6話 病院から早朝の電話。
昨日
「足や手も動くようになっているのであと1週間くらいで
退院できそうです。
リハビリ病院ではなく自宅退院になります。」
と ドクターから聞かされて悠斗はもちろんの事
華穂や母も大喜びした。
嬉しい知らせだったし、昨夜は母も一緒だったので、
久しぶりにぐっすり眠った華穂が顔を洗っていると
スマホが鳴った。画面を見ると病院からだ。
こんな早朝に電話なんて嫌な予感がした。
「はい」と出ると病棟の看護師からだった。
深夜、トイレで悠斗が転倒して腰の痛みを訴えているので
今日午前中にレントゲンを撮る事になったそうだ。
母が用意してくれた朝食もそのままにして二人で病院へ
かけつけた。病室に入ると悠斗が小さな声でうなっている。
1人でトイレに行くように言われてトイレで失神転倒して
頭と腰を打って激痛との事。
おまけに病室まで運ばれるとき車いすだったそうだ。
看護師二人がかりで車いすに座らされて地獄の痛みだったとの事。
痛いと訴えても 痛み止めを1度渡されただけだと言う。
「えっ 脳出血の治療で沢山の薬を服用していて、
まだしっかり歩けないのに 一人でトイレに行かされた?
しかも転倒して腰と頭を打って痛みを訴えているのに 車いす?」
もしかしたら骨折しているかもしれないと考えて
ストレッチャーで運ばないといけないと素人でもわかる事なのに
病院・看護師の対応が信じられない。
でも 診てもらっているので文句も言いにくい。
レントゲンの検査を受けるためにベットからストレッチャーに移乗する時
「うぅ~」と悲鳴に近い声を上げ苦痛に顔をしかめる悠斗。
レントゲンの結果は腰の圧迫骨折だそうだ。
病室に戻りストレッチャーからベットへの移乗の時にも
悠斗の悲鳴が上がる。かなり痛そうで見ているのがつらくなる。
整形のドクターから説明があるとの事でナースステーションまで呼ばれる。
華穂がナースステーションに行くと、整形のドクターが
「圧迫骨折くらいで入院なんて出来ないぞ」っと
看護師に怒鳴りながらパソコンの画面を見ているが
「あ~ 脳出血で入院中か」と言いながら華穂に気が付き説明を始める。
深夜トイレに行って失神転倒し、頭と腰を打ってレントゲンを撮った事。
圧迫骨折だと思うけれどレントゲンだけではわからない事もあるので
念のため これからMRIを撮ろうと思っています。との事でした。
又 移動のたびに痛い思いをする悠斗。
なぜこんなにも悠斗をいじめるのか・そんなに悪いことしたか・
かわいそうでかわいそうで涙を流す華穂。
せっかくもう少しで退院できるはずだったのにと涙が止まらなくなった。
だが それ以上に大変なことが待っていた。




