50話 セントレアの秘剣
ーーセントレア右翼にて
「はぁはぁ」
「どうした小娘よ、もう限界か?」
余裕そうにしているロックウェルとは対照的に、ミーナはよろめきながらも戦斧を杖代わりにして、何とか立っている状態だった。
「まだまだ、これからよ」
そんな状態でありながらも、ミーナは戦意を失う事はなくロックウェルを睨みつけそう言った。
「うむ、良い精神力だ、その気概に応え俺も本気で相手をしてやろう」
『ゴウッ』
ロックウェルは、そう言うと剣を覆っていた魔力に火属性を付与した。
「あっつ、なんて火力……」
ミーナは、そう言って熱気から顔を守るため右腕を軽く上げた。
ロックウェルの魔力はエリックやアーチボルトほど多くはないが、3000という総量は他のもの達からすれば十分化け物であり、規格外の火力を持つ。
「さぁて小娘よ、これを受けて立っていられるかな!」
『ゴォォォ』
ロックウェルがそう言うと、剣に纏う炎の火力がさらに上昇する。
「くっ、化け物め……だがしかし、こちらにも意地がある、いくぞ戦斧よ!」
『ガキィン』
ミーナはそう言うと戦斧を構えた。
「ほほう、まだそんな余力があったか、ならば受け止めてみろ、【魔力最大】セントレア秘伝魔剣技、炎侯剣!」
『ゴウッ』
豪炎を纏っていた剣は、ロックウェルの詠唱によりその姿を真紅の長剣に変えた。
「な、なんだその剣は!」
「これぞ、我がセントレアに伝わる剣技の成せる技、その名を魔剣生成、そして!その見てくれだけではない威力を存分に味わうが良い」
「味わうだと?ぬかせ、死ぬのは貴様だセントレア!!」
ミーナはそう叫ぶと、戦斧を構えロックウェルへと突撃していく。
「さてさて、飛んで火に入る夏の虫とはまさにこの事か、焼き尽くせ"炎候剣"」
『ブオッ』
「なっ!」
ロックウェルは、ミーナの戦斧をめがけて炎候剣を振り抜いた。
『ガキィン』
戦斧と炎候剣は激しくぶつかり火花を散らした。
「……つ、強い」
「よく受け止めたな!だがこの炎候剣、今のの一撃で終わりではないぞ」
「え?」
「爆ぜろ、炎候剣!!」
『ズドォン』
ロックウェルがそう叫ぶと、炎候剣から爆炎が放出されミーナを戦斧ごと吹き飛ばした。
『パッ』
「しまったっ!」
爆発の衝撃によりミーナは、戦斧を手放してしまう。
「うぐっ……」
『カチャ』
2、3メートルほど吹き飛んだミーナにロックウェルは、剣の切先を喉元に突きつけた。
「これで詰みだな、小娘よ」




