20話 ベルーナ家の興隆
ーー半年後
「エリック様!リンドア領より、魔石の輸入を増やしたいと連絡を頂きました!」
「ほんとか!それは良い知らせだなユリン、急いでその事をフィオにも知らせてくれ」
「はい!」
そう言ってユリンは俺の書斎から勢いよく飛び出していった。
彼女の名前はユリン、最近新しく雇った執事の1人でフィオの元で政務官補佐として働いている。
この半年で俺のベルーナ領には多くの変化があった。
まず取引先がかなり増え、今では5つの領主から魔石輸入の依頼を受けている。
しかもそのどれもが有名貴族。
当然入ってくるお金も増え、領内の村々は栄え、道路も再整備中である。
『コンコン』
「エリック!入るわよー」
『ガチャ』
「エリー、どうしたんだ急に?」
ユリンと入れ替わりで今度はエリーが書斎に入ってきた。
エリーは妊娠8ヶ月、お腹もだいぶ大きくなっている。
「今日なんだけど、近くの村で夜にお祭りがあるらしくて、私とフィオとユリンは行くけど貴方も良かったら来る?」
しまった……最近忙しくて村の祭司の日程の把握を怠っていた。
まずいな領主として参加しないと。
「も、もちろんいくよ」
「別にいいのよ領主としての挨拶とか気にしなくても、そういうのは私がやるもの」
エリーがうちに来てからというもの、俺はエリーに頼りっぱなしだ、ここは領主としての威厳を示すためにも、参加せねば。
「そう言ってくれると凄い助かるよほんと、でも今は手が空いてるし、俺も祭に参加するよ」
「そう、なら一緒に回りましょうよ子供の頃みたいに!」
「そうだな」
そう言って俺が笑うとエリーも笑った。
なんだろ凄い幸せを感じるな。
ーー裏山にて
その日の午後、俺は裏山にいるラナトスさんの元へ来ていた。
「ハクスイよ、それでセントレアの動向はどうだった?」
「ハッ、ご報告いたしますと特に目立った行動を起こしておりませんでした!」
「そ、そうなのか、ふぅこれで安心できるよ」
彼の名前はハクスイ、近くの村から勧誘した騎士の1人である。
ハクスイにはこの数ヶ月、セントレア領に潜伏してもらい動向を探ってもらっていた。
「良かったね、若領主様」
「ラナトスさん!でもまだ油断はできない、ハクスイも引き続きセントレアの監視をよろしくね」
「かしこまりました」
そう言ってハクスイは歩いて行く。
「聞きいたよ若領主様、今日は夫婦仲良くお祭りに行くらしいね」
「き、聞いたんですね、まぁたまには良いかなって」
「全然良い思うよ、しっかり楽しんでおいでね」
ラナトスさんは笑顔でそう言った。
ここ数ヶ月、魔石関係で家を留守にする事が多かったし、今日くらいはエリーのために祭を楽しもう。
てか気がついたらエリーの事、めっちゃ好きになっているな。
まぁ結婚したし好きである分には、良い事なんだけどね。




