30話 ロックウェル・セントレア
「では改めて、よろしくなぁ!!」
「や、やめろ親父、近距離で叫ぶな!」
そう言ってバナーは耳を押さえる。
5分後、遠くにいたロックウェル・セントレアがこちらに到着し、再度俺へ挨拶をしてきた。
こ、この距離で叫ぶとかイカれてるなこの人。
「ど、どうも、改めてエリック・ベルーナです、よろしくお願いします」
「おう!よろしくな」
近くに来て思ったのだが、この人めちゃくちゃ大きいな。
身長190以上はありそうだ。
「えっと、一緒に行くのは私とロックウェル領主、それとバナー様でしょうか?」
「いやバナーは来ないぞ」
ロックウェルさんは笑顔でそう答えた。
「えっと、それじゃあ俺とロックウェルさんと旅団の方々という事になるのでしょうか?」
「いやそれも違う」
そう言ってロックウェルさんは首を横に振った。
えーっと、それはつまりバナー以外のセントレアの貴族が来るという事なのか?
「ほ、ほう……」
「まぁどうせすぐにわかる事だし、先に紹介しておこう、シンディ来い!」
ロックウェルさんがそう呼ぶと、ロックウェルさんと一緒に来た騎馬隊の一騎がこちらへ駆け寄ってきた。
赤と青の綺麗な甲冑に、華美な兜をつけている。
一体この人は誰なんだろう。
『カポッ』
華美な兜の騎士はこちらへ着くと、兜を外した。
「どうも初めまして、私の名前はシンディ・セントレア、ロックウェル領主の姪でございます」
兜の下から現れたのは、金髪碧眼の超美人だった。
「初めまして、俺はエリック・ベルーナ、ベルーナ領の一応、領主をしております」
「一応とは?」
「まだあまり誇らしく名乗れる実績がないものでして、自信がなく前置きですね」
「それは良くないですね、貴方はベルーナ領の主、領主とは自信なくして務まりません、もう一度ご挨拶をお願いします、今度は"一応"などをつけずにね」
そう話すとシンディさんは軽く頭を下げた。
な、なんて立派な人なんだ。
隣にいるバナーが霞んで見える……セントレア家ってもしかしてバナーとバナーの母親以外は皆んなちゃんとした貴族なのでは?
「失礼しました、では改めて私はエリック・ベルーナ、ベルーナ領の領主でございます」
「うん、良くできました」
シンディさんはそう話すとニコッと笑った。




