23話 冬にむけて
ーーベルーナ領、屋敷にて
『ガチャ』
「ただいまー」
クリスとの交渉から3日後、俺は自宅のあるベルーナ領に帰ってきた。
「お帰りなさいエリック、商談はどうだった?」
玄関へ着くとすぐエリーがやってきて、心配そうな顔を浮かべてそう訊いてきた。
「エリーの情報のおかげで上手くいったよ、とりあえず11月に2000個納品して、12月には20,000個になる予定かな」
「2、2万個!す、凄いわね」
エリーはそう言って嬉しそうに驚いた。
「これもエリーが教えてくれた情報のおかげだよ」
「そうかもね、でも交渉したのは私じゃないわ、私はただ情報を教えただけ、それの使い方とタイミングが上手いのはあなたよエリック」
『ポン』
エリーはそう話すと、ポンッと俺の方を叩いた。
旦那のために必要な情報を教えて、尚且つモチベーションも上げるなんて、なんてできた嫁だろう。
本当に17歳なのか……。
「あ、ありがとう」
「いいのよ、それより夕食の支度ができてるわ、早く食べましょう」
「助かる、腹ペコだったんだ」
そうして俺とエリーは食堂へと向かった。
ーー2時間後、エリックの書斎にて
『コンコン』
「失礼します」
夕食後に書斎で1人まったりしていると、我が領の政務官であるフィオさんが訪ねてきた。
「フィオさんどうしたの?」
「夕食後にすみません領主様、少しお話ししておきたい事がございまして」
フィオさんは深刻そうな顔をしてそう話す。
あーこの感じ、何かトラブルが起きたのか。
まぁどうせまたセントレア絡みだろうけど。
「いいよ全然、気にせず話して」
「ありがとうございます」
俺がそう言うと、フィオさんは部屋へと入ってきて、書斎に置いてあるソファに座った。
「それで話って?」
「セントレアの事なのですが、領主様がお留守のときに書簡が届きまして」
やっぱりセントレアか。
この感じだとおそらく書簡の中身は、ウチへの文句だろうな。
「それで中身は?どうせロクでもない内容だったんだろ」
「それが、協力体制の嘆願書でして……」
「やっぱり苦情か……って協力体制の嘆願書だって!?」
「ええそうなんです」
今まで散々嫌がらせをしてきたセントレアが、俺たちに協力をお願いだと?
一体、どういう目的なんだ。




