16話 ラナトス・リンガード
ーーさらに2日後、山中にて
「やばい確実に迷ったなこれ」
山に入って2日、ラナトス・リンガードの手がかりは何も見つかっていない。
まずいなエリーに2週間で帰るって言ったけど、もしかしたら何ヶ月もこの山にいる事になってしまうかも。
屋敷に帰ったら子供が産まれてましたなんて、洒落にならんぞ。
『ガサガサ』
その時、隣の茂みで音がした。
「な、なんだ」
「ばぁ!」
「うわぁ」
茂みから現れたのは10歳くらいの少女だった。
「はっはは、お兄さんこんなところで何してんの?」
「え、いや、人探しだけど……ってそれより君の方こそ何してるんだい?」
「何してるも何も、ここに住んでるんだよ!」
「……住んでる?」
『ガサガサ』
その時、また隣の茂みが揺れた。
「おーい、サーシャどこにいるんだー」
「あ、お父様!」
「え、お父さん!?」
現れたのは、身長が190センチほどの大男だった。
「おや、なんだいサーシャお友達かい?」
「そうかのー、さっき仲良くなったの!」
「い、いや俺は……」
「ん?君のその雰囲気どこかで見たような……」
そう言って大男は俺を頭から足まで凝視し始めた。
父さんの話ではラナトス・リンガードは身長が高く青髪の大男、今のところ特徴全部当てはまってるし、もしかしてこの人がラナトス・リンガードか!
「え、えっと、俺は」
「あーわかった、君はセドリックの子供だね」
「せ、正解です」
そうして俺は正体がバレてしまった。
「いやぁセドリックの奴には世話になったし、世話したよぉ、あいつは元気にしてるかい?」
「えーっと、3ヶ月くらい前に王都に行きましたが、元気そうでしたよ」
「王都に?それまたどうしてだい」
「な、なんか騎士団に戻るとか言ってましたね」
「……ほう、それは……なるほどな」
大男はそう言うと少し考え込み始めた。
でも話してみた感じ、父さんと喧嘩したふうには見えないな、もしかしたら騎士として戻ってきてくれるかも。
それよりもまずは、この人が本当にララバさんかどうか確認しないと。
「す、すみません、貴方がラナトス・リンガードさんですか?」
「え、ああそうだよ、ごめんね名乗ってなかったね」
よっしゃあ、ラナトスさんを見つけたぞー!
あとは勧誘してついて来てもらったら、屋敷へ戻れるぞ。
「い、いえいえ大丈夫です、それよりもラナトスさんお願いがあります、どうかベルーナの屋敷に帰って来てもらえませんか?」
「……ごめんねそれだけは嫌かな」
「……え?」




