34話 エリックの尋問
『スタッ』
「何事だ!」
ティオが暴れて出た音を聞いて、部屋着姿のシンディさんが剣だけ持って宿の中から出てきてそう叫んだ。
「あ、シンディさん、どうもすみませんお騒がせしてしまって」
「エリック!こ、これは一体どういうことなんだ?」
跪くティオを前に氷属性の魔力纏う俺、そんな構図を見てシンディさんは思わずそう訊ねた。
「えっと、この方はレヴァンスからの刺客らしいのですが、無事鎮圧しました」
「そ、そうか……よくやったなエリック」
「はい!」
シンディさんは驚きつつもそう言って、俺を褒めてくれた。
俺、領主なんだけどね。
「一応、拘束だけさせてもらうよ、三級土魔法、土手錠」
『ガシャッ』
俺は動かなくなったティオの両手を、土の手錠で拘束した。
さてと、思わぬ収穫だったがひとまずこの子から、敵国であるレヴァンスの内情を探るとしよう。
「それじゃあ幾つか訊いてもいいかな?」
拘束が完了したので、俺はそのまま軽く尋問を始めることにした。
とまぁ尋問と言っても、酷いことはするつもりはない。
なんせこの子は自称だが敵国の第四王女らしいし、俺がここで手荒な真似をすれば、レヴァンスから俺ごとベルーナ領をマークされかねないし、ここは慎重にいこう。
「な、何のつもりだ、こんな事をしても私は何も話さないぞ!」
案の定ティオはそう言って抵抗の構えを見せてきた。
想定通りだな、よしそれならさらに俺の纏っている魔力を上げるとしよう。
『ゴウッ』
俺は纏っている魔力量をさらに上げ、5000ほどにした。
「う、嘘だありえない、そんな魔力ただの人が纏えるはずがない……」
ティオは怯えた目で俺を見た。
うん、いい反応だこれならあともう1000ほど上げれば、屈服できるかもだな。
『ゴウッ』
「さぁどうする?話すかこのまま俺に殺されるか、好きな方を選べ」
「ひ、ひぃ!」
流石に6000程の魔力を纏うと、ティオも強気ではいられなくなり、完全に戦意が目から消え、自然と情けない声が出た。
まぁ殺す気なんてさらさらないけどね。
「さぁ、早く選べ!」
「話します、話させてください、というかごめんなさいさっきはアルトの犬とか言って!」
ティオはそう言うと、現代でもあまり見なかった綺麗な土下座を繰り出してきた。
絵面はともかく、これで色々話が訊けそうだな。




