第41話
日にちの設定間違えたー
あとストック切れたので不定期になります
岩の迷宮。ここ滅茶苦茶攻略しやすいダンジョンだね。ある程度進んで私は地図を見ながらそう思った。
ここ地図を見ると分かるんだけど、凄く規則性があってごちゃごちゃしていない。そのおかげでこの辺に次の階層に行く階段がありそう……って行くとあったりする。
「山勘を張ってた部分が出て、それが正解するの気持ちいいよね」
小テストの時とか当たったら気分良いよね。ちなみにモンスターに関しては最初に戦ったコークスゴーレムの他には、鉄鉱石の塊みたいなアイアンボール。鉱石が詰まった箱のオアボックスミミック。素材は鉱石ばっかりだね……他のアイテムは殆ど無い。
(出てくる数も少なめだから経験値も美味しくないなぁ……私とメイカにとってはハズレダンジョンって感じ)
というわけでサクサク攻略していこう。鉱石は私の温泉饅頭と温泉卵代にする予定。温泉と美味しい食べ物が私を待ってる!
「ということでボス到着」
ボスの居る空間はドーム状の空間。途中で壊れているトロッコのレール、半分しかないトロッコがあちこちに見える。トロッコの発着場?何かが暴れた後にしか見えない。
ズン!ズン!
「ゴォォォ!」
そんな荒れ果てた発着場。その奥の大きな通路から大きなゴーレムが出現した。だけど普通のゴーレムとは違い右腕がやたらと長く、モーニングスターのようにゴツゴツした棘が生えていた。
「ゴォォォ!」
異形のゴーレムは私に向けて近づいて突撃し腕をブン!と叩きつける。私は横にステップを踏んで攻撃を回避、叩きつけられた腕が土や石を撒き散らしながら深く減り込んでいる。
「うひゃ……恐ろしい威力だね」
私が攻撃威力に軽くビビっていると今度は横薙ぎに振り回してくる。これも後ろに跳んで回避したけど……範囲が広い。
(てかよく見ると関節の部分になんか仕込みがある?)
なんか攻撃してくる時に関節が伸びてるんだよね。それで更に間合いが広がってくる……最初が叩きつけで良かったかも。
「最初に振り回しじゃ目測誤って食らってたかもね」
まぁ、あのゴーレムの能力はそんなところかな。流石に今の段階のボスじゃ他の能力は無いはず……それじゃあ狩りますか。
「ゴーレムは戦い方分かってるからね。【ジェットカッター】」
私はゴーレムの関節へ水流を放って切断を狙う。ボスだからかちょっと硬めだけど……切断できそうだね。
「ゴォォォ!」
「そんなんじゃ当たらないよ。はい、【ジェットカッター】」
私はゴーレムが振り回してくる腕を避けながら関節へと攻撃を続ける。そしてやっとこさ左足を切断した。
「ゴォォォ……!」
「これでまな板の上の魚状態だね」
あとは好きに調理するだけ。私は遠距離から魔法をドカドカ撃ち込んでいき……危なげなく討伐した。素材はやっぱり鉱石か……うん、要らない。
「それじゃあ帰りますかね。ここ埃っぽいし」
温泉入ってさっぱりしてこようっと。そんな感じで私はダンジョンを出て温泉へ向かった。そしてメイカに聞いて向かった場所で見たのは……真っ赤に茹で上がった女性をパタパタと団扇で仰いで介抱しているメイカの姿だった。
「何してるの?初めて見る人だけど」
「あー、これ?温泉入ってたら茹で上がってたんだよ。知り合いだから放置するわけにもいかなかったからさ」
「う、うーんですわぁ……」
なるほどね。これって言い方からしてドレミさんみたいなリアルの知り合いじゃなくてβの時の知り合いなのかな……それにしてもこの人。
「金髪縦ロールに黒いドレス……貴族令嬢っぽいのは分かるんだけど。そこの馬鹿みたいに大きな大剣は何?」
近くの壁に立てかけてある剣。いや、剣って呼んで良いのかな?鉄塊みたいな重厚感があるんだけど。え、振り回せるのこれ?
「それに関しては私からは話せないね。とりあえず私はこれが起きるまでここに居るから……温泉入ってきたら?この様子じゃ復活するの時間かかるだろうし」
「あー、うん。そうするね」
とりあえず話は後。私はひらひらと手を振るメイカに見送られて温泉に向かった……あ、コーヒー牛乳ある。温泉上がったら飲もう。
◇
「ふぅ……ウトウトしてたらのぼせてしまうとはビックリでしたわ。貴方が居て助かりましたわ」
「普通なら溺死だと思うんだけど……相変わらず変なところでポンコツだね。レティシア」
温泉から上がりコーヒー牛乳と温泉饅頭片手にメイカのところに戻ると、メイカと倒れてた人が話をしていた。あの鉄塊大剣を背中に背負ってる……あれ本当にあの人の武器だったんだ。
「お、帰ってきた。あれが今のパートナー」
「あぁ、彼女がそうですの…………なんか貴方のパートナーにしてはタイプが随分と違いませんこと?バリバリの陽キャの雰囲気が出ているじゃないですの」
「それ私のこと隠キャって言ってるのも同然だよね?喧嘩売ってる?」
メイカとコントみたいなことしてるなぁ……あとなんだこのエセ感のあるお嬢様言葉。見た目と言動だけでも属性多いなこの人。
「モモカ。このバカの名前はレティシア、βの時の知り合い……あと私の顧客」
「レティシアですわ。職業は悪役令嬢してますの……あとメイカ?私のことバカって言わないでくださいまし」
「キャラ付けのためにお嬢様言葉を使ってたら、リアルでもお嬢様言葉を使うようになったやつはバカで良いでしょ」
「確かにそうですわね」
「いや、納得しちゃうの……」
あまりにも変わり者過ぎるね。というか悪役令嬢……それって職業なんだ。
「でもなんで大剣なんですか?貴族の令嬢が持つにはゴツ過ぎません?」
「その気持ちは分かりますわ。まぁ、この剣を使ってるのは私の趣味ですの……それに意外とSTRはありますのよ?」
「悪役令嬢は攻撃特化ステータスだからね……その分、lv上がりにくいし装備の制限デメリットが沢山あるけど」
メイカはそう言うと軽く補足してくれた。悪役令嬢が最初から覚えている職業スキルに《悪の華》と《令嬢の鑑》ってスキルがあって、これらの説明文が……
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《悪の華》
自分の攻撃威力を1.5倍にする
ただし最初に装備した系統の武器しか装備できなくなり、闇属性の魔法以外を覚えられない
初対面のNPCからの印象が悪くなりやすい
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《令嬢の鑑》
令嬢たる振る舞いをすることにより周囲からの印象を良くし、精神系状態異常への耐性を上昇させる
ただし布系防具しか装備できず、物理攻撃による被ダメージが2倍になる
初対面のNPCに警戒されやすくなる
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NPCに対してのデメリットなんか変なの多いな。ちなみに他の職業スキルもNPCへのデメリットが付いてるんだとか……どんだけNPCに悪意があるのさ。
「そういえばレティシアさんってメイカのβの時からの顧客なんでしたっけ?付き合い長いんですか?」
「そうですわね……メイカとの付き合いはそれなりに長いですわ。一時期は彼女の護衛もしておりましたし」
「あの時は殺伐としてたからね……β開始して最初の頃はPK多かったし」
なんでもβテスト初期。PKのデメリットが今よりも少なかったせいで生産プレイヤー狩りが横行。特に序盤はモンスターよりもプレイヤーを倒した時の経験値の方が多かったので大変だったらしい。
まぁ、規制が緩かったとはいえPKすれば町には入れないし。ちゃんと冒険をしていたプレイヤーにとってはPKが逆に獲物。PKの規制も途中で厳しくなって今じゃ利益を狙ってPKをするプレイヤーは居なくなった。
「対人戦はあの頃が1番楽しかったですわね……あ、そうでしたわ。メイカに会ったら聞きたいことがありましたの」
「ん?防具の新調?それ作ったの割と最近なんだけど……」
「いえそうではありませんわ。聞きたいのはMMS対人会の方々がどこにいらっしゃるかですわ。風の噂では貴方のお知り合いに呼ばれて移動したと聞きましたの」
MMS対人会。アカバネさんたちか……あれ?こっちに帰ってきてないの?
「あー、アカバネさんたちなら今は南に居るんじゃない?確か皮素材を集める的なこと言ってたし……何か用事でもあったの?」
「いえ、単に対人戦がしたかっただけですわ。ここ最近、硬くて単調なゴーレムばっかり斬ってばかり……いい加減飽きましたわ」
「レティシアさんも対人戦好きな人なんですね」
武闘派だなぁ……と私が思っていると不意にメイカの視線がこっちに向いた。何その目、嫌な予感がしてきたんだけど。
「対人戦ね……ならモモカとやる?モモカ、ドレミさんの弟子みたいな感じだし」
「え、ドレミってあの修羅のドレミですの?対人プレイヤーでも上位陣の……それはちょっと戦ってみたいですわね」
レティシアさんの目がスッ……と細くなった。あー、これ猫が獲物を見つけた時の目だね……ここから逃げるの無理そう。断るにしても角が立ちそうだし。
「い、1回だけですよ?」
「構いませんわ。人が嫌がることは強制致しませんので……そこの享楽的な生産馬鹿とは違いましてよ」
「モモカ。ムカっとしたからこいつボコボコにしてやって」
「いや、私の方がボコボコにされるでしょ……」
てか戦う流れ作ったのメイカだし。後でほっぺでも伸ばしてやろ。私はメイカへのちょっとした復讐を考えながらこの町の訓練場への向かった。




