22話 交渉
ーーゼネナル家にて
「それでエリックよ、話ってのはなんだよ」
「ああクリス、話ってのはこれについてなんだが」
『ドサッ』
俺は机の上に1つの袋を置いた。
「なんだよこれ」
「まぁまぁ、開けてみてくれよ」
そうしてクリスは俺に言われて袋を開けた。
「……ソーセージか?」
「そうだよソーセージ、今日はこれを売りに来たんだ」
ソーセージ。
古くは紀元前からあるとされる保存食。
これから冬を迎えるにあたり、備蓄用として各領地で必要になる。
まさに売り時、そしてうちの領内には豚が沢山いる、これはもうソーセージを売れと言っているようなものだろ。
「ソーセージか……うーん、しかし交渉が上手いなエリックよ」
クリスはそう話すと、頭を抱えた。
前もってエリーからゼネナル領の食料事情は伺っており、どうやらその情報によるとゼネナル領は現在、深刻な食糧不足にあるらしい。
すまんなクリスよその食糧不足、利用させてもらうぞ。
「なっははは、すまんなクリスよ」
「エリーか?」
「それは企業秘密ということで」
さすがに気がつくよな。
まぁでもそれに気がついたところで、この交渉の成功は揺るがないだろう。
「うーん、これは参った、仕方ない交渉成立で頼む」
「やったー!」
悩むこと10分。
クリスから承諾をもらい、この取引は成立となった。
「それでいつ頃に届く予定なんだ?」
「11月頃かな」
「わかったそれで良い、これからよろしくな」
そう言うとクリスは右手を差し出した。
「おうよ」
『ガシッ』
俺とクリスは固い握手を交わすのだった。




