38話 雷追のアーチボルト
ーー酒場にて
「なるほど占いか、でもそんなの大した精度でもないのだろ?」
「い、いえ、エリック様それが……100発100中なのです」
ひゃ、100発100中だって!
そんなの占いじゃないじゃん。
ちくしょー、せっかく密偵リストを使ってロックウェルさんに更なる商談を持ちかけてやろうと思ったのに……。
し、しかし100発100中の占いか。
「ほう、それは精度が高いな」
俺は落ち着いてそう話し、内心とは裏腹に外見だけは平静を装う事に成功した。
「さ、さすがはエリック様、このような情報にも落ち着いてらっしゃいますね」
「ああもちろん、領主だからね」
……そうは言ってもな、第二王女の占いがある限り、おそらくこれからの俺たちアルト側の作戦はほぼ筒抜けと言っても過言ではないな。
どうにかしないと。
「それでハクスイ、第二王女は今どこにいるのかな?」
「はい、居場所についてもすでに調べはついております」
居場所も調べ済みなのかよ、ハクスイもはや怖いな。
「なるほど、それはどこだい?」
「ガネーシャ領におります」
ガネーシャ領か!てっきりレヴァンスの本国にいると思っていたが、ガネーシャならここから近いし、拘束くらいならできそうだな。
「ほう結構近いね、なら俺が行って捕まえて……」
「お待ちをエリック様、拘束も簡単ではないのです」
ハクスイはそう話すと、自信なさげに俯いてしまった。
ど、どうしだよハクスイ。
「何があるというんだい?」
「護衛です、それも強力な護衛です」
「ああ護衛くらいなら、大丈夫だよ」
「いえエリック様、その護衛を務めているのはレヴァンス最強の男、雷追のアーチボルトなのです」
なるほどここで出てくるのかアーチボルト。
こりゃあ一筋縄じゃ行かなさそうだな。
「了解だハクスイ、それでそのアーチボルトって人はどういう奴なんだ?」
この際だし、ハクスイの持っているアーチボルトの情報を聞き出して、俺の持っている情報とすり合わせして、今後の作戦を立ててしまおう。
「レヴァンス王国、第一将軍アーチボルト、推定魔力総量5000越えのバケモノです、そして雷の属性を持つ貴族です」
魔力総量5000か。
俺の約半分の魔力……しかも推定、こりゃあ間違いなくこいつの相手は俺がした方がいいな。




