51話 戦場とは
ーーエリックvsアーチボルト
『ズドォン』
アーチボルトの雷撃と俺の氷剣が激しくぶつかり合った。
「……また互角ですか」
俺の氷剣は、アーチボルトの雷撃をまたしても完璧に受け止める事に成功する。
にしてもこの人の技、全然威力が落ちないな。
やっぱりあの小手破壊しとくか。
『ヒュオオオ』
俺は氷属性を付与した魔力を左手に集中させる。
『パキン』
「アイスブロー」
アイスブロー、氷を拳に纏わせてその威力を上げる技で、触れたものを凍らせる事ができる。
「重そうだな」
アーチボルトは、アイスブローを見るなりそう呟いた。
「それなりにね、でも当たれば強力だよ」
『ススッ』
俺は両手で振るう事のできなくなった氷剣を短くして、片手でも扱えるように短剣サイズに縮めた。
「その年の割に魔力操作が上手ですね、訓練で身につけたのですか?」
アーチボルトは、俺が氷剣のサイズをコントロールしたのを見てそう訊いてきた。
訓練……ではないよな、少年兵時代に戦場で身につけた技術だし。
でもアーチボルトにその事を話さない方がいいよな、念のためだけど。
「ああそうだ、幼少期から続けている修行の成果だよ」
「嘘が下手だな、そんな剣をナイフに変える技術なんて貴族のボンボンが普通に練習するわけない、君、戦場にいた経験があるね、その発想は戦場でしか出てこないよ」
『カチャ』
アーチボルトは、そう話すと眼鏡をクイっと持ち上げる。
なっ!?こ、この人鋭い。
仕方ない、正直に話すか。
「……少年兵を少しだけしていた経験がある」
「やはりか、ベルーナ家の貴族が戦場ね、魔力操作の練習の一環か?」
「あ、ああ、その通りだ」
俺がそう答えると、アーチボルトは不機嫌そうな顔を浮かべる。
「練習の一環で戦場か……」
『バチチチ』
アーチボルトがそう呟くと、左腕の電撃の出力が上がっていった。
「その戦場には、行きたくなくても参加していた人達が沢山いたはず、君はそういった人達を練習台にしたんだ、罪を償ってもらうぞ」
『バシュ』
アーチボルトはそう話すと、左腕を前面に突き出しエルボーのようにして、こちらへ突っ込んできた。
速すぎる、反応が間に合わないっ!
『ゴスッ』
「ゴフッ」
『バコォン』
雷撃を纏ったエルボーは俺の脇腹に直撃し、そのまま俺は10メートルほど吹き飛ばされる。
「エリック、君は色々と勘違いしているようだから教えておくよ、まず私の魔力総量は8000でレヴァンス王国最大だ、そしてこの左腕の魔道鉄の力で増幅された私の一撃は、魔力総量1万越えに匹敵する」
「なっ、き、聞いてた話と違う」
俺は咄嗟にそう言葉を漏らす。
「君が私の魔力をいくつと知って挑んでいるのかは知らないが、誤情報を流すのは戦場では当たり前なんだ」
「……くっ」
「エリック、君には戦場の厳しさを教えてあげるよ」




