68話 騎士と騎士
ーー宿屋の外にて
「システィーナ・ティッチ……ちっ、想定外の相手だな」
ゲナトの男はシスティーナを見てそう呟く。
「黒装束に紫色の手袋、お前はゲナトの刺客だな、そしてそこの青と白の制服の剣士はベルーナの者か」
システィーナはラナトスを見てそう訊ねる。
「お目にかかるのは初めてですね、システィーナ・ティッチ様、私の名前はラナトス・リンガード、ベルーナの騎士でございます」
「ベルーナの騎士……あなたがたベルーナはここへ交渉しに来たはずです、それがどうしてこうなってるのですか」
システィーナはそう話すと、額に手を置いた。
「それは私にもわかりません」
ラナトスはそう話すとニコッと笑い、ゲナトの刺客に目を向けた。
「くっ、こいつ……」
ゲナトの刺客は苦い顔をしてそう呟く。
「……なるほど、その刺客は我々リップティッチへの者ではなく、ベルーナへの刺客だったのですね」
ラナトスの視線から全てを察したシスティーナはそう話すと、腰につけている剣に手を伸ばした。
「さぁて、ゲナトの刺客くん覚悟はいいかな?」
「やるしかないか」
『チャキッ』
ゲナトの刺客はそう言うと腰の短剣を引き抜いた。
「魔道具"星宮の神剣"」
ゲナトの刺客の短剣を見て、システィーナは腰の剣を引き抜いた。
「……あれが例の剣か」
ラナトスはシスティーナの剣を見てそう呟いた。
魔道具"星宮の神剣"これは、剣そのものに特別認定魔法が宿っており、剣の主人はその特別認定魔法を使い戦う。
「おいおい白の騎士よ、お前こんなところで特別認定魔法を撃つつもりかよ」
「そうさせるのは貴方です、ゲナトの刺客よ」
システィーナはそう言うとゲナトを睨みつけた。
「さてさてどうなるかな」
『ドサッ』
ラナトスはそう言って屋根の上であぐらをかき、システィーナとゲナトの刺客の様子を見守る。
「そこのベルーナの騎士!呑気に座っていますが次は貴方ですからね!」
システィーナはラナトスへそう怒鳴りつけた。
「へいへい」
「むしろ貴方は私を手伝いなさい!」
「うーん、それもいいけど私は、君の実力が知りたいかな、システィーナ様」
システィーナのその言葉に、ラナトスはそう返した。
「はぁ、仕方ないですね」
『キーン』
システィーナはラナトスに呆れつつ、神剣に力を込める。
すると、神剣は銀色の輝きを放った。
「……くるか」
「銀星よ、彼の者を捕えなさい」
『シュババッ』
システィーナがそう言うと、銀色の輝きはゲナトの刺客へと飛んでいくのだった。




