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光は古来から聖なるものとして崇められてきた。 しかし光であれど色により分別も分けられてきた。 黒き光であれば邪悪なる物。 青き光は静かなる動き。 赤き光は獰猛なる動き。
ヘイスはその光を見ていた。強烈な光であるのにかかわらず、眩しくはなかったのである。
その色は瞳に焼き付き、脳裏へ強く記憶された。
――光の色は。七色に光っていた。
気が付けば光は収まり、包むように作られた両手を、彼は見ていた。
手を解しても、あれほどの強烈な光があったなどとは思えなかった。
光は、熱く、輝き、ヘイスの中に取り込まれたとでも言うのだろうか?
その瞬間の記憶がない彼は、何が起こったのかさっぱり分からなかった。
「何が起ころうとしているのか」
ヘイスは、そう思った。
狩猟は、狩るべき獲物がいない時点で終りを告げていた。
ヘイスはただ光があったということだけの実感だけが残り、異様な雰囲気に包まれた。
心の中に何か煙のような、モヤのような、そんなわだかまりができた。
その日はとても狩猟をする、できる様な気分ではなくなり、荷物をまとめて家へと戻る事にした。
森を出る直前に、何かが自分を見つめている。そんな視線を感じたが、周りを見渡して見ても生き物の姿は見えなかった。 恐らく気のせいだろうと思い、帰路へとついた。
街へ戻ると、広場が騒がしかった。 何があるのだろうかと思い見に行くと、重く丈夫そうな甲冑を纏った、言うなれば兵士たちの姿があった。
「我々はレイドメイ王国の警備部隊である。この街に我らの仲間になる若者はおらぬか。兵士として生きる物はおらぬか」
この街はお世辞にも都会とは言えぬ。なぜそのような街に兵士が動員をかけているのかヘイスにはわからなかった。
レイドメイ王国と言えば、近隣と言えば近隣ではある国だが、それなりに大きな国土を持ち、この街よりももっと近い場所に街があるというのに。
なぜ来たのだろうかと、騒がれていた。
「近々、この世界をまとめる大規模な戦争をすると国王は考えておられる。その考えを実行に移すためには、諸君らの協力が必要なのだ。我々に着いてくる者には住処と食料、俸給を約束しよう」
ヘイスはなぜだか、嘘臭い話だとは思った。
彼の言う王国の国王と言えば、ヘイスでもよく知っている。
温厚な性格で、見た目だけではとても争い事を好むような性格ではない事を。
その王様がなぜ今、また戦争を始めようと言うのか。
なぜ、戦争を始めるというまでの決断に至ったか。
ヘイスは考えても分からなかった。一度しか会った事はないが、人の噂でもそんな事は考えられるような人物ではないはずなのに。
「私は数日の間、この街に滞在させていただく。その間に気が向いたものは私に話してくれるといい。すぐに国に取り合おう。 ……それでは失礼する」
そう言うと、兵士達は街の宿へと向かっていった。
「……戦争、か」
戦争と言えば人の殺し合いである。国と国の、戦いである。
ヘイスが行かなくとも、いつかは始まり、いつかは終わるであろう。
その時ヘイスは考えていた。なぜレイドメイの王様はそのような事を考えるに至ったかを。
調べる手段は何もない。ただ、ヘイスの考えている事が正しいとも言えない。
ヘイスは家に帰ると母にその事を話した。




