32話 強襲
「いやいや、いきなり謝られても……」
「そ、そうだよなすまん……」
バナーはそう言うと再び頭を下げた。
う、うーん、謝る事を咎めている訳ではないのだがな……。
「えと、そうじゃなくて、何に対して謝ったのかが分からなくてさ……」
「そうか、そうだよな!いや、一年前の舞踏会での非礼を詫びたくて、あとその後の嫌がらせの事とかさ」
バナーは申し訳なさそうにそう話す。
舞踏会での非礼をまだしも、その後の嫌がら
さは結構面倒だったんだよな。
よしここはバナーのやつを少し懲らしめてやろう。
「あー、あれね、舞踏会のやつはさ売られた喧嘩を買った俺も悪かったけどさ、その後のやり返しは違うよね~」
俺は腕組みをしてそう答える。
「うっ、そ、そうだよな……」
俺の返答を受けバナー目に見えて狼狽しいく。
よし効いてるみたいだ。
このままこいつにはしばらく反省してもらう。
「馬車の進路妨害や暗殺者を使った襲撃とか、やってる事が結構やばいもんなぁ、それをそんな謝罪一つで許すわけにはいかんでしょ」
「ど、どうすれば許してくれるんだ?」
キタコレ!待ってましたよそのセリフ!
これを口実にベルーナに有利な商談を取り付けてやる。
「えー、それはもちろん魔石のーー」
『ズドォン』
その時、バナーの背後に空から何かが降ってきた。
「な、なんだ!」
そう言ってすぐさま振り返るバナー。
『ガシッ』
「うぐっ」
しかし、背後に現れた何かから伸びた右手により、バナーの口が塞がれてしまう。
「バナー!!」
「しーっ、あまり大きな声をあげないでください」
そう言ってバナーの背から現れたのは、銀髪ショートの華奢な女の子だった。
「誰だお前?」
「私の名前はレヴァンス王国、第四王女ティオ・レヴァンス、あなた方アルトの犬どもを殺しに来た者です」
そう話すと彼女はニコッと笑い、腰につけた剣の柄に触れた。
おいおいこんなん聞いてないって。




