24話 提案の思惑
ーーベルーナ領、屋敷にて
「協力体制……」
これってつまり、セントレアが俺たちベルーナに助けを求めてるって事だよな。
そんなの俺が生まれてから今まで一度も無かったことだ。
何か裏があるはず、そうに決まってる。
でも何が狙いなんだ?
『ガチャッ』
「若領主様、ちょっといいか?」
フィオとセントレアから届いた嘆願書について悩んでいると、書斎にてラナトスさんが入ってきた。
「ラナトス様」
「なんだフィオも一緒か」
「ラナトスさんどうしたの?」
「いやセントレアについて気になる情報があってさ」
部屋に入ってきたラナトスさんは、少し焦っているようにも見える。
なんだろう……嫌な予感がするな。
「その情報って?」
「ああ、前回の進行で国境線のガネーシャ領の一部領土が奪われたらしくてな、その影響が近くの領地にも敵国が進行してくるらしい」
ま、マジか……。
でもガネーシャ領はウチとは離れているし、大した影響はないはず……待てよセントレアの隣は確か。
「えっと、もしかしてその侵攻されるかもしれない領地にセントレアも入ってるとかですか?」
「さすがは若領主様、正解だ」
なるほど、これでセントレアがいきなり協力を求めたきた理由がわかったぞ。
……うーん、この理由を知ったら尚更、協力体制の願いは受け入れたくないなぁ。
「領主様、一つご提案なのですが」
ラナトスさんの話を聞いたフィオは、俺にそう訊ねた。
「うん、なんだいフィオさん」
「ここはこのセントレアからの協力の願いを聞き入れるのはどうでしょう?」
「え!?いやいや危ないよ、戦争に巻き込まれるかもだし」
俺が反対だと身振り手振りで伝えると、フィオさんは真剣な眼差しを向けた。
「これはチャンスです、領主様」
「チャ、チャンス?」
「ええそうです、ここでセントレアに恩を売り、それを将来の取引の交渉材料とするのです」
フィオさんはそう告げると、ニコッと笑った。
こ、この人仕事がデキ過ぎる……。
まぁでもこの案は採用だな。




