表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
出会いと別れ&(闘病)  作者: 天女の舞


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/26

12話 華穂の心労

悠斗が退院して5年 54歳になった。左不全麻痺の診断を受けたが

脳出血の後遺症も軽くすんで左腕や左足が少し動きが悪いが

和菓子や洋菓子を作ったりするのに困るほどではなかった。

高次脳機能障害の注意障害と診断されていたが、生活にほとんど

影響はなかった。ただし高い所に上がるとふらつきが出るので

脚立の上などに上がるのは避けるようにしていた。

破裂骨折の影響で中腰になるのも出来る限り避けている。

短時間でもお店を開けて仕事していることが回復に役立っているようだ。


華穂は看護師として日勤、準夜勤、深夜勤をこなしていたが

患者の対応や同僚との関係に嫌気がさして仕事に行くのが

憂鬱になっていた。

何度、退職を考えた事か。出来るならやめてしまいたい。

天職だと思っていた看護師なのに、疲れているんだと思った。


おさぼり大好きのリーダー看護師の陽子、ぐうたら看護師のゆかり、 

いじわる看護師の京子。

陽子は勤務中にスマホがピコピコひっきりなく鳴っている。

ゆかりは巡回もしないでスマホとにらめっこ。

認知症の患者がベットから落ちる恐れがあっても巡回もせず

「落ちたら落ちたの事よ」なんて信じられない言葉。

いじわる京子は自分のミスを他の看護師に押し付ける。

患者に対しても超冷たい対応。

何のために看護師になったのか?


告げ口するようで悩んだ末に上司に相談したこともあった。

でも事なかれ主義のようで変わらない。


緩和病棟なので亡くなる患者も多くエンゼルケアをするのにも慣れてしまって

深夜1人でエンゼルケアをする事も平気になった自分に嫌気がさしてくる。

認知症の患者さんは歩けないのにベットから降りようとする。

降りればほぼ転倒してしまうので骨折の心配がある。

拘束することもできない。

ほぼ、つきっきりになってしまうが他にも患者さんがいる。


酸素吸入が必要なのにチューブを抜いてしまったり

ベットの上に立ち上がってベット柵を飛び越えようとしている患者さんを

発見して抱きとめたときは自分の心臓が止まるかと思った。

身体は一つしかないから勤務中走り回っている。


夜勤時 患者さんの家族さんから「お腹すくでしょう?」と パンを

差し入れしてくれる。そんな家族さんの気持ちが嬉しく思える。

元気に退院していく患者さんはほとんどいない。

顔や名前も思い出せない患者さんもいるが、ふっと思い出す患者さんもいる。


入院してきたときは普通に歩いていたのに数日で亡くなってしまったり

患者さん本人は延命治療を受けたくないと言っているのに家族さんが

納得しなくて人工呼吸器つけて胃瘻して患者さんが苦しむことも多い。

脳出血をおこして気管切開をして寝たきりになっている患者さんが

運ばれてきたのを見て、不謹慎だけれど悠斗は元気になって良かったと思う。


治療の副作用で痩せてしまった患者さんの身体を拭いていると

「ありがとう~」って言われると泣けてくる。

この痩せた身体のどこに心臓や胃、腸があるのか?と思うほど

痩せてしまった患者さんを見るのがつらくなる。


命って本当にあっけなくて、はかないなぁって思ってしまう。

だんだん、心が参ってしまっているのを感じている華穂だった。

夜勤明けで病院を出ると太陽がまぶしいけれど嬉しい。

明日はお休みだ。「やった~」という思いで家路につく華穂。


今まで大変なことがあった。華穂はこれ以上悪いことはおきないで

ほしいと思っていたが、最悪の事が起こってしまう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ