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没落貴族に異世界転生?でも総量1万越えの魔力と商才活かしてはじめる国づくり!  作者: 神崎あら
小国編

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74話 逃走


ーー酒場にて


 『パキキキ』


 ルースの周囲から漏れ出る冷気が酒場を包み始める。


 「おいおい揉め事なら、店の外で頼むよ」


 その時、店の主人がエリック達4人にそう話す。


 『パッ』

 「ちっ、邪魔が入ったか」


 そう言ってアンドリューは、大剣から手を離す。


 「ほう、大人しく従うとはな」


 ルースはそうアンドリューへ話す。


 「店には迷惑をかけんさ、まぁでもお前らを逃すつもりもない、ラングレー!」

 「はい、ボス」

 『スッ』


 アンドリューがそう言うと、ラングレーは懐から煙玉を取り出した。


 「せい!」

 『ボシュ』


 そう言ってラングレーは、煙玉を勢いよく地面に叩きつけ、辺りは白い煙に包まれる。


 「ま、前が見えない」


 突然の出来事に困惑するエリック


 「お父さん!」

 「ルース!」


 煙により視界は遮られているが、ルースの声がエリックの耳に届く。


 『ガシッ』

 

 視界不良の中、アンドリューはルースの身体をガシッと持ち上げた。


 「うわぁ!」

 「はは、俺には視界の悪さ関係ないんでな」


 そう言ってアンドリューは、ルースを担ぐと酒場の出口へと走り始める。


 「あばよベルーナ領主、息子は貰っていくぜ」

 「く、くそぉ」


 そうしてアンドリューとルース、そしてラングレーは視界の悪い酒場から去っていくのだった。



ーー酒場の外にて


 「おいラングレー、馬の用意はしてあるんだろうな」

 「はい、町外れに馬車を用意しております」

 「よっしゃあ、そこまで走るぞ」


 そう言うとアンドリューは、走る速度を上げて一気に町外れへと向かう。


 「一級土魔法、土の手!」

 『ドゴッ』


 その時、アンドリューの足元から土でできた大きな手が現れる。


 『ガシッ』


 そうしてアンドリューは土の大きな手に捕えられてしまった。


 「ふぅ、捕まえた」


 酒場から出てきたエリックはそう呟く。

 一級土魔法、土の手。

 これは地面から巨大な手を出現させて相手を拘束したり、殴りつけたりできる上級魔法である。


 「やるじゃねぇか、ベルーナの領主よ」


 アンドリューはそう言ってエリックの方を見た。

 その時ーー。


 『ヒョイッ』


 ルースが一瞬の隙をつきアンドリューの手から逃れて地面へと着地した。


 「くそっ、逃げられちまったか」

 「良い案ではあったぞ、大剣の小僧よ」


 ルースはそう言ってニヤリと笑った。


 「ったく、お前は一体なんなんだよこの子供大人が」


 アンドリューは、そんなルースを見て子供大人と呼んだ。


 「さぁ、観念してもらおうかゲナトの者達よ」


 そう言って近づくエリック。


 「おいおいこんなので俺を拘束できると本気で思ってるのかよ、あんまりこの俺、アンドリュー・ワイズを舐めるなよ」

 『ザワザワ』


 そう言うとアンドリューの身体は灰色の体毛に覆われていった。


 「な、なんだその姿は」


 エリックはまるで狼のような体毛に覆われていくアンドリューを見てそう呟くのだった。


 

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