〜第1節〜
ついにこの日が来た。
落ちた名門と言われた私の一族もこの戦争で勝てば見返せる。
触媒になりそうな物を蔵から探したが歴史的価値のある物といえば代々受け継いできた新選組に縁のある『誠の旗』。
薩摩藩出身である先祖が新選組の隊士をしていた際の形見なのだとか。まぁ分家も分家である私の家にある時点で一族としては良く思っていなかったのだろう。
いや、今はそんなことはどうでもいい。
この触媒で呼ばれるなら間違いなく新選組。
神秘の薄い時代とは言え召喚されるサーヴァントは最優の騎士セイバーだろう。
「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 祖には我が大師シュバインオーグ。 降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。 繰り返すつどに五度。 ただ、満たされる刻を破却する」
「―告げる。 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。 聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」 「誓いを此処に。 我は常世総ての善と成る者、 我は常世総ての悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天、 抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
眩い光の中から人影が見える。
袖口をダンダラ模様に白く染め抜いた浅葱色の羽織を着た色白の女の子が立っていた。
服装だけで分かる。間違いなく新選組の誰かだ…。女の子だけど…。
「新選組一番隊隊長 沖田総司、推参。あなたが私のマスターですか?」
一瞬、思考が停止してしまった。
沖田総司?歴史に疎い私でも名前くらいは知っている。
「私の勘違いだったら悪いんだけど、沖田総司って女の子だったの?」
沖田を名乗る女の子はポカンとしていた。
「え!私、後世では女って伝わってないんですか!?…確かに戦闘の時はサラシで潰してましたけど…それでも…えぇ…」
後半はぶつぶつ言っており聞こえなかった。
「だ、大丈夫ですよマスター!たとえ女でも沖田さんは沖田さんですから!」
先ほどまでとは違い自信に満ち溢れた表情で私に笑顔を向けてくれた。
そうだよね、女だからって関係ない。




