7話 魔力操作
「こいよ没落貴族!」
ルージュおじさんが俺に味方をしているのも、不服なのだろうかバナーは、魔力を激らせている。
属性体質の影響で、バナーが魔力を纏うほど炎の火力も上がっていく。
まずいな、これ以上バナーに魔力出力を上げさせると周りに被害が出る。
ここはエリーにも協力してもらおう。
「仕方ないやってやるか……エリー、炎の被害を抑えたい、頼めるか?」
「ええ、それくらいならお安い御用よ」
「ありがとう」
「一級水魔法、水牢」
エリーがそう唱えると、水の膜のようなものが俺とバナー、そしてエリーとルージュおじさんを中心に展開された。
実はエリーも属性体質持ちで、水属性の魔力を纏うことができ、水魔法も一級までなら自在に操る事ができるのだ。
基本的にこの世界の貴族は魔力総量が多く、皆優秀である。
「よし、これで周りの被害は抑えられるな」
「ふっ、周りの心配なんてしやがって自分の心配しろよな、まぁいいや上げてくぜ」
そう言ってバナーは火力を上げた。
バナーの体は豪炎に覆われている。
あのレベルの炎を纏えるということは、魔力総量もかなり多いな。
でも魔力操作はひどいもんだ。
水牢の効果時間は確か10分ほどだったはず、時間をかけずに仕留めるか。
「いくぞ」
「こいよ三下貴族!」
魔力を拳に集中させて俺はそのままバナーに突っ込んだ。
いい機会だし、セントレアの坊ちゃんに魔力操作の基礎を教えてやるとしよう。
「ふんっ!」
「なっ、グハッ」
俺は炎の魔力を纏ったバナーを普通に殴った。
「な、なんで殴れる、熱くねぇのかよ」
「ああ、熱くないよ、てか何も感じない」
魔力による防御は、より強い魔力を纏った攻撃で破れる。
これは基本中の基本だ。
そもそも魔力とは全身に纏うと、身体全体を魔力で防御できるがその反面脆さもでる。
脆くなった部分を魔力を集中させた拳や足で攻撃すれば、魔力総量によほど大きな開きがない限り、ダメージを与える事ができる。
無論、魔力総量の多い俺なら魔力を拳に集めなくてもバナーにダメージを与えられる。
「くっそ調子に乗りやがって、一級炎魔法、ファイアアロー」
怒ったバナーは、魔法で火矢を作り構えた。
おいおい、せっかく炎の属性体質があるのに魔法使うのかよ。
全く何も知らないんだなこいつ。
「いいかバナー、属性体質ってのはこうやって使うんだ」
『パキパキ』
「お前、まさか」
俺はそうして自身の魔力で氷の剣を作った。
実は俺も氷の属性体質を持っている。
ただ俺の場合は、バナーとは違い魔力操作を自慢じゃないが極めている、そのため魔法を使わずとも氷で剣も作れるし、自在にあるゆる物を氷で生成可能だ。
「バナー、いい事教えてやるよ、自身の魔力操作で作った剣とかはな、魔法で作った剣と違って出力上げ放題なんだぜ」
「う、うるせぇ、食らえ!」
そう言ってバナー火矢を放った。
全く、バカなやつだな。
俺は作った氷の剣により多くの魔力を注いだ、すると氷の剣は膨大な冷気を一気にに放出し、バナーの放った火矢を一瞬で凍らせ、さらにバナーの身体も半分ほど凍らせた。
「さて、勝負アリだな」
「くっ、動けねぇ」
勝負には勝ったが、さぁてこのあとどうすっかな。
セントレアと対立とかしたくないんだけどなぁ……。




