部が切り取られ、巨大な岩の塊として石突に繋がっていた。その妖精機2機分はあろうかという巨大な岩の塊を、ネスはハンマー投げの要領で空中から飛び掛かる敵機に向けて投げつけた。

 敵機は回避できないと判断したのか、持っていた槍を岩の塊に突き込む。バギンッと鈍い音と共に槍が折れて、敵機は岩の塊に打ち付けられた。


『おごっ!?』


 無茶苦茶だ。武器は刃も欠けておらず、地殻変動を起こし、機体強度を無視したかのような質量攻撃を繰り出す。これを魔法と言わずして何なのか――いや魔法だった。これが特機という奴か。

 撃ち返された敵機は尚も空中で態勢を整えて着地する。着地の時に爆風のようなものが発生している所から見て、やはり高度な風の魔法が使用できるのだろう。


『いや素晴らしい!この機体では歯が立たんな!これは困った!ウフウフアハハハ』


 まるで拍手でもするかのように嗤い、敵機の男はこちらを褒め称える。


『貴様はこの騒動を手引きした者か?目的は何だ!それにあの黒獣、どうやって操っている?』


『っお~い勘弁してくれ。そんなサがる事いうなよな』


 ネスが投げかけた言葉に対して、男は急に声のトーンを落とす。


『俺はただの、戦いたいだけのどうしようもない糞みたいな連中の、その一人さぁ。この王国を落とすなんて豪語する馬鹿どもがいるから、相乗りしてるだけのね』


『何!?それはどういう――』


 更に追及しようとするネスを尻目に、男は機体を反転させて爆風のような魔法を発動させ、一気に距離を取った。


『俺はカフカだ、黒鉄の!今度会う時は最初から本気を出せよ!じゃぁな!』


 そう言ってカフカと名乗った男は、機体を加速させ、みるみる内に戦線を離脱していく。


『お、おい待て!』


 ネスの呼び掛けに応じるはずも無く、機体はあっという間に豆粒のように視界から消えていく。


「くそ、仕方ない」


 ネスは追う事を諦めて、拡声魔法を使い空艇の部隊へ指示を飛ばしていく。明らかな重要参考人だったが、町を守る事を優先したのだろう。


「シュウ殿、申し訳ないのだが――」


「黒獣でしょう?一先ずお供しますよ」


「重ね重ね、感謝する!」


 おずおずと申し出るので、意を汲んで応えるとネスは大層嬉しそうにして、ドーヴェンを獣達の咆哮蠢く敵陣の方へと走らせた。

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