8話 一日が長く苦痛で死を口にする悠斗。
ベットの上で少し動いても激痛が襲う。痛みで夜も眠れない。
痛み止めの薬をもらうが一人では何もできない。
薬を服用することも一人ではできない。動けないのだ。
動いてはいけないのだ。一日中 天井を見て過ごす時間が
長くて辛い。
華穂が病院に着くと「お腹すいた」と悠斗。
「えっ 朝食べたんじゃないの?」と言うと
頭も動かしたらいけなくて上を向いたままで自分で
何もできないのに朝 「ご飯ですよ~」と
食事を持ってきてくれるけれど足元のテーブルに置いたまままなので
食べることもできない。
骨折してからもう数日過ぎているのに ずっとこの状態だそうだ。
華穂は売店に行きパンと飲み物を購入して、ベット手すりに籠をかけて
その中にパン等を入れて帰るようにした。
ペットボトルにはストローをつけた。
翌朝から悠斗はパンを食べれるようになって
「お腹すいた」と言わなくなった。
昼食と夕食は華穂が食べさせて口腔ケアもしてから帰る毎日だった。
看護師に言えばいいのに 悠斗は自分では何も訴えない。
すべて華穂に任せっきりで眠剤が欲しい、
痛み止めが欲しいという事もすべて
華穂に伝えてもらっている。
排泄も尿器とオムツ。でも排便はオムツに出来ない、
お尻にくっつくのが
嫌で我慢して華穂が来てから、おむつを開いた状態で排泄して
華穂が片付けていた。
朝、食事をまったく食べてなくて排泄もしてないのに
看護師は何も気づかないのか?
ベットの上に注射器のカバーが落ちている事が何度もあった。
そのような状態なので
大丈夫か心配になるので毎日毎日朝早くから夕方まで付き添っている。
自分で看護師に言えばいいのにと思う事もあるけれど、
可愛そうで華穂ができる事はしてあげようと思っている。
微熱が出るようになり身体がかゆいと訴えるので皮膚科のドクターに
診てもらったが「アレルギーでしょうね。
塗り薬出しておきます」と言われ一日何度も塗布するが
ひどくなるばかりで 熱も下がらない。
かゆくてもコルセットがあるので掻くこともできない。
かゆくて気が狂いそうになる。
「死にたい死にたい」と言うようになった。
毎日少しずつリハビリを受けられるのが気分転換になるようだ。
コルセットをつけた状態でのリハビリの時間のみ頭を起してもよくなったが
悠斗の様子を心配してくれたリハさんが土日はリハビリがお休みなので
「奥さんが看護師さんという事なので車いすで散歩させてもいいですよ」と
言ってくれた。
悠斗は自分で動けないから余計さみしいようで、夕食後口腔ケアが終わって華穂が
帰ろうとすると決まって何か用を言いつけて華穂が帰れないようにする。
不憫でたまらない。




