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没落貴族に異世界転生?でも総量1万越えの魔力と商才活かしてはじめる国づくり!  作者: 神崎あら
小国編

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90/101

90話 人質


ーーエリックとアーチボルトvsアンドリュー


 『パキキキ』

 『なっ、う、動けねぇ』


 特別認定魔法・氷輪絶花をモロに受けたアンドリューの身体は凍りつき、完全に動きを封じる事に成功した。


 「流石だねエリック」

 「ありがとうサンダースさん」


 そう言ってアーチボルトは、俺に右拳を向ける。


 「レヴァンス軍では良い仕事をした仲間と拳をぶつけ合わせる風習があります」

 「なるほど、えい」

 『コツン』

 『シュュュ』


 その時、目の前にいるアンドリューの身体が小さくなりケルベロス形態から人型へと戻ってしまう。


 『パキパキ』

 「くっ、人型に戻っても溶けねぇのか」

 「はは、特別認定魔法がそんな甘いわけないだろ」

 「クソォォ」

 『パキキキ』


 そうして氷輪絶花の氷はさらにアンドリューの包んでいく。


 「アンドリューよ、その氷は一筋縄ではいかないぞ」

 「知った口だな眼鏡野郎」

 「まぁね」


 アーチボルトはそう言うと苦笑いした。

 まぁアーチボルトは過去にこの技を受けてるわけだし、技の危険性をある意味では俺よりも知ってるよな。


 「さてとアンドリュー、お前の身柄はこのまま俺が管理するよ」

 「ほぉ、お前にできんのかよ」

 「やるしかない、他の誰にも任せられないし」


 アンドリューの力は強い、リップティッチ側に引き渡してもすぐまた逃げられてしまうだろう。

 かと言って、俺もこいつをどれくらい押さえつけてられるかわからないけど。


 「エリック、これを使ってみてはどうかな?」

 『ガサッ』


 そう言ってアーチボルトは、紫色の腕輪を取り出した。


 「その腕輪は一体なんですか?」

 「これはねエリック、訓練用の魔力制御の腕輪だよ」

 「訓練用?」

 「ああそうさ、この腕輪をすると設定値以上の魔力を制限する事ができてね」

 「設定値……もしかしてその設定値を仮に100と設定した場合、それ以上は出せないという事なんですか?」

 「ああその通り、これはそもそも魔力が普通よりも多い子が魔力操作の訓練で使う者だから、アンドリュー達獣人にも使えるかはわからないけどね」


 魔力操作の腕輪か面白いな。

 でもさすがにこのままじゃ、ケルベロス化した時の魔力量5000を制御するのは厳しい……ここはあれを使うか。


 『パキン』

 「サンダースさん、これを使ってください」


 俺はそう言って擬似魔道具に付いていた魔石を外した。


 「魔石か」

 「その腕輪も魔道具みたいなものだとしたら、使えるかなって思ってさ」

 「なるほどね、この訓練用の腕輪も広い枠組みで言えば魔道具になるから使ってみる価値はあるね」

 『パチンッ』


 アーチボルトはそう言うと、魔石を訓練用腕輪にはめ込んだ。

 魔道具とはそもそも魔力出力を上げるために使う代物であり、出力の底上げのために魔石を利用する事もある。

 つまりこの腕輪も魔石を使うことで、制御できる魔力量を上げる事ができるのではないかというのが俺の考えである。


 「それじゃあ早速、使ってみるね」

 「お願いします」


 そう言ってアーチボルトは、凍ったアンドリューに腕輪をはめる。

 

 『カチッ』

 「こんなもんで俺の獣人化を抑えられるかよ」

 「さてどうだろうね」


 よし、アンドリューに腕輪をはめられたみたいだな。

 さてちゃんと腕輪が動いてくれるといいんだけど。


 『ガサッ』


 その時、俺の後ろの茂みが揺れた。


 「……エリック様」

 「リーヤ!」

 

 茂みの中から現れたのは、ボロボロになったリーヤだった。


 「すみませんエリック様、ゲナトの賊を取り逃してしまいました」

 「なんだって!?」

 「申し訳ございません……エリック、様」

 『ドサッ』

 「リーヤ!」


 そう言ってリーヤは倒れてしまった。

 守護竜化したリーヤがこんなにやられるなんて、ゲナトの奴らそんなに強かったのか。

 何にせよシスティーナさんが心配だな。

 そんな時、俺の目の前にいる凍ったアンドリューが視界に入った。


 「……」

 「なんだよエリック、何見てやがる」

 「そうか!まだこの手があった!」

 「どうしたんだエリック?」

 

 俺が大声でそう言うと、アーチボルトさんが気がつきそう訊ねてきた。


 「人質交換ですよ、サンダースさん!」

 「人質交換?」



 

 

 


 

 

 

 


 

 


 


 

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