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没落貴族に異世界転生?でも総量1万越えの魔力と商才活かしてはじめる国づくり!  作者: 神崎あら
小国編

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71話 ベルーナ領主


ーー宿屋、エリックの部屋にて


 「おい、早くこの縄解け」


 戦闘を終えたラナトスは、ゲナトの刺客を縄で拘束しエリックの部屋に連れ帰っていた。


 「……それでラナトスよ、この人がそのゲナトの刺客なの?」

 「はいそうです、さっき捕まえました」


 エリックのその問いにラナトスはそう答える。


 「なるほどね、それでこの人は誰?」

 

 エリックはそう言って部屋にあるベットに腰掛ける白の騎士の方へと視線を向けた。


 「初めまして、私の名前はシスティーナ・ティッチ、この国の第一王女にして王国騎士団の長である、貴方がベルーナの領主か?」


 白の騎士はそう名乗ると、そのままエリックへそう訊ねた。


 「え、第一王女?なにそれどういうこと?」


 そう言ってエリックはラナトスの顔を見た。


 「いやぁ刺客を捕まえるために外へ出たらさ、この人が居たもんでさ、参っちゃうよねー」


 ラナトスはそう話すと頭をポリポリと掻き出した。


 「……ラナトス、それなら俺も呼んでくれよ、これから交渉する国の王女様がそれで怪我でもしたら、大変だろ」

 「な、何を失礼な!私はこんな下賤な者達の攻撃で怪我などしません!」


 システィーナはエリックの言葉にそう言い返す。 

 

 「いやこれはそのラナトスへ向けた言葉でありまして、決して貴方の力を侮ったわけでは」

 「侮る!!騎士に対してなんて失礼な」


 エリックはそうフォローしたのだが、システィーナは何を血迷ったのかエリックが自分を侮ったと解釈してしまう。


 「……というか下賤な者達って、まさか俺も含まれているのか」


 そしてラナトスは眉間に皺を寄せ小さくそう呟いた。


 「……はぁ、そうです、私がエリック・ベルーナです、システィーナ様、私は貴方を侮ってなどいません、ただその身を案じていたのです」

 「そ、そういう事でしたか、失礼しました」


 システィーナはそう話すと、立ち上がって小さく頭を下げた。


 「それで、君は一体どんな目的でここへ来たのかな?」


 エリックはゲナトの刺客へ向き直りそう訊ねた。


 「へへ、お前がベルーナの領主か、話は色々聞いてるぜ4年前にあの"雷追"を撃退したアルトの英雄で、今じゃ有名な魔石商ときたもんだ、そんな有名人がリップ・ティッチへ行くと知れば、どの国だって行動を追うだろうよ」


 ゲナトの刺客は笑みを浮かべてそう話す。


 「はいはいそうかい、まぁ何をしに来たかはこれからゆっくり聞かせてもらうからね」


 エリックは呆れまじりにそう話す。


 「おいおい、ベルーナの領主さんよぉもしかしてここへ来たのが俺だけだと思ってねぇよな」

 「なっ、お前まさかっ!」

 「キャー!!」


 その時、隣のエリーの部屋から悲鳴が聞こえた。


 「ほーら来たぞ、俺の仲間が」


 ゲナトの刺客は笑みを浮かべてそう答える。


 「ラナトス、ここを任せたよ」

 「ああ、わかったよ」

 『ガチャッ』


 そう言ってエリックは、エリーの部屋へと向かった。


 『バタンッ』

 「エリー、大丈夫か!」


 エリックは部屋に入るなりそう確認した。


 「エリック!どうしようルースが……」

 

 エリーは部屋に入って来たエリックを見るなり、悲しそうにそう言った。


 「ルースがどうしたんだ?」

 「攫われてしまったの!」


 そう言うとエリーはそのまま泣き崩れてしまった。


 「る、ルースが攫われただと……色んな意味で面倒な事しやがって」


 エリックは静かにそう呟くのだった。

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