第26話 ニトロ
強い光が部屋で発生した。
その光はスミスの顔をかすって、後ろの壁を焦がした。
光源だった爆弾石の後ろで泡蟹がスミス直撃コースをずらした。
おいおい、『ニトロ』打ち合わせ通りに頼むよ!
爆弾石が唸る!
「イー!」
えっ!?「こいつ、ゆるせない。ころす!」って、だからこいつの処遇はオレに任せろって言っているじゃないか。
「イー!」
ハア~、「きがかわった。やっぱりころす!」って・・・・・
ほお、オレの決定に逆らう気か?
「イー!?」
はいはい、「ごめんなさい、ごめんなさい。」って、分かればいいよ!オレの後ろに控えていろ!
「・・・マサシ様、これはどういう事でしょう?はい。」
では、分かりやすいように始めから説明してやろう!
オレはスミスの従魔契約完了直後、『水の勇者の冒険は終わった・・・』と言った時には既に、下の階に四体幽体離脱していた。そこからスペルやスキルを駆使して、この周辺を偵察した。
「なっ!?スペルの声は聞こえなかったし、マサシ様は無詠唱スキルは所持していなかった筈です。はい。」
あ~、オレは詠唱の声を出さずともスペルを発動させる術を持っている。(メニューからの発動は脳に負担がかかるがこの場合、スミスに気付かれる方がヤバイからな。)
まあ、それは置いておいて、オレはスミスがこのまま、すんなりと配下に入るはずがないと思ったので、周辺を偵察してこの爆弾石を発見し、従魔契約を結んで味方にした。
「ちょっと待て下さい!?マサシ様の従魔契約は調べた結果、女体化が大前提のハーレム願望丸出しの仕様だったはず!
でも、この爆弾石は魔物本来の姿ではありませんか!?はい。」
そうか、オレの従魔契約はそんな仕様だったか・・・
あー、そうだよ!! ハーレムを望んで何が悪い!?健全な男なら誰もが夢見るハーレム!!!ハーレム願望を持って何が悪い!?
「・・・いえ、マサシ様、そんな血涙を流すほどのいきおいで熱弁していただかなくても。はい。
!?・・・そうではなくて、魔物本来の姿のままで従魔契約を結ぶ事ができるのでしょうか?はい。」
いーや、出来ないよ・・・
ニトロ、ネタばらしをしたいから魔力供給を止めるぞ。
「イー。」
よしよし、「わかったー」って、元気のいい返事だな!では止めます。
ポン!
ニトロが白い煙に包まれた後、現れたのは赤髪の赤ん坊だった!
「小僧・・・これもお前の願望か?
ペド」それは言わせないぞ!!
オレの従魔契約は女体化させるが、その年齢は対象者の精神に比例するみたいだな!
話を戻して、このニトロの変身は泡真珠が関係している。魔力供給されている泡真珠をオレの従魔契約対象者に持たせるとパワーアップするみたいなんだよ!
「どういう事でしょうか?経緯から説明してもらえれば、助かるのですが。はい。」
OK・・・まず、爆弾石改め『ニトロ』にはスミスが自爆させる為に多くのエネルギーが蓄積されていた。
夜鬼眼の自動分析によって、自爆させない方法を補足説明してもらった際、魔力供給で結ばれた『泡真珠』を与えると同時に従魔契約を結ぶと自爆エネルギーを制御できるほど強化されると出た。
そして、その契約をした時には魔物の姿のままだった。
ニトロにはスミスを驚かすように攻撃を外せとその時、お願いしたんだけど・・・
「イー!?」
ったく、「本当にごめんなさい。」って、今度から無いように頼むよ。
「イー!」
ハア、「はい。」って、返事だけが元気にならないようにね。
んで、スミス!お前も魔力供給の泡真珠・・・
あー、長いから仮称・真珠契約と名付ける!!他にいい名前が有ったら言ってね。オレが気に入ったのなら採用するから。
話を戻して、スミスはこの真珠契約に興味が有るか?
「・・・・・・はい、是非に試したです。はい。」
そんじゃあ、試してみるか?
「ちょっと!?それはいくらか何でも危険過ぎますなのです!」
・・・ルプ、能力検証は大事でしょう。
「マサシさん!?はっきり言います。この怪しげな執事を強化したら、貴方は殺されますなのです!!!」
ありがとうございました。
次回に7/8 12:00に更新します。




