44話 中枢へ
ーーシンディ騎馬隊
『タッタタ』
「お前達、しっかりとついて来いよ」
シンディは後方を走る兵達にそう言葉を送る。
シンディ騎馬隊のこの戦での役割は、敵将アーチボルトと第二王女の討伐。
故に、他の部隊全てが彼女達の囮である。
「エリックくん、大丈夫ですか?」
「大丈夫です!」
シンディ騎馬隊は、セントレア各地から集められた早馬で構成されており、駆ける速さはセントレア軍の中で随一である。
「にしても、この馬結構早いですね」
「もちろんです、我らはロックウェル様の必殺の刃、迅速に敵軍の喉元までいき刈り取る事が、仕事ですからね」
ガードナーは誇らしげにそう話す。
その顔を見て、エリックは少し羨ましく思う。
エリックは内心で、自分のベルーナにもこんな騎馬隊が欲しいと素直に思うのだった。
「来るぞお前達!」
その時、先頭を走るシンディから怒号が飛んだ。
敵軍のお出ましである。
「ここは抜かせん!」
レヴァンスの中央本陣までの最後の防衛戦、中央後方軍2500がシンディ騎馬隊の行方を阻む。
「お前達ぃ、ここを抜けるかどうかがこの戦の勝敗に直結するぅ、覚悟はいいかぁ!!」
シンディは兵達にそう問うた。
『アルトのためぇぇぇ!!』
兵達はその呼びかけにそう応える。
兵達の士気を確認すると、シンディは腰の剣を勢いよく引き抜く。
『シャッ』
「共にいこう、我が同胞よぉ!!」
そうしてシンディ騎馬隊は、相手の軍2500へと突撃を開始する。
「エリックくん、離れないでね!」
「はい!」
シンディに続いて、ガードナーとエリックも敵軍へと突っ込んでいく。
ーーセントレア軍、右翼にて
「よし、抜けたか」
ロックウェルはシンディ達が、左翼を眼前で抜いていくのを見てホッと一息ついた。
『ズドォン』
その時、ロックウェルの前に天から大斧が落ちきた。
「な、何事だ」
『スタッ』
落ちてきた大斧の柄の上に1人の16歳ほどの少女が降り立つ。
「ご機嫌よう敵将さん」
レヴァンス王国、第三王女ミーナ・レヴァンス。
"戦斧"と呼ばれる魔道具の使い手である。
「ふっ、そう簡単には勝たせてくれそうにないな」
ロックウェルは短くそう呟くのだった。




