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小悪魔ちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第2章 小悪魔と???
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第32話



 レッスン4日目。今日も訓練場を転がされると思いながら来ると、なんかいつもより人が多かった。何事!?


「お、来たねモモカちゃん。おはよう」


「おはようございます。あのー……この人たちは一体?」


 私がちょっとビビっているとドレミさんの近くにいたフルアーマーな男性が近づいて話しかけてきた。


「どうも初めまして。私、MMS対人会代表をしているアカバネと申します」


「MMS対人会?」


 MMS対人会。それは模擬戦などの対人戦好きのプレイヤーの集まりで、日々対人戦の研究をしている同好会みたいな集団。そんな人たちがなんでここに居るのかというと……


「私が呼んだの。私ばっかりと模擬戦してると変な癖が付きそうだからね」


 ちなみにドレミさんとアカバネさんは知り合いらしく。色んなゲームで戦いあったライバルなんだとか。アカバネさんがこのゲームでも対人戦の集まりを作ってることを知って呼んだらしい。


「最近は山の方でやってたんですけど、ドレミさんから模擬戦の相手を探していると連絡を受けまして……私たちも対人戦の仲間が増えると嬉しいので馳せ参じた次第です」


「アカバネ。さっきも伝えたけどこの子は私たちみたいな戦闘狂じゃないからね?本人の意思無く対人沼に沈めないように」


「分かってますよ」


 沼の自覚はあるのか。2人の会話を聞きながらそんなことを思った。そんな感じで今日はMMS対人会の方との模擬戦がレッスン。早速初めていこう……最初の相手は槍使いのモネさん。私と同い年ぐらいの人で対人会にはMMSからの参加とのこと。


「「よろしくお願いします」」


 MMS対人会のルール。試合前にはキチンと挨拶をしていざ勝負!ちなみに他のルールとしては武器は訓練用、魔法はありで職業スキルもあり。決着は審判が致命傷と判断するか降参を告げた時だね。


「ふぅ……《螺旋》《縮地》!」


 モネさんは初手から強い踏み込みで攻撃してくる。その槍は回転しライフルの弾のように私の心臓目掛けて飛んでくる。私は身体を横にし回避、そしてモネさんのお腹目掛けて膝を入れて反撃した。


「ぐぇ!?」


 ちょっと女の子が出しちゃいけない声を出しながらモネさんは吹っ飛んでいく。私はそこに追い討ちの魔法を撃ち込んでいく。

 しかしモネさんは吹っ飛ばしを槍を地面に刺して軽減。魔法もステップで回避した。流石MMS対人会のメンバー……そう簡単にはやられてくれない。


「まさかヤクザキックとは……可愛い見た目に反してエゲツない攻撃してきましたね。その容赦の無さ……流石、無慈悲の侍さんの生徒です」


「なんか変な勘違いされてる」


 というか無慈悲な侍って……ドレミさんのことだよね?どんなことをしたらそんな怖い2つ名が付くの?

 気になってそんなことを思ったけど今は模擬戦に集中。体勢を立て直したモネさんは今度は左右に軽快なステップで魔法を警戒しながら向かってくる。

 【ジェットカッター】なら左右に動かれても当てられるから狙ってみるけど、《流水魔法》を知られているのか【ジェットカッター】の間合いに入る寸前で急ブレーキ。槍を地面に突き立てて棒高跳びのように飛んできた。


「やぁ!」


「よいしょ!っと!」


 私はそれに対して足を思いっきり上げて弧を描くようにして蹴りを放った。落ちてくる槍の穂先を叩きつけるように逸らし、モネさんのバランスを崩させる。

 私も反動で体勢を崩しそうになるけど遠心力を利用してなんとか立て直し、ガラ空きの胴体へ両手の指を向ける。


「【ウォーターバレット】!」


 私は声で【ウォーターバレット】、動作で【ヘイルバレット】を放つ。2つの魔法を食らいモネさんは地面へと転がっていった。


「そこまで!勝者モモカ」


 そこで模擬戦は終了、私の勝ちとなった。なんとか勝てたね……


「あ、あそこから回し蹴り……やられました」


「普通の魔法職なら速攻かけに行くのは定石だけど、近接もできる相手は気をつけなきゃね」


「あと跳んだのが良くなかったな。あれじゃ狙ってくれって言ってるようなもんだ。その飛び込み癖治そうな?」


 模擬戦の後は考察。良かったところ悪かったことを見ていた人たちと話し合う。客観的な視点からの意見はありがたいね。そしたら今度は人を変えて再度模擬戦。今度の相手はずんぐりむっくりって感じの重戦士マンジュウさん。全身甲冑で硬そう……

 あとマンジュウさんは私みたいになりきりセットを装備してる。ドワーフで低身長の髭もじゃだったね。MMS対人会の在籍年数は5年らしいから対人戦のプロと呼んでも良いだろうね。


「いくぞ!」


 マンジュウさんは手に持ったハンマーを振りかぶって突撃。見た目の重さとは裏腹に足が速い……一応、近づかないように牽制で魔法を撃ってみるけど。


「ハハハ!効かんぞー!その程度の魔法!くらえ《剛撃》!」


 硬い鎧の前には水も氷も弾かれてしまう。そして私に向かってハンマーが振られるけれど、《回避》と《舞踏》を合わせることで回避していく。あれ当たったら1発で瀕死になる……


(硬くて強い。シンプルだけど厄介だね)


 特にあの鎧、今の私じゃ隙間を狙わないと攻撃通せなさそう……でも動いてる相手にそれを狙うのは私の実力じゃ厳しい。仕方ない、あまり使いたくなかったけど職業スキル使おう。


(《刺激的な初恋》は装備をダメにしちゃうから……《有害的な毒愛》を使おう)


 ハンマーの攻撃を避けつつ《氷雪魔法》に設定。早速、毒を浴びせていく。どんなに硬くても隙間さえあれば中へ届く毒なら…でも


「【ポイズンスモッグ】!」


「ぐぅ!?」


 私はマンジュウさんの顔に毒を含んだ雪煙を浴びせる。鎧の隙間から雪が入ったことでマンジュウさんの動きが悪くなり、更には毒がジワジワとHPを削り始める。


「ど、毒!?《毒耐性》を超えてくるだと!?」


 マンジュウさんから驚愕の声が聞こえてきた。どうやら毒への耐性があったみたいだけどそれを貫いてて驚いてるみたい。そういえば序盤は《毒耐性》は強化してなくても活躍できる良スキルってメイカが言ってたっけ?モンスターも耐性を抜ける毒を使ってこないから。

 そんな耐性を貫いたのは私のCAMのおかげだろうね。私の職業スキルで与える状態異常はCAMが高ければその分強くなる。今の私のCAMは……380くらいだったかな?今まで耐性を持ってる相手と戦ったことなかったから知らなかったけど。


(これだけあれば《毒耐性》も抜けるんだね)


 そして毒にしてしまえば《恋の一撃》が持続ダメージに反応して追加ダメージ。こうなったら動きを止めて削り倒す。


「【ウォータースパイラル】!」


 私はマンジュウさんを水の渦で拘束する。毒にできたら時間稼ぎ。悪辣と言われようが気にしない!だってあの防御力を超えられる気がしないからね。


「うぐぐ……この程度の拘束!」


 マンジュウさんは水の渦を無理矢理抜け出そうとする。STRが高いからか水の渦から身体がジワジワと出てくるけど。


「【アイススパイク】」


 私は水の渦を巻き込むように【アイススパイク】を発動。氷の棘が水の渦ごと凍りつき、マンジュウさんの身体をガチガチに固定した。


「くっ……これは無理だな。降参だ」


 氷の檻に閉じ込められたマンジュウさんは降参を宣言する。勝敗が付いた後は氷を《火魔法》を使って溶かし、毒はメイカの解毒薬で治療した。マンジュウさんの持ってた薬だと治せなかったからね……私の毒ってそんなレベルなの?


「マンジュウが毒になってるの久しぶりに見たな……うちのメインタンクなんだが?」


「俺も驚きしかねぇよ……《毒耐性》持ってれば今のところ毒対策できてたんだが。しかもなんかダメージが嵩んでて痛かった」


「魔法と近接以外に状態異常も使えるとか……対人戦だと隙がねぇな。え、マジでウチのメンバーにならん?」


「んー、対人戦メインで活動するつもりは無いので。お誘いは有り難いですけど……」


 そんな感じで今日はMMS闘技会の人たちと模擬戦をワイワイ楽しんだ。なお、戦績としては勝率1割、負率9割……いやね、私の攻撃って初見だから有効なものが多いんだよ。模擬戦を重ねるとそういうのバレていくからさ……相性が良いとかじゃないと勝つの厳しい。

 私の場合、状態異常がダメージのメインになるから当たらないとそもそもジリ貧。毒使うってバレたら魔法は徹底的に防がれるか避けられるかされちゃう。


(あと遠距離の撃ち合いだと向こうの方がINT高くて……先に削り殺されるね)

 

 ちなみに1番戦って意味が分からなかったのはアカバネさんだね。気づいたら身体が浮いていて地面にダイブしてたからね。頭の中?だらけだったよ。本当に何をされたのか……

 そんな感じで戦っていくと意外と自分の弱点が見つかった。その分、どう対処すれば良いのか知れたし。色々技術を教えてもらえたからかなり強くなれた気はする。折角の機会だからレッスン時間とかも気にせず模擬戦を沢山したくらい。


(対人戦……思っていたよりも楽しいしね)


 ちょっと対人戦が好きになりそう。だけど私はメイカの素材調達係、模擬戦メインで活動はちょっと厳しい。そのため時間がある時に集まりがあったら偶に参加させてもらうことになった。フレンド登録もしたから連絡しやすいしね。見学だけも可、何気にこれが嬉しい。何せ……


「このゲーム、ポップコーンにコーラもあるんですね。もぐもぐ」


「意外と食べ物関係は充実してるからね。お酒も種類あるし……」


「こらこら未成年にお酒勧めない。てか模擬戦中に飲んで良いの?酔って負けても言い訳禁止だよ?」


 観戦の時のお供が充実してるんだよね。オシャレなパンケーキも良いけど、こういうおやつも良い。ポテチも探せばあるのかな?

 そうして戦ったり観戦したりの4日目は終わりを迎え……遂に最後のレッスン日となった。


簡単スキル説明

《螺旋》消費MP:20

槍、弓用スキル。槍全体を回転させ貫通力を上昇させる

《縮地》消費MP:15

前方への移動の際、一時的にAGIを50%上昇させる

ただし真っ直ぐにしか移動できなくなる

《剛撃》消費MP:30

打撃系の攻撃威力を倍にする。相手のVITを30%無視することができる


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― 新着の感想 ―
対プレイヤーで一番猛威を振るう害悪魔法を自重封印した結果の勝率1割は仕方無し。 楽しく試合してるのは好感度高いですねえ。 ⋯⋯逆を言うと、手加減無用のPvP大会とか、対PK戦ではモモカのヤバさが光る…
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