28話 セントレア
ーー4日後
『コンコン』
「エリック様、そろそろセントレアの領内となります」
4日後の朝、俺の乗る馬車ば遂にセントレアの領内へと入った。
馬車の乗り手を担当するのはセバスチャン、うちの執事歴はじーやに次いで長い最古参の1人である。
「そろそろか」
「ええ、してエリック様今回の遠征、何か裏を感じますね」
「……裏?」
今回、セントレアから協力を頼まれたのは、ガネーシャ領にいる敵国の制圧と領土奪還である。
普通に考えて一度取られた土地を奪い返すには、敵勢力の4倍以上の勢力が必要なのだが、あいにくウチの国にそんな戦力はない。
まぁ俺ならワンチャンどうにかできるかもだけど……。
まさかそれ頼みの作戦なのか。
うーん、セントレアには何度か俺の力を見せてしまってるからな……てかセントレアならやるな、多分だけど。
「お気づきになられたようですね」
セバスチャンは俺の様子を見てそう話す。
「ああ、セバスチャンに言われて気がついたよ、おそらくセントレアは俺を敵国にぶつけて消耗させたい、そうだろ?」
「さすがですエリック様、その読みは的を得ております」
セバスチャンは笑みを浮かべてそう言った。
いやいや笑ってる場合じゃないでしょセバスチャン、主人のピンチなんだからもっと焦りなさい、ほんとに。
「教えてくれてありがとなセバスチャン」
「いえいえ、まぁエリック様ならなんとかなるでしょう」
「お、おう」
セバスチャン、いいかい主人に向かってそんな丸投げなんて、本当はダメなんだからね、執事としてあるまじきだからね。
まぁなんとかはするけどさ……。
そうして俺たちは、セントレア家との待ち合わせ場所に急ぐのだった。
ーー2時間後
馬車に揺られる事、さらに2時間後。
セントレア領内の小さな街へと到着した。
この街がセントレア家との待ち合わせ場所である。
『スタッ』
俺は馬車から降り周囲を見渡した。
「まだ来てないみたいだな……」
セントレアとの約束は、今日の昼にこの街でとなっている。
まさかバックれたのか、いや俺の力をあてにしているなら連中だし、それはないか。
「エリック様、どうやら来たみたいですよ」
そう言われて街の奥を見ると、華美な装飾を施した馬に跨って見覚えのある男が、こちらへと向かって来るのが見えた。
「おいおい、セントレア側の使者ってあいつかよ」
「よぉ没落野郎、久しぶりだな」
そして俺は約1年ぶりにバナー・セントレアと再会するのであった。




