第40話
「あ、新しいイベントのお知らせ来てる。次はどんなイベントかな?」
ワニを倒した翌日、私はもぐもぐとチーズがかかったベーコンを食べながらお知らせを確認する。癖の強めのチーズ、火を入れると癖が減って美味しいね。
(町を隅々まで探して見つけたお店。ちょっと金額高めだけど美味しいご飯があって良かった)
まぁ、この後すぐに移動しちゃうんだけどさ。だから今のうちに沢山食べとこう……馬車のことは一旦忘れてね。
「えーと、イベント名は……【サマーフェスティバル】。夏祭り?」
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第2回公式イベント【サマーフェスティバル】
▷開催期間
・8月21日(土)12時から8月22日(日)12時
▷イベント内容
・期間中、特殊フィールド『宴の砂浜』が出現。フィールドへは広場に出現する門から行くことができます。
・フィールド内には戦闘エリアと非戦闘エリアが存在し、戦闘エリアではモンスターの討伐。非戦闘エリアでは屋台の運営を行うことでオマツリポイントを獲得。オマツリポイントはアイテムや装備と交換できます。
・イベント中、アクティビティやプチイベントが発生。オマツリポイントを沢山獲得するチャンスになります。
・イベント中、屋台で稼いだGはそのまま獲得できます。自分の腕を活かして稼ぎましょう。
・イベントフィールドでは水着など一部装備の性能が大幅に向上します。上手く活用してイベントを楽しみましょう。
・オマツリポイントはイベント終了後にGに変換されます。交換を忘れないようにしてください。
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文章見た感じ浴衣を着る夜のお祭りってよりは、昼間にワイワイ騒ぐフェスって感じのイベントっとぽいね。21日だと1週間とちょっと過ぎた頃か……それなりに期間あるね。
「この様子だと覚醒玉集めが終わって新しい町に行ってるかな?とりあえずメイカのサポートに回りますかね」
メイカはきっと屋台やるだろうからね。と、そういえばそろそろ来る時間……窓の外を見てみたら丁度メイカの姿が見えた。
「待ってたよー。ちゃんと寝れた?」
「よく寝れたよ。にしてもこんなお店よく見つけたね?凄い奥の方じゃん……」
「町の人に聞いたんだよね。そしたら教えてもらった」
酔っ払ってる人が多くて簡単に情報聞き出せた。お酒は人の口を軽くするね……正直、何人かは夕方なのに潰れてた人も居たからね。お酒飲み過ぎ良くない。
「で、もう移動するの?移動するなら早く食べちゃうけど」
「まだ良いよ。それにイベントの話もしたかったからね」
「あ、もう確認してたんだね。それでどうするの?やっぱり屋台する感じ?」
私の質問にメイカはうーん……と悩む様子を見せた。あれ?なんかあまり乗り気じゃない?
「屋台をやるのは良いんだけどさ。何を売れば良いのかってね……お祭りらしいもの作ってないし。イベントならそれに合わせたものを売りたいからさ」
「メイカが売るとしたら薬とか服だよね?確かにこれといってお祭りっぽい感じはしないね。服は水着とか?」
「確かに水着は今回のイベントにあってそうではあるけど……多分、イベント前の方が売れそうなんだよね」
成程、確かに水着はイベント前に買いたいか。特に今回だと性能が上昇するしね……そうなると何を売れば良いんだろうね?
「時間はあるしちょっと考えてはおくよ……あ、モモカの水着はこっちで用意しておくから。楽しみにしてて」
「ありがとう。ふふん、夏の水着……男性プレイヤーを悩殺しないようにしなきゃだね」
「ツルペタが何言ってんの?い、痛だだだだ!?ごめん!ごめん!」
私のコンプレックスをいきなり突いてきた愚か者の頬を摘んで引き伸ばす。次言ったら千切るまで引っ張るからね?あとツルペタじゃないからBよりのAはちゃんとあるから。
抓られて赤くなった頬を摩るメイカを見つつ、私はちょっと冷めてきたチーズベーコンを口に放り込んだ。
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「死ぬほど道悪過ぎない?横転するかと思って酔うどころじゃなかったんだけど」
「酔わなかったなら良かったんじゃん」
そういう問題じゃないんだよ。揺れ過ぎて頭ぶつけてHPちょっと減ったんだからね?あとあの馬車も馬車だよ……なんで速度緩めないのさ!乗客をなんだと思ってるの?割れ物注意のマーク付けようか?それなら流石に配慮するでしょ。
「にしてもここなんか暑くて湿気凄いね……鉱山だよね?火山じゃなくて」
北の町マウンテスは鉱山の町。ダンジョンすら坑道風らしいし。あとこの町が1番プレイヤーが多いんだったかな?武器防具を作るならここが良いらしいからね……私はその手の装備使わないから興味無いけど。
「あー、それは温泉が湧いてるからだね。気温に関しては鍛冶場が多いってのもあるだろうけど」
「とりあえずここの町はダンジョンとフィールドをサクサククリアしてくれば良いんだっけ?」
「そうだね。私も作りたいもんないし……さっさとクリアしてきちゃって。その間、温泉でも入ってようかな」
「何1人で満喫しようとしてるのさ……」
私も攻略を終わらせて満喫しに行こう。ちなみに温泉饅頭と温泉卵は……あ、あるのね。よし、じゃあさっさと終わらせてくるね。美味しいもののために。
私は少し駆け足気味でこの町のダンジョンへと入った。岩の迷宮、ここは虫の迷宮と形として似ている。あっちは虫が掘った規則性の無い巣穴だったけど、こっちは人が作った規則性のある坑道。壁には火の付いたランタンがあって虫の迷宮よりも明るいね。
「コォォ……」
「お、早速出てきた。これは……石炭人間?」
目の前に現れたのは石炭の塊が集まってできた人型のモンスター。ジャンクゴーレムを思い出させるタイプのモンスターだね。
「このタイプは手足を切り落としていけば問題無い。【ジェットカッター】!」
私は腕を振り上げて襲ってくる石炭人間の右足を切り飛ばす。バランスを崩して前へと倒れ込む石炭人間の頭を狙い、私は思いっきり頭を蹴り飛ばした。
思っていた以上に関節部分が脆かったのか、蹴り1発で頭が飛んでいく。頭が地面へと転がるのと同じくらいのタイミングで体がボロボロと崩れていき消えていく。
「んー……なんかジャンクゴーレムより弱い?」
戦ってみた感想はそんな感じ。そういえば第1回公式イベント、あれの開催時期ってこの迷宮の攻略を終えてる人がそれなりに居た頃だったね。似てるモンスターだから警戒してたけど……警戒し過ぎだったみたいだね。
「まぁ、セオリーは合ってたし。それが分かっただけでも良いか」
それじゃあ攻略していこう。私は地図を開いてマッピングしながらダンジョンを進んだ。




