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 物騒な話である。

 戦争といえば国家間の争い事、話で片がつかなければ喧嘩をしましょう。それで勝ったほうが正しいということにしましょう。つまりはそういうことなのだ。

 国王がどこと、何を話し、こじれて喧嘩をしましょうという話になったのか現状はわからない。今すぐに聞けば教えてもらえるものでもあるまい。末端の兵士に行く情報とは恐ろしいほど陳腐なものだろう。

 

 ――あっちが敵で、殺せ。


「ヘイス」

 スープの入ったさらにスプーンが置かれ、かちゃり、と鳴る。

「もし招集されたのなら、行きなさい。貴方が呼ばれたのであれば、おそらく私も呼ばれると思うわ」

 母はそう言う。

 考えてみれば、戦争となれば国の人間は総動員しなければいけないだろう。男は兵士、女は補助。

 戦争とは国と国が戦うのだ。国力同士のぶつかり合い。国民を総動員し、どちらが土地に侵攻、攻撃か、防衛か。指揮を執るのは上流階級。お勉強をした人達が、下流階級を操り、敵国を排除せよという。

 

 ――国王同士で殴り合いで終わらせてほしいものだ。


 それをするといざ国王が死んでしまったときに困るものだから、やらないだけであろう。

「母よ。父は――」

 ヘイスの父はこの周辺で狩猟で生計を立てて母と私を養っていたと聞く。

 ヘイスが小さなころ、それこそまだ赤ん坊のころに死んでしまったから、彼には父に対する記憶はない。あるのは、母から聞く背中の大きな、不器用な、笑顔が下手な父の若いころの話と、友人の父から聞く、勇猛で、勇敢で、冷静な父の狩猟。

 想像だけで終わらせる父の記憶である。父の若いころの顔によく似ていると母は言うが、よくわからない。


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