10話 迷惑な客2
(和・洋菓子あんみつひめ)は 土 日の11時からクレープと
フルーツサンドのみ販売をしている。時間内でも売切れたら
閉店という事で華穂の母が頑張ってくれている。
オープンしてまだわずかで、せっかくお馴染みさんが
出来たのに完全に閉店してしまったら再オープンしても
お客さんが戻ってこないかもしれない。と言う母からの
申し出があり母の言葉に甘えている。
母とリハビリ病院に行った時に
「あっそうそう、みどりさんと言う方が
店長さんはどうされたんですか?って何度も来店しては聞くのよ。
出張していますと答えていたんだけどリハビリが長くなりそうだから
今後又聞かれたらどう答えればいいか。」
って言うのでびっくりした。
母から聞いたその日の夕方、お店の掃除をしていると みどりさんが
お店の入り口に立っている。
「店長さんは帰っていますか?」と聞かれた華穂は
「何か御用でしょうか?」と答える。
「従兄弟が結婚するのでウエディングケーキをお願いしたくて」と
言うので仕方なく「実は体調を崩して入院しています。
まだ退院できないので無理だから他のお店に問い合わせてくださいますか」
と答える華穂。
華穂の母がお店を開けている時に又みどりさんが来て
クレープを購入した後、「奥様から聞きました。店長さんはどこの病院に
入院されているのですか?」と聞かれ華穂から入院の事聞いているのだったら
言っても大丈夫かと思い病院の名前を教えたとの事を帰宅した華穂が聞かされた
けれど特に深く考えてなかった。
翌日、リハビリ病院に行くと悠斗から「昨日 みどりさんが見舞いに来て
びっくりした。」と聞かされ唖然とする華穂。
「えっ」とびっくりした華穂は昨日のいきさつを話して
「ウエディングケーキの注文でしょう?断ったのに・・・。」と言うと
「えっ何のこと?」ってびっくりしている悠斗。
悠斗の話を聞くと、
「ご主人さんが会社の若い事務員さんと蒸発してしまったけれど
自分の母はもう年で耳も悪く電話しても会話にならない。
話し相手になってほしいと言われて、自分は今 リハビリとお店の事で
頭がいっぱいで相手にはなれないから友達に相談してはどうか?」と
断ったそうだ。華穂は怒りに震えた。
「何?話し相手?入院先に来てまでも言う事?悠斗にご主人の代わりを
しろって?」
「私にケーキの注文だと嘘をついてまで」
「病院に押しかけてまで」
悠斗が止めるのを聞かずみどりに電話する華穂
リ~ンリ~ン みどりが電話に出た。
「みどりさん いったい何考えているんですか?以前 同じマンションに
住んでいたと言うだけで特に親しかった訳でもないのに 入院先まで押しかけて
話し相手になってほしいですって?私にケーキの注文だと嘘をついてまで?
お宅の家庭の事でなぜ悠斗が話し相手にならないといけないんですか?悠斗の
親友でさえお見舞いに行きたいけれど邪魔じゃないか?行ってもいいのか?って
聞いてくれるのに。相談じゃないでしょ?
相談だったら私に嘘つく必要ないですよね。
そんな事する奥さんだからご主人に逃げられるのじゃないの?
生死をさまよっていたんです。
大変な思いしているか相手を気遣う事も出来ないの?
もうお店にも来ないで頂戴」
腹立った勢いで言い過ぎてしまった。でも後悔してない。
これでいい。もう二度とお店には来ないだろう。
「あ~~もう~気分悪い」華穂の怒りは収まらなかった。
でも悠斗が隠さずすべて話してくれる事がありがたいし嬉しい。




