35話 レヴァンスの情勢
「それじゃあ、幾つか質問させてもらうね」
「は、はい……」
俺は拘束したティオに幾つか質問をはじめた。
「まず、どうしてここに俺たちがいるって知ったのかな?」
「……姉さんの能力です」
「姉さん?」
俺がそう訊ねると、ティオは目を逸らした。
敵の位置を探知することができる姉か。
ティオのお姉さんってことは、その人もレヴァンスの王族なのかな。
もう少し情報がほしいな。
「私の姉で、第二王女です……」
やっぱり王族の人か。
能力についても、もう少し知りたいな。
どの程度で精度で敵の探知が可能なのか。
その精度次第で、今回の作戦の成功難易度は変わってくる。
「そうなんだね、それでそのお姉さんの能力だけど、精度はどのくらいいいのかな?」
「これ以上は話せないです……私も王族の端くれなので」
そう話すとティオは下を向いてしまった。
見た感じ14歳くらいだよなこの子。
その歳で敵勢力へとの斥候みたいなことさせられて、挙句に捕らえられるとか本当は怖いよな。
なんだろそう考えると、途端に可哀想に思えてきた……返してあげよう。
もしまたティオが攻めてきても、俺なら無傷で勝利できるし、必要な情報は手に入った。
ならこの子をいつまでも捕らえておく理由はないよな。
『パキン』
そう考えた俺は、ティオの手錠を外してあげた。
「えっと、これはどういう……」
手錠を外すとティオは戸惑いながらも顔を上げた。
「おいエリック、いいのかよ」
「ああ、これでいいんだよバナー、それにこの子の話が確かなら俺たちの敵はーー」
「第二王女だな」
俺がそう言い切る前に、シンディさんがそう言ってしまった。
お、俺が言おうとしたのに。
「なるほどな、よくわかったよ」
バナーそう言うと、納得したのか腕組みをして頷いた。
い、いや俺が、俺が言おうとしたんだよ、まったくやめてよシンディさん。
「と、ともかくそう言う事だから、ティオさんはもう帰っていいよ」
気を取り直して俺はティオへそう告げる。
「……今、私を逃せば貴方の魔力量について、話すと思いますよ、それでもいいのですか?」
「別に構わないよ」
俺は間をおかずそう即答した。
魔力量は知ってどうにかなるものでもないし、情報が漏れたとしても俺のアドバンテージは変わらない。
「レヴァンスをあまり舐めないでください、私の国にだって、貴方くらいの魔力量を持ってる人いるんですからねっ!」
『スタスタスタッ』
そう話すと、ティオは町の外へと走っていった。
俺と同じ魔力量ね、本当にいるとしたらかなり厄介だな。
警戒しないと。




