12話 魔石の増やし方
ーーベルーナ領、とある村にて
「よしできた」
俺は1体の中型ゴーレムを作った。
この日、俺は政務をフィオさんに任せて魔石の採掘場のある村を訪れている。
「あとはこいつに命令式を5つほど組み込めば完成だな」
『ガシャガシャ』
2級魔法、ゴーレム。
こいつは5つまでの命令なら組み込んで動かす事ができ力仕事や鉱石と魔石の判別なんかができる。
基本的に俺は魔石の採掘には、人ではなくゴーレムを使うようにしている。
人件費とかあるし、軌道に乗るまでの間はこいつらに頼るつもりだ。
「あと10体くらい作れば採掘ができるようになりそうだな」
この世界において魔石とは、重要なエネルギー資源である。
例えばこの世界の灯りやコンロなどに使う火は魔力によって生成したものを使用しており、この時使うのが魔石なのだ。
普通の人達は魔力量がそれほど多くない為、日常生活では自身の魔力ではなく魔石を使う。
ちなみに魔石には、1キロでその家にある火や水を生成するのに十分な量の魔力があるらしい。
ーー30分後
ゴーレムが15体ほど作れたので、さっそく採掘作業を始めてみることにした。
「さて、じゃあ頼むよゴーレム達!」
『ガシャガシャ』
俺がそう言うと、ゴーレム達はガシャガシャと音を立てて、採掘現場へと向かい始めた。
このゴーレム達なんだが意外と器用で、採掘は勿論、魔石の加工なんかもできてしまう。
そして極め付けはなんと言っても不眠不休で動き続ける事。
ゴーレムなので魔力さえあれば、ずっと動き続ける事が可能なのである。
「ある程度魔石がとれたら、取れた魔石を使って自給自足できるように、魔石を加工する命令式も組み込んでおかないとな」
ここともう一つの場所をフル稼働で回し続ければ一カ月で魔石を50トン用意するのも夢じゃない。
だがそれじゃあダメだ、もっと必要なんだ。
ここ以外にも最低あと20箇所くらいの採掘所をフル稼働させないとセントレアには勝てない。
もっと頑張らないと。
そうして俺はさらにもう30体ほどゴーレムを作った。
ーーその夜、ベルーナ家の屋敷にて
「ただいま」
「あらエリック、遅かったわね」
「悪いなちょっと力仕事しててさ」
「そうなのね、晩御飯できてるから食べちゃいましょう」
『ガシッ』
「ちょ、エリー」
そうして俺はエリーに連れられて食堂へと向かった。
「うわぁ、すげぇなこれ」
食堂へ着くと、ロブスターやステーキ、美味しそうなスープなどが所狭しと並べられていた。
「どうかしら、私が作ったのだけれど」
「え、エリーが作ったのか」
「そうよ、私だってこれからは一家の台所を任せられる者、これくらいはできないとね」
そう言ってエリーはビシッと背筋を正した。
「まぁ必要なら料理人くらい雇えば……」
「何を言っているのかエリック、無駄遣いはダメよ、抑えられるところは抑えて節約しないと、私達がお金を使ってちゃこの領地を良くするなんてできないわよ」
え、エリー、お前本当にあのエリーなのか。
いやでも正論だ。
ここはエリーに従おう、魔石産業が上手く行くまでは節約が大事だ。
「わかった、とりあえず腹減ってるからご飯食べさせてもらうな」
「うん!しっかり食べてね!」
「ああ、いただきます!」
俺はそのままエリーの作った料理を食べ始める。
味付けはまだまだだけど、頑張って作ったのは伝わるな。
「美味しい、すっごい美味しいよエリー」
「そ、そう言われると嬉しいわね」
エリーはそう言うと頬を赤らめた。




