46話 ロックウェルの強み
ーー右翼、ロックウェルにて
「……大きな斧だな」
「ええ、かなり大きいわ」
魔道具"戦斧"これは、膨大な魔力を宿した大斧であり、振るうと内包する膨大な魔力を放出し、あらゆるものを斬り裂く事ができる。
その威力は、エリックでもかすり傷を負うほどに強力であり、並の人間(魔力量500程度)では、両断されてしまう。
「そんなに大きくて、お嬢さんはその斧振るえるのかい?」
「ご心配どうも、私にとってこれはフライパンほどの重さしかないので」
ミーナはそう言うとニコッと笑った。
「それは厄介だな、ならこちらも得物を出すとしようか」
『シャッ』
ロックウェルはそう言うと、腰に装備していた剣を引き抜いた。
「いい剣ですね、でも魔力を感じません、魔道具ではなさそうですね」
「いかにも、これはただの剣である」
ロックウェルが引き抜いたのは、幹部以上に使用が許可されている、少し丈夫な剣である。
特に魔道具とかではない。
「そんな剣、すぐさま折って差し上げます」
「折れるかなぁ?」
ロックウェルはそう話すと、顎に手を当てニヤリと笑う。
ロックウェル・セントレア。
身長190、体重100キロ、魔力総量ーー。
「何を言ってるんですか、ただの剣でしょ!」
『シュッ』
そう話すとミーナはロックウェルへと斬りかかる。
『ガキィン』
ロックウェルの剣と戦斧が激しくぶつかり火花が散った。
「お、折れてない!?」
「まぁこれくらいなら、受けれるな」
魔力総量3000、エリックを除いた人間の中で、その数値は最高峰の数値である。
それがロックウェルの強み、そしてロックウェルは魔力操作の達人でもある。
『シュウウウ』
ミーナはロックウェルの持つ剣が纏う、魔力を見て納得する。
「なるほど、それがその剣の秘密ですか」
「その通り」
ロックウェルは、ドヤ顔を決めてそう言った。
魔力を剣に纏わせる技術は広く一般的に知られており、シンディやガードナーでもよくやっている。
しかし、ロックウェルが行うそれは他のそれを凌駕しより精密な魔力操作により、剣先までをバランスよく魔力で覆い、切れ味と強度を極限まで高めている。
そのため、ただの剣であっても魔道具に対抗できるのだ。
「もっと簡単な相手だと思っていたのですがね、存外ただの大柄貴族ってわけではなさそうですね」
ミーナはそう話すと、ススッと後退りしてロックウェルから距離を取る。
「まぁ、勇猛なセントレアの騎士の長だからな、これくらいは朝メシ前よ」
ロックウェルはそう話すと、カチャッと肩に剣を乗せ笑みを浮かべた。




