【個別ファイルコード:08-TESTER ROOKIE】
#56 境界を引く鮮血(前編) ~同じ生まれと異なる立場~の文章を幾らか修正いたしました。
ストーリーの流れに変更はありませんが、宜しければご拝読ください!
テスター・ルーキー(Tester-Rookie)
所属:対スポイラーハンター組織『PALETTE』彩流支部
スポイラー工学応用展開・技術開発研究室 実験補佐/エネルギー充填担当
Color: 流れ彷徨う香桃
Color能力:【快癒の浮実 】
座右の銘:「爆発するって分かってても、トリガーを引くのがオタクの性……らしいです!」
■人物像
特定のジャンルに拘りなく、浅く広く楽しむ雑食ライト勢。
監督達の異常なヲタクトークや美学を巡る本気の口喧嘩の熱量にいつも気圧されるロマ研で一番若い新人。
お菓子や可愛い物が好み。
最近のマイブームは、くまさんでデスクにはピンク系の小物やグッズが並べられている。
常にピンク色のお菓子を携帯している。
器用貧乏で大抵の仕事をそつなく熟し、偏屈でも頑固でもない新人特有の素直さと初々しさから、ある意味で職員から全幅の信頼を置かれている。
特に人体に関わる知識と技術は抜きんでており、Collarをカートリッジへ充填するデリケートな作業を担当。
能力の関係で先輩研究員たちの試験付き合わされている、ロマ研不動の愛され不憫枠。
■能力・兵装詳細
・快癒の浮実 :シンプルな回復系能力。毎日実験台として吹き飛ばされる彼の生命線。
効果は程々であるので即座に回復とはいかないが、どんな怪我を負っても治療を受けた後に一晩寝れば、何事もなかったかのように綺麗に完治して出社してくる。
結果、『ギャグ漫画における不死身補正』だと都合のいいテスターとして重宝されてしまっている。
傷口から流れる血液は彼のCollarである桃色に染まっており、事故現場においてファンシーさが拭えず、緊張感が薄れてしまう。
その為、試験の際には気を引き締めるようにと、監督から活が飛ぶ。(※省かれることもしばしば)
治せるのはあくまで怪我。
そこまでいかない痛みや気持ち悪さ、精神的なストレスまでは治しきれないのが難点。
【ロマ研楽屋裏トーク:ピンク色の殺人現場?】
モブ研究員「ルーキー君のファイル、登録しておいたよー」
テスター・ルーキー「あ、ありがとうございますぅ……。(※目を回しながらフラフラの千鳥足で降りてくる)
それにしてもこの試作マシン……気持ち悪くてぇ。
いっそ怪我するまではいってくれないと、回復能力が全然役に立ちません……ぅ」
ウィーーン(※ラボのドアを開けて入ってくる)
シヨウ「お疲れ様で――って、ルーキー!? 何、どうしたの、救急車!?」
テスター・ルーキー「あ、シヨウさん……大丈夫です。ちょっと目がグルグルしてるだけですから……」
シヨウ「……いくら異世界とはいえ中世なら兎も角、この近現代で労基もまとも整備されてないなら普通に引く。
センジ辺りに相談して此処を封鎖して貰おう。
言えば規制線ぐらいノリノリで張ってくれる。
『コノ先、憲法通ジズ。命ト浪漫ハ自己責任』って」
テスター・ルーキー「よく分からないですけど、それ絶対怖いやつですよねぇ!?
嫌ですよ!? 僕、ホラーとは仲良くしないって決めてるんですっ!」
シヨウ「そこまで――?
あの地下トンネルの入り口とかに看板付けたら、それらしくなるかなって思ったんだけど……やる?」
テスター・ルーキー「やりません!
戦時中の古い軍用の地下壕なんですよ、シャレにならないです!
……ところで、その紙袋は何ですか?」
シヨウ「あぁ、前に約束してたやつ。ピンク色の料理とか菓子をいろいろ作ってみた。
思ってた以上に私の故郷と同じ食材が見つかって助かったけど、如何せんサキの摘まみ食いが凄くて。キッチンの使用料にしたって、高過ぎだと言うに……」
テスター・ルーキー「ええっ、本当にわざわざ作ってくれたんですか?」
シヨウ「まぁ、いきなり手作りを持っていくのはどうかなぁって思ったんだけど、ピンク色の食べ物って探すと意外に見つからなくて。
――やっぱ時期じゃないと駄目なのかなぁ……」
トンッ、ガサガサ――(※机に紙袋を置いて、中身を取り出す)
「取り敢えず王道の桜もち。
本当は二種類あるんだけど、大変だからもち米の道明寺は省いてクレープ生地の長命寺の方を作った。
あと桜でんぶを混ぜたやつと紫蘇のお握り、さくら大根に鶏ハム。
ハムはついさっき作ったけど、レアだから早めに食べちゃった方が良い。
あと……は、琥珀糖と梅飴」
テスター・ルーキー「ふわぁぁ、すっごく美味しそうですよシヨウさん! こんなにたくさんのピンク色の料理見たの、初めてです!
あっ、僕のくまさんと一緒に写真撮って良いですか? ピンク色の食べ物に囲まれた桃色のくまさん、絶対映えます!(※小さなくまさんキーホルダーを両手でそっと持ち上げる)」
シヨウ「どうぞ(※フッと笑い、手で促す)」
パシャ、パシャ――
シヨウ「(クマさん好きなんだ……なら桜大根は渋かったか?
春なら苺とか桃フレーバーのパッケージの菓子が溢れかえるし、海老系のしょっぱいやつとか、駄菓子なら小っちゃい餅とかピンクの麩菓子とかチョコとかラムネとか簡易ジュースとか……。
ああ、笹ざくらもピンクの紐で笹結んでて可愛いな。
――帰りの目途、早く立てばいいけど……)」
テスター・ルーキー「――んぅぅぅ、美味しい!
一応進んでテスター役をやって毎日吹き飛ばされてますけど、こうゆうのがあるなら僕、ロマ研にいて良かったって余計に思います!
……でも、あれ? お酒でも、入ってるのかな……?
なんだか急に、頭がさらにフラフラしてきて――」
――バタァァァンッッッ!!!
シヨウ「ルーキー!?」
――ウィーン
サキ「ちょっとシヨウ、引っ越し挨拶まだ終わらないの?
いい加減待ちくたびれ……」
チラッ――
(※ピンク色の鼻血を流して倒れているルーキー)
チラッ――
(※机の上に並べられたシヨウの手作りの料理と菓子)
サキ「殺ったわね……シヨウ。
信じてたのに……(※スッと銃を構えて悲しそうな顔をする)」
シヨウ「アホか!! 私が盛ったんなら、味見しまくってたサキはどうなんの!?
とうに致死量越えてるだろ!?」
キングロード「……やはりこうなったか。(※倒れたルーキーを一瞥して肩をすくめる)
特別手当で治療入院中も給金が発生すると言うのに、毎度毎度下手な瘦せ我慢をするからだ。
素直に賜暇をおとなしく受けておけばいいものを。
おい、事件性は無い。ただの自業自得だ。
そこのピンクの死体を疾く、救護室に放り込んでこい」
ソムリエ「SE、元はと言えば貴方のOVR (※オーバー・バーチャル・リアル)スフィアのせいでしょう?
ただでさえ足場が不安定な上に劇場並みの立体音響や効果音など組み込めば、三半規管が壊れてしまうのは当然です。
リアル超えのバーチャルリアルなど意味が分かりません。
責任を持って運びなさい」
SE「嫌でござる!!
今回のテストに関しては猛省しまするが、ピンク塗れになったゆるふわ男子を抱えたら全世界のショタコンに滅多刺しにされる!」
監督「お前の楊枝みたいな腕でどうして姫様抱っこする前提なんだ?
たっく、どいつもこいつも……撮影が押してるんだ、さっさと片付けて次のを進めておけ」
ツカツカツカ――(※お姫様抱っこしながら去る)
サキ「……監督が運ぶと死体遺棄にしか見えないわね」
シヨウ「いや、どっちかっていうと撃たれたマフィアの若様を見て、ギリギリ理性を保ってる護衛感がある。
このあと報復ターンに入って大暴れするやつ」
サキ「流れてるのが鼻血なのが、カッコつかないけれど......」




