62話 守護竜
ーー裏山にて
「……えっとエリック様、もう一回説明をしてもらってもいいかな?」
ラナトスは新しい姿となったリーヤの説明をもう一度俺に求めた。
「わかる、わかるよラナトス、こんな状況上手く飲み込めないよな……いいかいもう一度言うよ、魔力を込めたらこうなったんだ」
「いやいや、こうはならんでしょ」
ラナトスは間髪入れずにそう答えた。
「だからさぁ、魔力込めたらこうなったんだって!」
「いやいやいや、なんで竜のリーヤが魔力注いだだけで人間の娘になるんだよ」
その言葉、俺も本当にそう思ってるよ!
でもなラナトスよこれが現実なんだ、竜が人になったんだ。
何故かは知らないけど。
「あのぉ、2人とも喧嘩はやめてほしいです」
リーヤは申し訳なさそうに俺とラナトスにそう話す。
「ラナトス、一先ずリーヤの守護竜化が終わってるかの確認だけ頼むよ」
「……そうだね、言い争ってもリーヤが人になった事実は変わらないもんね」
ラナトスはそう言って、リーヤの元へと歩いていく。
『ポン』
ラナトスはリーヤの頭に手を置いた。
「ふぅ、スキルチェック発動」
『ギュオッ』
スキルチェック、これはラナトスさんの持つ特異体質が成せる技であり、ルージュおじさんの魔眼と同じ類のものである。
任意の対象に触れる事で発動し、その者の魔力量や属性体質など様々な事を知る事ができるらしい。
「……うん、上手くいってるみたいだ、どうやらリーヤはエリックから供給された魔力量が多すぎて、人型の姿も手に入れたらしいね」
「そ、そんな事あるんだ……」
「前例はないかな、おそらく魔力量が1万の成せる奇跡のようなものだね」
ラナトスはリーヤに触れて色々わかったらしく、色々納得した様子だった。
いやいや、それにしたって奇跡って、もっと分析してくれよ。
「奇跡か、それで竜の姿とかには戻れたりするの?」
「はい!できます」
『ズオオオ』
そう話すとリーヤの背中から、竜の翼が勢いよく生えてきた。
「す、すごい」
「ありがとうございます、こんな風に半竜半人なんかもできますよ」
半竜半人……聞いた事ない言葉だな。
「う、うん、ともかく召喚獣契約が上手くいったみたいで良かったよ」
「そうだね、じゃあエリック様、早速だけどリーヤを召喚してみようか」
ラナトスは俺にそう言ってきた。
「わかった」
「それじゃあ、リーヤは少し離れたところに行ってくれるかな、エリック様が呼べるかテストしたいから」
「了解です!」
『バサッ』
そう言ってリーヤは飛んでいった。
「エリック様、右手を出してくれるかな」
『スッ』
俺はラナトスに言われた通り右手を出す。
「ありがとう、そしたらリーヤを強くイメージしてもらってもいいかな」
「ああ、わかった……」
『シュウウウ』
「な、なんだこれ!」
リーヤの姿を思い浮かべると、俺の右手の甲に赤い紋章が現れた。
「うん成功してるね、それじゃあ次に契約魔法を発動してみて」
「……召喚獣契約発動」
『ブォン』
契約魔法を発動すると俺の足元に巨大な魔法陣が現れた。
こ、これは一体。
『ギュオオオ』
そして魔法陣は赤く光始める。
「くっ、ま、眩しい」
そうして俺は目を閉じてしまった。
「……エリック、エリック様」
「ああラナトスか」
俺はラナトスに名前を呼ばれて目を開けた。
「エリック様、上を見てご覧」
「上?」
『ブォッ』
ラナトスにそう言われて空を見ると、巨大な赤い竜が俺の頭上を飛んでいた。
「おめでとうエリック様、これでリーヤは君の召喚獣になったよ」




