57話 終戦
ーー中央平原にて
ーレヴァンス本陣
レヴァンス本陣では、リオールを守る最後の守備兵をガリウスが今まさに討とうしていた。
『ザシュッ』
「ぐはっ」
「さてと、これで詰みですね」
レヴァンス本陣に侵入したガリウスの目の前には、追い詰められ動けなくなったリオールの姿があった。
「くっ、ガリウス・セントレア、ゴーレスを破りそのままここまで来るなんて、やはり噂通りの化け物ですね」
「お褒めに預かり光栄です、さぁ、手荒なマネはしたくないので、抵抗せず我らの捕虜になっていただけると、ありがたい限りです」
ガリウスはそう言って、リオールに近づいてゆく。
その時であった。
『ドゴォン』
ガリウスの近くに稲妻が落ちた。
「アーチボルト!」
リオールは落雷のあった所を見てそう叫ぶ。
「ど、どうも」
しかし、そこにいたのはアーチボルトではなくエリックだった。
「あ、貴方は……」
「エリックという者です」
不思議そうにしているリオールの背後から、アーチボルトがそう話す。
「アーチボルト!貴方、どこ行っていたの?」
「すみませんお嬢様、今回は難敵がいて時間がかかってしまいました」
アーチボルトはリオールに淡々とそう報告した。
「雷追のアーチボルト……最後の最後に出てくるとは」
ガリウスはそう呟くと持っている槍を強く握った。
「待ってくれセントレアの騎士よ、もう戦う必要はないんだ」
ガリウスのその様子を見てエリックは慌ててそう話す。
「戦う必要がないとは?」
ガリウスはそうエリックに訊ねる。
「そ、それは……」
「無条件での撤退を我が軍が決めたからですよ」
その時、エリックの言葉を遮ってアーチボルトがそう言った。
「無条件での撤退……」
ガリウスは静かにそう呟く。
「勝手に決めてしまい申し訳ないのだけど、さっき俺とアーチボルトとで交渉してそうなったんです、ガードナーさんが一応、見届け人になってくれました」
エリックは誤解が無いように、ガードナーという証人がいる事も含め丁寧にそう説明した。
「なるほど、それなら納得しました」
ガリウスはそう言うとニコッと笑った。
「え、アーチボルト、無条件撤退ってどういうことなの?」
リオールは焦りつつも、そうアーチボルトに訊ねる。
「すみませんお嬢様、それが私にできる精一杯でした」
そう言って頭を下げるアーチボルト。
「……そう、貴方は精一杯やってくれたのね、その言葉を信じるわ」
リオールはそう言って、無条件での撤退を受け入れるのだった。




