↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小悪魔ちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第2章 小悪魔と???
56/57

第49話



「行きますわよ!せい!」


「グホォ……さ、サーブの威力じゃない……」


「ちょっと審判!あの殺人サーブはルール違反じゃないの!?攻撃スキル使ってるでしょ!」


「いえ、あのサーブは攻撃スキルを使っていません。強化スキルのみですのでセーフです」


「「「え、攻撃スキル無しであの威力なの怖……」」」


 レティシアさんの豪速球を受け切れずに砂浜に転がる相手。その恐ろしい威力にドン引きする私と観客……あの人の腕力どうなってるの?


「おーほほほほ!私のロイヤルサーブは最強ですわよ!そーれ、もう1発ですわ!」


「ちょ、今度はわた……グェ!」


 バレーのサーブは点を取り続ければ連続だからね。また1人ロイヤルサーブで1人地面に転がった……あ、でもボール自体は上に飛んでる。


「ササキでかした!これでも食らえ!」


 最初のサーブで転がってた相方がすかさずボールを強いスパイクで打ち込む。ボールは鋭利な角度で飛んでくるけど私はそれをレシーブでポンと打ち上げた。そして打ち上げたボールは《二段跳び》で高度を稼いだスパイクが相手のコートへと突き刺さった。

 あまりの威力にボールが砂地に半分くらい埋まってる。着弾した時、爆破したのかってくらい砂が散ってたからね。これレティシアさんがサーブを打ち続ければ勝てるじゃない?と思ったけれど、流石にテコ入れが入りました。


「うーん、これはちょっと一方的になりそうですね……レティシア選手、申し訳ありませんが決勝戦まではサーブをモモカ選手と交代交代でお願いしてもよろしいでしょうか?勿論、その分の補填をご用意させていただきます」


「ちゃんと補填を用意してくださるなら構いませんわ。盛り上がらない試合など私もつまらないですし」


 というわけで次のサーブは私。相手もレティシアさんじゃなければ余裕と言わんばかりの表情……はぁ、面倒だな。


「やるしかないけど……せい!」


 私はボールを高く上げてジャンプしてサーブを放った。サーブはギュイン!とカーブを描いて相手のレシーブを横に砂地へと落ちた。


「「…………は?」」


「あれ?思ったより曲がらなかったな……やっぱりブランクあるか」


「モモカさん。経験者でしたの?」


 あぁ、そういえばレティシアさんには言い忘れてたね。私、中学校の3年間バレー部のレギュラーでした。県や全国とかは行ってないけど地区大会では結構強かったんだよね。


(バットとかラケットとか……物で打つスポーツは苦手なんだけど、手で直接打つものは割と得意)


 本当はウェアが可愛いソフトテニスが良かったんだけど……あまりのダメダメ過ぎて第2候補のバレーにした。得意なのは回転をかけた曲がるサーブで、身内からは悪辣サーブって呼ばれてた。あとはレシーブとトスだね……スパイクは身長的にあんまり得意じゃなかった。

 あの悪辣サーブは初見じゃ対応できない。何せ露骨に回転をかけるような素振りは見せない。相手の腕に当たる前で曲がるように磨いたからね。なお、高校でバレーをしていない理由としては高校のバレー部ガチ勢過ぎて遊ぶ時間無さそうだから。凄い誘われたけどバレーにそこまで思い入れ無いし。


「こっちでもパワー無いからなぁ……スパイクはレティシアさんにお願いしますね。レシーブとトスは私が何とかするので」


「任されましたわ!」


「「あ、これ多分負けたなぁ……」」


 どこか悟りを開いた相手チーム。まぁ、その後はボコボコだったね。レティシアさんのサーブは受けたら吹っ飛ぶ、私のサーブは受けようとしたら曲がっていく。何とか返せてスパイクをしたとしても、レティシアさんみたいな化け物火力じゃないなら対応できる。《二段跳び》が思った以上に活躍したね。


(横跳びでも使えるから長距離でもすぐに移動できてレシーブにすぐ移行できる)


 ということで初戦はレティシアさんの高火力のゴリ押しで勝ちました。お相手のコートはボコボコ……ゲームだからすぐに直せて良かった。

 2戦目は相手からのサーブでスタート。ボールに変な回転をかけるスキルを使ってたみたいだけど、回転がかかることが分かってるなら対応は可能。寧ろスキルでの回転のせいで回転具合が全く同じで逆にやりやすかった。


「ロイヤルスパイク!」


「いや、ただの力任せのスパ……ブフォ!?」


 もうレティシアさんだけで良いんじゃないかな?相手のレシーブを弾き、そのまま跳ねて顔面に直撃しているスパイクを見て私は唖然としている。痛そう……てかあんなボールの動き漫画でしか見たことないよ。

 その後の試合もレティシアさんのサーブとスパイクで相手を蹴散らしていき……遂に決勝。ただし相手も決勝まで勝ち残ってきた相手、


「ロイヤルサーブ!」


「なんノ!これしキ!」


 向こうも強化スキルをかなり積んでいるのか、レティシアさんの豪速球を受けても転ばない。レシーブでしっかり受け止め、的確なトスからのスパイク。相手も経験者だね。


「よっ、レティシアさん!」


「お任せを!」


 相手からの強烈なスパイクをレシーブしてトスで調整。レティシアさんが強烈なスパイクを相手にお見舞いする。それも相手はドム!とバレーボールで聞かないような効果音を鳴らしながら受けて打ち上げた……が角度が良くなくボールはネットへと向かって飛んでいき相手の点になり、ネットが伸びちゃってて一旦交換タイムが挟まった。


「やっぱり威力がおかしいネ。気合い入れないと受けれないしうまく返せなイ。まぁ、次はちゃんと返ス」


「逆にカリンちゃんが受けれなかったらウチら負けだしね☆でもやっぱりレティちゃん激強だね☆」


「花月傭兵団のメインタンクとスカウトにそう言っていただけてありがたいですね」


「あ、お知り合いなんですか?」


 相手の人と知り合いっぽいから聞いてみると、相手の2人は女性4人のパーティーである花月傭兵団の人らしい。なんか語尾が独特な人はタンク役のカリンさん。ギャルっぽい人は斥候役のニムスさん。花月傭兵団は攻略勢と言われるだけの強い人たちでレティシアさんも一目置いているんだとか……それ多分対人戦の相手だと思うのは私の気のせいですか?


「そういえば団長と副団長はどこにいらっしゃるんですの?観客の方にも姿が見えませんけれど」


「あぁ、団長たちなら寝てるヨ。食い過ぎでネ」


「βからの知り合いから海鮮焼きそばを沢山買ってきてね……《大食い》も無いのに5人前とか食べ切って動けないんだよ☆馬鹿だよね☆」


 海鮮焼きそば……そういえば手伝っていた時に女性2人組に10人前売った記憶ある。まさかその人たち?


「本当なら団長たちが出場する予定だったんだがナ……あとで砂に埋めとくカ」


「それ良いね☆折角なら恥ずかしいサンドアートにしちゃおうよ☆そのためにも試合終わらせないとね☆」


 ネット交換も終わり世間話タイム終了。こちらからのサーブで再開。レティシアさんのサーブを塞がれたから私の悪辣サーブで攻めていこうとしたけど、流石レティシアさんが一目置いているプレイヤーと言うべきか私のサーブも返されてしまった。


「何度も見てたからね☆流石に初見じゃ無理だったけど……私には効かないよ☆」


「くっ!」


 その後、ニムスさんの風を纏ったスパイクを私が受け止め損ね点を取られてしまう。あれレシーブするの難しすぎる。


「今度はこっちから行くよ☆」


 ニムスさんはそう言って風を纏わせたサーブを打ってくる。私は再びレシーブしようとするけど……これ風のノックバックがかなりキツイ。


「どっ……せい!」


「ナイスですわ!ロイヤルスパイク……と見せかけてロイヤルカーブスパイクですわ!」


「ヌ!?」


 私は力を込めて風を破ってボールを空に打ち上げる。風を破ったせいで体勢が崩れてしまったけれど、レティシアさんがすかさず横回転をかけたスパイクを放った。

 カリンさんはさっきと同じように受けようとしてボールが横に流れてこっちの点になった。


「レティシアのくせに姑息な手を……」


「おーほほほ!いつまでも脳筋の私だと思わないことですわ!」


「あ、脳筋の自覚はあったんだね☆」


 その後は一進一退のデッドヒートみたいな勝負になった。互いにサーブとスパイクの応酬、持ってるスキルを使った超次元バレーと化した。私も付与系魔法覚えたから使いたいんだけど……強酸、毒、熱湯とルール的にOKなのか怪し過ぎて付与できない。ただの水と氷を付与しても意味あんまり無さそうだしね。


(それにいざとなったら……アレを使えば良いしね)


 というわけで私はひたすらにレティシアさんのサポートをしていった。そうして迎えるは8:8の同点状態。今回のルールでは先に9点を取った方の勝ちだからこれで決まる。そんな状況でサーブ権は相手で、受けるのが安定しないニムスさんというね。これはアレを使うしかないかな……


「(レティシアさん。今からとっておきを使います……大丈夫だと思いますけど失敗した時カバーしてください)」


「(分かりましたわ。そのとっておきをお見舞いしてくださいませ)」


 私は小声でレティシアさんに伝えて相手の動きに注意を払う。狙うのはニムスさんがボールを打つ瞬間……そう今!


「《視線を奪う人差し指》」


「これでおわ……えっ?」


 ボールを打とうとしたニムスさんの視線が私に強制的に向いた。ボールを打とうとしたところでの視点移動……体勢も勿論崩れて手は宙を切り、ボールは砂の上を転がった。その間、観客を含めて誰も音を立てずにいた。


「よし、私たちの勝ちだね」


「そ、そうですわね」


 なんでレティシアさんも飲み込めてないのさ。とっておきを使うって言ったのに……まぁ、これあんまり使いたくなかったからね。あまりにも卑怯だから。絶対に勝ちたい場面で使うと決めてたから。

 ということでビーチバレー大会を無事に優勝。レティシアさんも欲しかった景品を手に入れて満足そう……でも。


「それが欲しかった景品なんですか?」


「そうですわ!この大盾が欲しかったんですの!」


 そう言って掲げるのはとても大きなカイトシールド。ちょっとしゃがむだけで私が隠れられそうな盾だね。大剣使いながらどうやって使うんだろう?


「残りの報酬は約束通りお渡ししますわ!あと素材も」


「ありがとうございます」


 私はレティシアさんから報酬を受け取る。報酬の中で良さげなのは……あ、これとかちょっと良さそう。


ーーーーーー

・淑女の黒日傘

効果

光属性耐性25%上昇

日の光による影響50%カット

CAM+10

▷説明

女性用の黒い日傘

特殊な布地を使用しており、魔法の光すら軽減する

ーーーーーー


 これ自体も便利。だけどこれをベースに強化すれば良いものが作れそうだよね。メイカに相談しよう。他にも何かないかな?と確認を続けていると、私とレティシアさんに誰か近づいてくる気配を感じた。気配の方を見るとカリンさんとニムスさんだった。


「優勝おめでとウ。最後のはしてやられたヨ」


「本当にね〜☆あれ反則級でしょ〜☆」


「すみませんね。あんな勝ち方しちゃって」


「構わないサ。寧ろそこの脳筋のペアだからと初見殺しを意識できてなかっタ。完敗サ」


「喧嘩売ってますの?この盾で脳天カチ割りますわよ?」


「「「盾は武器じゃない(ですよ)(ゾ)(よ☆)?」」」


 その後、私はカリンさんとニムスさんとフレンド登録した。団長さんと副団長さんは会えたらということで……この後レティシアさんと一緒に埋めに行くんだとか。


「レティシアのパワーなら楽に埋められるからナ。レティシアも前に団長のうっかりで対人戦すっぽかされた恨みあっただロ?」


「あぁ、ありましたわね……確かにその時の落とし前つけさせてませんでしたわ。この機会にツケを払ってもらうのも悪くないですわね」


「じゃ、そういうことでよろしくね☆」


 私は屋台の手伝いがあるのでお別れ。いやー楽しかったね。リアルでまたバレーやりたくなってきたし……ちょっとだけ混ぜてもらいにいこうかな、

 そう思いながら屋台へと帰った私を出迎えたのは長い行列ができたメイカの屋台。何事!?と思いすぐに屋台に入ってメイカに聞いてみたら、なんか大会の観戦のお供として海鮮焼きそばを、酒のつまみとして焼き貝が売れてるんだとか。


「あとモモカが大会で活躍したおかげ人がめっちゃ来てる……というわけだから売り子よろしく!私は作る方で手がいっぱいだから」


「り、了解!」


 私は目の前の行列を片付けるためにテキパキと動いていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
》喧嘩売ってますの?この盾で脳天カチ割りますわよ?」 「「「盾は武器じゃない(ですよ)(ゾ)(よ☆)?」」」 実際の所、シールドバッシュという攻撃方法もあるし間違ってはいないんだよなこれ。 ゲームだ…
テニスの魔球を卓球で再現する?的なのとか有りましたね・・・・・・・・・
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。