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小悪魔ちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第2章 小悪魔と???
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第39話



 獣のダンジョン攻略開始から2時間弱、私はもうボスのいる階層一歩手前まで来ていた。このダンジョンは次のエリアに行く階段の場所が入るたびにランダムに決まる。1番遠くだったり、凄く近かったり……そのせいで攻略ペースが掴みにくい。

 そんな場所での戦いだけど、小さいモンスター多過ぎ問題。ネズミのサンドラットの他に、耳がハサミのようなのシザーラビット。落とし穴を作ってくるスネアモール。小さくて厄介なモンスターばっかり。そんなモンスターたちへの攻撃の命中率はと言うと……


「うーん、7割ってところかな?やっぱり素早く狙いつけ撃つの苦手なんだよね」


 流れで狙えるように練習してるんだけどね。『狙って』『撃つ』で一瞬止まるんだよね……どうしてもこの止まる部分を直せない。これのせいでFPSも苦手だからね……まぁ、それ以前に画面酔いが酷くて酔い止めあっても1時間が限界って理由が大きいけど。あまりに酔いすぎてゲームする時間より、酔ってダウンして寝てる時間の方が長かったくらい。


「とりあえずボスは小さくないと良いなぁ……」


 私はボスの居る階層に入る。ボスエリアも変わらない砂漠のようなフィールド……その中央にユラユラと尻尾をゆらめかせたボスが待ち構えていた。


「シャァァァ!」


 待ち構えていたのはネコ、かなりワイルド寄りだからヤマネコかな?三角の長い耳をピン!と立てて威嚇してくる。


「ボスにしては小さめで素早そうなネコ……てか雑魚モンスターがネズミにウサギにモグラ。ネコの獲物じゃない?」


 ウサギはちょっと違う気もするけれど、私がそんなことを思っているとヤマネコはダッ!と駆け出し私へ向かってくる。その動きはトリッキーで読みにくい……砂埃での視界妨害付き。


「【アイススパイク】!」


 私は走り回っているヤマネコの動きを止めるために氷の棘を進行方向に生やす。これで動きを少しは動きを止められるかと思ったけど……


「ニ"ャア!」


「ありゃ?飛び越えられちゃった」


 ヤマネコは軽快な動きで氷の棘を飛び越えていく。ここまで動きが良いとは思わなかったね……氷の棘での足止めは程々にして違う方法で動きを止めよう。


「ニ"ャア!」


「よっ!【ポイズンスモッグ】」


「ニ"ャア!?」


 私はヤマネコの動きを見て攻撃を避けた後、顔に毒の雪を浴びせかける。顔に雪を浴びせられたヤマネコは目を瞑って悲鳴をあげた。私はそこに追撃で蹴りを素早く2発叩き込み……


「【アシッドバレット】!」


 更なる魔法を叩き込む。動きを鈍くしたところでの連撃にヤマネコは地面へと転がっていく。流石に倒し切れなかったけど毒に強酸の重ねがけ、《恋の一撃》でのダメージ加速も合わせれば避けてるだけで勝ちだね。


「ニ"ャア……!!」


 ヤマネコもそれが分かってるのか鬼気迫る表情で攻撃をしてくる。しかしその必死さのせいで動きの精細が欠け、回避するのが容易になっていた。これ丁度良いし回避の練習でもしようかな?ドレミさんのレッスンだと人相手の回避の経験は積めたけど、モンスター相手のはちょっと不安あったし。

 私は毒とかを追加する程度に攻撃しながら回避の練習を行う。やっぱり獣だと人とは違う感覚だね……本能任せなところ強いし。


「ニャア……」


「あ、死んじゃった」


 そんなこんなで避け続けていると継続ダメージでヤマネコは倒れていった。ふぅ、良い練習になった。とりあえずこのダンジョンは終わったね……ここで集める素材が無くて良かった。ちょっとここの敵苦手だから。


「次行くフィールドは苦手なモンスター少ないと良いなぁ……」


▷▷▷


 荒野の町……そういえば名前言ってなかった。町の名前はワイネスだね。ワイネスから行けるフィールドは荒地。枯れ草の球が転がってたりサボテンが生えていたりと西部劇の荒野って感じが強い。


「えーと、ここのモンスターは爬虫類系がメインなんだっけ?」


 ヘビとかトカゲ。メイカ曰く、スケイルアーマー作るならここのモンスターじゃないと素材が手に入らないらしいね。

 ただスケイルアーマー強くないらしいから、現状ファッション用の防具なんだとか。いや、スケイルアーマーのファッションとは?


「シュルル……」


 私が謎のスケイルアーマーファッションを不思議に思っていると、土色のヘビがニョロンと出てきた。


「ゲームだからかアナコンダサイズ……的が大きくて助かるね」


 まぁ、ニョロニョロしてて当てにくそうではあるけどさ。ここも私が苦手そうなモンスター多そうでゲンナリしてきた。


「シャァァァ!」


「煩い。【ジェットカッター】」


 ヘビがシュバ!と飛びかかるように襲ってきたけど、苦手なやつが続いて気分が下がり気味だったから【ジェットカッター】で雑に首を切った。スパン!とヘビの首に切れ込みが入って赤い光が血のように吹き出す。



「シャァ……!」


「よいしょ!」


 首を切られた衝撃で動きの止まったヘビの頭を回し蹴りで蹴り飛ばす。ここまでやれば倒せるでしょ。少しは気分が晴れた……ん?


「うわ、まだ生きてる……なんで?」


「シ……シャ……シャァ……」


 首が取れかけているのに生きてるヘビを見て私はドン引きする。生命力が高いのかな?とりあえず可哀想だからトドメを刺しておこ。


「あ、こいつ毒持ちだ。毒持っててタフとか面倒なタイプのモンスターだね」


 倒したと思って油断してたら襲われて毒を食らう……そうならないようにちゃんとトドメ刺していこう。


「シャァァァ!!」


「ギュルルル!!」


「ゴガァ…………」


 ボスの居るところへ向かって歩いているとさっきのヘビ、デザートサーペントの他にサボテンみたいな棘を生やしたカクタスリザード。岩みたいな見た目の甲羅を背負ったロックタートルがお出迎え。ロックタートルはこっちが攻撃しなければ無害だから無視して良いね。


「カクタスリザードは毒無しだったし、ロックタートルも見るからに毒は無い……ここのコンセプトって防御面の硬さが売りのモンスターかな?」


 デザートサーペントは首が千切れかけても平気な生命力。カクタスリザードに関しては棘の守り。ロックタートルは文字通り岩の硬さ……ここのボス、嫌な予感しかしないんだけど。


(コンセプトのおかげか接敵数が少ないのが嬉しく感じてくるよ……)


 ヤマネコ倒してそこまで休憩しないで来ちゃったしね。いや、本当はちょっとご飯食べてゆっくりしようと思ったんだけどさ……ここのお店の食べ物、硬いジャーキーとか癖の強いチーズとかでちょっと口に合わなかった。あれは確かにお酒のおつまみだね。ガッツリはいけない……てかジャーキーに関してはなんか普通の肉っぽくなかったんだよね。まさかとは思うけどヘビかトカゲどっちかの肉だった?


「でも味は悪くなかった……ちょっとストレージに買っておいたしね」


 お酒は無理だけどコーラとかにも合いそうだったからね。生憎、MMS対人会の人から貰ったコーラは今手持ちに無いんだけど……そういえばMMS対人会の人たちって北の方から来てくれてたんだよね。北の町にコーラありそう。絶対買わなくちゃ!


「コーラ、あんまりリアルじゃ飲まないからね……」


 糖分高過ぎて飲みすぎると健康に良くないからね。と、そろそろボスエリアにきたかな……なんかサボテンだらけになってきた。まるで畑みたいだね。


ガリ!ボリボリ!!


「ガロロロ……」


 サボテン畑を歩いているとボリボリとキュウリを齧るような音が聞こえてきた。音の方へと歩いていくと沢山のサボテンが根本から無くなってできた広場があり、その奥でサボテンをボリボリと食べている…………大きなワニが居た。その大きさは私をパクッと一口で食べれちゃうくらい。今まで見たモンスターの中で1番大きいね。


「ヴィーガンに目覚めたワニ?」


「ガロロロ?」


 肉食代表格のプライドはどこ行った。私が内心ツッコミを入れているとワニの方も気づいたようでこっちを向いた。ボリボリと咀嚼されていくサボテンが口中に見えてるね。よく棘だらけのサボテンをそんなにボリボリ食べれるよ。


「ガロロロ!」


 ワニは咀嚼を終えると大きな口を開けて咆哮をあげる。そして口を開いたまま頭を90°横に傾けながらこっちへ向かってきた。あ、これ食われるやつだ。


「草食ってわけじゃないのね」


 とりあえず攻撃は回避する。曲がるのは難しいみたいでホーミングはしてこなかった。とりあえず避けて隙だらけの身体に横から魔法を撃ち込んで見たけど……


「硬……氷が刺さりもせずに弾かれてる」


 ゴツゴツとした皮にコン!と【ヘイルバレット】が弾かれていく。まぁ、ワニ革のカバンとか硬いしね……さて、どうやって突破しますか。


「まぁ、大体攻略法分かってるけどね」


 私はドタドタと反転しまた口を開けて突撃してこようとしているワニを見る。攻撃するならあの口の中だね。外がダメなら内部なら効くでしょ。


「【ポイズンバレット】!」


 私はワニの口の中に毒の氷を撃ち込んだ。ワニは口の中に毒の氷が入った途端に口をバクン!と閉じる。一瞬、ダメだった?と思ったけど……


「ガロロロ!?」


 ガフ!ガフ!と突然咳き込むような動きを見せるとバタンと横に倒れバタバタと足を動かし始めた。その結果少し柔らかそうな腹が丸見え……あ、成程ね。これとりあえず何か口に放り込めば怯ませて攻撃チャンスになる感じだ。


「確かに他のところのボスたちに比べて強過ぎるとは思ったけど……そういうカラクリがあるとはね」


 それを知ってから周りを見てみると、手頃な大きさの折れたサボテンが転がってる。さっきの突撃でもサボテンがいくつも折られてるし、それがヒントになる感じか……いや、分からないって。


(まぁ、メイカは知っていそう。聞く前に寝させちゃったんだけどさ)


 でも聞かなくて良かったかもね。自分で見つけられたから達成感凄いからね。やっぱり自分で答えを見つけると気持ち良いね。


「と、達成感に浸ってないで攻撃しなきゃ」


 私はワニのお腹にドカドカと攻撃を入れる。ある程度攻撃を入れたところでワニは体勢を立て直した。そして尻尾と頭を振りまして周囲を薙ぎ払うように暴れる。


「攻撃を欲張ったら巻き込まれる感じの攻撃かぁ……で、そこからまた噛みつき突進と」


 攻撃パターン2つしか無さそう。で、この時には口に毒の氷を放り込む。これで怯ませて毒も与えられた……あ、これ苦戦しないね。


「動き遅いから事故ることもなさそう」


 ということで戦闘の様子は大幅カットとなります。勝因としては度重なる毒を飲んだことによる毒殺でした……1番エゲツない方法で倒したかもね。


「まぁ、強酸で焼かれるよりはマイルドでしょ……多分」


 これで明日には移動できるね。一応、メイカには移動できるようになったことメールしとこう……そしたら町に帰ろうっと。


「なんか普通のご飯とかあれば良いんだけどね」


 もう少し探してみようか。隠れた名店的なものあるかもだからね。私はそんな店がありそうな場所を思い浮かべながらボスエリアを後にした。


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