14話 膵臓癌の疑い
翌日 休日だった華穂も病院へ付き添う。念のため悠斗は朝食は
食べずに病院へ向かった。華穂も食べなかった。
受付を済ませると紹介状ありの予約だったのですぐに呼ばれる。
問診、診察の後、紹介状と一緒に入っていたエコー検査の結果を
パソコンで見る医師。ここでも採血をしてからエコー検査を受けた後
CT検査を受けるよう指示が出る。
採血とエコー検査は直ぐに受けれた。
CT検査は割り込んで入れてもらえたが午後2時を過ぎてしまった。
朝も昼も食事を抜いたけれど 緊張と不安、心配でお腹はすいてないが
華穂に何か食べてくるように勧める悠斗。
華穂もお腹はすいてないからいいと答える。
待ち時間も長く1時間以上待った。
16時頃にやっと呼ばれて2人で診察室に入る。
医師は難しい顔をしている。不安げに医師を見つめる華穂。
悠斗は下を向いている。
「画像検査(エコーとCT)で 腫瘤が認められました。
明日検査入院してください」と医師が口を開く。
病院を後にして華穂が運転する車の中で 「もしも・・・」と言いかけて
話すのをやめる悠斗。華穂は あえて聞き返さない。家に帰る途中で
入院に必要なパジャマや下着 歯磨き用品やタオルなど購入した。
家に帰ると母が 巻きずしやスープをテーブルの上に置いてくれていた。
母に電話をして巻きずしのお礼を言った後、明日検査入院になった事を
伝える華穂。びっくりしていたが「大丈夫だからしっかりするのよ。
華穂が暗い顔していたら悠斗さんも余計辛くなるからね」と母。
二人ともお腹すいているはずなのにあまり食べれない。
でも「明日の朝も検査のために絶食だから無理してでも
食べておかないといけないよ」と華穂がさっと茶碗蒸しを作って
悠斗に勧める。悠斗は少しずつ食べながら自分に言い聞かせるように、
「もしも最悪の結果が出てそのまま入院になったら家に帰りたい。
もう、長い入院は嫌だ。もし、すい臓がんだったら治療はしない。
例え余命わずかでも それでもいい。」ネットで色々調べたようで
「抗がん剤も手術もしない。苦しんでつらい思いしたくない。」
華穂も「わかってるよ。今、症状が出て痛みがあるならとにかく
症状が出ていないのであればわざわざ辛い思いさせないよ」と 華穂。
膵臓癌の辛さは看護師の華穂は知りすぎている。
どの癌であっても大変だけど特にすい臓がんは進行が速いし治療しても
悪い結果になることが多い事を華穂は沢山見てきた。
「もう、なるようになれ」と開き直る悠斗と華穂であった。
悠斗と華穂は手をしっかりつないで眠りについた。
いや、つこうとした。
二人とも眠れない夜が明けた。




