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ノースVS魔王

 ノースは不思議な気分だった。

 今まで体の中にあった魔力が抜けてしまった。

 しかし、それと同時に今まで頭にかかっていたもやがすっきりした気がした。

 今なら何でもできる。

 今なら何でも赦せる。

 そんな気がした。


「魔王、体は大丈夫か?」


 そんな全能感の中、ノースが発した言葉は魔王への気遣いだった。

 アキナが無事なのは一瞬で分かった。

 後は魔力を吸い取った魔王が暴走していないかという所だが。


「ああ、何とか大丈夫だ。これも修行の成果だろう。まあ、誰かさんが一瞬にしてまた魔力の半分を引き受けてくれたからという事もあるけどな」


 魔王は冷や汗まじりでそう答える。

 これが全魔力もらっていたら、きっと暴走していた事だろう。


「じゃあ、軽く運動でもするか。今なら少し動けそうな気がするし」


 そう言うとノースは、指先に魔力を込める。

 使うのは今まで制御が不安で怖くて使えなかった初級の火の魔法。

 巨大な魔力に振り回される事なく、指先に青い炎が灯る。それが豆粒ほどに纏まって、指の先1センチの所で浮かぶ。

 ノースはそれを魔王の方へ向ける。

 シュンと魔王に飛んでいくその青い豆粒を魔王は顔をひきつらせてよける。

 豆粒は見えない壁に当たって爆炎をあげた。

 見ていたアラクネがボーゼンとしている。

 アキナはぐっすり眠っている。


「まあまあかな?」


「何がまあまあだ!」


 魔王の突っ込みもどこ吹く風。

 今度は拳に魔力を込めて魔王に連打する。

 その威力はアキナの比ではない。

 魔王も必死になってさばくが、だんだんと拳打は当たり、魔王がぼろぼろになっていく。

 適当に殴りつけると、ノースは一度距離をとった。


「なんか、調子に乗ってきた。ちょっと本気出すから、頑張って凌いでくれ」


 そう呟くと、ノースの目の前に魔法陣が展開する。

 普通は床に描く物だ。それを魔力のみで一瞬で作りあげたのだ。


「我が従えし者は四神四門十二方位十二門、以て十七門と成す。開け、十七門。我が呼びかけにより来よ、召喚獣!」


 ノースの言葉と共に、魔法陣はまばゆい光を発する。


「ちょと、待て!おい!」


 魔王の必死の制止も虚しく、魔法陣からは続々と召喚獣が現れて、魔王の作った結界内を暴れ回った。


「あ、やべっ」


 ノースは少し焦り、取りあえずアキナとアラクネ、そして魔王を守る障壁を展開した。


 召喚獣達は魔王の結界を突き破ると、魔王城を半壊させてどこかへ行ってしまった。


「なんか、さっぱりしたね」


「さっぱりしすぎだわ!」


 魔王の突っ込む声が虚しく響いた。



 その後、アキナは目を覚まし、魔王に負けた事を悔しがった。

 ノースはそんなアキナをなだめつつ、体に異常がなかった事にほっとした。

 魔王からは当初の望みであった、次元鏡を貸して貰う事ができたが、


「半年先までここには来るな!」


 とへそを曲げられてしまった。



 それからしばらくして、魔王城には再建のために沢山の魔物が働くようになった。

 何でも、自分では太刀打ち出来ないほどの魔力が魔王城から発せられ、それが魔王の物だったというからだ。

 魔物達はさすが魔王様だと尊敬し、一丸となって魔王城の再建をしているという。


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