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9話 リハビリ病院に転院&薬の副作用

転倒してから脳外科の担当のドクターは1度も病室に来てないそうだ。

「何なのここは?」華穂は怒り心頭で悠斗も早く転院したいと言う。

毎日、華穂が世話しているのが当たり前のように思っている様子で

食事関連・排泄関連・口腔ケア・清拭・すべて華穂がしている。

尿器を持って廃棄に行っている途中すれ違っても何とも言わない。

脳出血の治療自体には感謝しているがそれ以外は納得できない。


湿疹と言うよりも蕁麻疹のようなのが頭のてっぺんから足の先まで

出来てしまってかゆみがひどく微熱も下がらず院内の婦人科、歯科、

耳鼻科以外の科は全部診察受けた。

でも結局 アレルギーという事になったようである。


転院前にリハビリ病院から相談員さんが状態を見に来て色々聞かれた。

骨折しているのが大丈夫なのか心配しているとの事で整形の

ドクターから説明を聞いてから転院の日を決めたいとの事だった。


翌日リハビリ病院から連絡があり 明日の転院が決まった。

まだ座っての移動の許可がおりずストレッチャーでの介護タクシーを

使っての転院になった。

転院の時さえ担当のドクターは姿を見せない。


転院先のリハビリ病院では悠斗はすぐに男性看護師に気を許したのか

あんなに嫌がっていた排便の世話を華穂が居なくても任せるようになった。

やはり女性の看護師では恥ずかしさがあったようだ。


さすがリハビリ病院で一日に何度もリハビリがある。

理学療法士2名 作業療法士2名が担当になりベット上で足を曲げたり

伸ばしたり、上にあげたりしている。

4名共にまだ若い方で楽しく会話しながら悠斗の笑い声さえ聞こえる。

リハビリ中はコルセットをつけたままで起き上がることが許可された。

2か月もの間 清拭だけで入浴できてなかったがリハビリ病院では

寝たままで入浴出来て気分もすっきりで嬉しそうな悠斗だった。


救急の病院では2か月もの間、華穂は朝から夕方まで病院にずっといたが、

リハビリ病院では悠斗がリハビリ中、華穂は病室にポツンと残される。

悠斗も慣れてきたようだし2時間ほどで帰るようにした。

今までの2か月 悠斗も華穂もよく頑張った。


悠斗はずっと微熱が続いていたが時には38度を超えるようになった。

蕁麻疹も治まらず痒い痒いと気が狂いそうになる悠斗。

看護師長さんがコルセットの中に手を入れて掻いてくれたそうだ。

悠斗から聞かされて ありがたくて涙が出る華穂。





転院して2週間くらい過ぎた日。華穂がリハビリ病院へ行くと悠斗の顔が

腫れていて瞼もパンパンになっている。

びっくりした華穂はナースステーションに飛び込んだ。

「主人の顔が腫れています。喉も腫れているのでは?呼吸が

出来なくなるのではないのでしょうか?」


担当のドクターが診察して「多分 てんかん予防で服用している薬の

副作用だと思います。薬剤性過敏症症候群です。

ステロイドで治療するのですがステロイドを使うと

この薬が原因だとわからなくなるので薬害の証明が出来なくなりますが

いいですか?」と言う。

「呼吸が出来なくなれば大変なことになります。証明よりも治療を

してやってください、お願いします」と答える華穂。


ステロイドを使い始めて顔のむくみが取れ元の顔に戻った。

担当のドクターから「元の病院に戻って治療をしてから又こちらで

リハビリ受けた方がいいのではないか」とのお話があったが

元の病院には戻りたくないと答えると「元の病院にはカルテがあるけれど

他の病院に行けばカルテがないので又 1からの検査になるので

やはり元の病院で治療受けた方がいい」と言われ、仕方なく又元の病院に

転院することになった。


タクシーで元の病院に戻り 皮膚科の診察を受ける。

局所麻酔をして手の甲の皮膚を生検したが やはりステロイドを使ったので

原因を突き止めることが出来なかった。

でもステロイド治療のおかげで、かゆみや湿疹もだいぶ治まってきた。


2週間ほどの入院でやっと又 リハビリ病院に戻る事が出来た。

硬性のコルセットはつけたままではあるが 病院の周りを散歩したり

割り箸を使って車の制作をしたり 悠斗はリハビリを楽しんでいる。


脳出血をしてから10キロやせてしまった悠斗のために1サイズ小さい

Tシャツやトレーニングパンツなど購入してベット横のタンスに入れ替えた。

車いすを自分で操作したり、歩行器を使って歩けるようになった時、悠斗の目に

涙が浮かんだ。華穂も泣いた。嬉し涙だ。



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