25話 ベルーナ領主としての回答
ーー翌朝、ベルーナ領エリックの屋敷にて
『コンコン』
「エリック入るわよ……ってあなた、やっぱりここで寝ていたのね」
「んあ?」
朝目覚めるとそこには、両頬をぷくっと膨らませ額に怒りマークを浮かべたエリーがいた。
どうやら昨夜は書斎で寝てしまったらしい。
「まったくあなたって言う人は……」
「はは、ごめんよエリー、あとすまないフィオさんを呼んでもらえないかな?」
「……はぁ、仕方ない人ね待ってなさい呼んでくるから」
『バタン』
文句を言われ、自分で呼んでこいと言われるかと思ったが存外エリーは、フィオさんを呼びに行ってくれた。
すまないなエリーよ。
『コンコン』
「失礼します、領主様」
「おはようフェオさん、さっそくで悪いけどこの書簡を受け取って欲しい」
俺は部屋に入ってきたフィオさんに一つの書簡を渡した。
「これは?」
「この前のセントレアへの回答だよ」
昨晩、フィオさんには受けるべきと言われたが、俺も領主だし部下の提案にただ頷いて決定というわけにはいかない。
夜通し考えた末に導き出した答えがその書簡である。
「さすがは領主様、私の提案をもとに書簡を作られるとは、それで内容は?」
「ありがとうフィオさん、大まかに言えば協力への合意だけど、送る戦力はこちらで選ばせてもらうと書いたよ」
「なるほど」
俺は敵国がセントレアに攻めてきた際の協力はするが、送る戦力は俺が選べるようにした。
そうする事で、ベルーナ領の戦力をいたずらにすり減らすリスクを避ける狙いがこれにはある。
まぁ送る戦力は、俺単体の予定だけどね。
「これなら我が領内の兵士をいたずらに死なせずに済むからね」
「良い案かと思います」
「ま、それだけじゃないけど」
「ほう、それだけじゃないとは?」
その書簡に俺が書き記したもう一つのこと、それは。
「協力の条件としてセントレア兵士の食糧は、我がベルーナ領から買ってもらうと書いたよ」
「……さすがですね領主様」
フィオさんはそう言うと、ニヤリと笑った。




