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小悪魔ちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第1章 小悪魔のゲームスタート
29/45

第25話



 花畑。ここで出てくるモンスターには面白い特徴が2つある。1つは甘い匂いに引き寄せられる。バレットビードルや刃物のような顎を持ったブレードスタッグ、人間より大きい羽を持つラージバタフライなんかの虫モンスターたちがこれに該当する。

 そしてもう1つが……甘い匂いを発生させるというもの。要するに虫を誘き寄せて捕食するモンスターたち。


「ギチチチ!」


 丁度、目の前でバレットビードルが青いハエトリグサのような見た目のモンスターに捕食されている。バリバリと噛み砕かれていく音が聞こえ、捕食し終えたハエトリグサは葉を広げて次の獲物を待ち構え始めた。


「怖……あれが動かなくて良かった」


 あのハエトリグサは根っこを使って移動したりしてこない。近づかなければ襲われないから意外と安全。まぁ、あのハエトリグサも必要な素材落とすモンスターだから狩らなきゃいけないんだけど。


「水は相性悪そうだから氷を使っていこう」


 私はハエトリグサの攻撃範囲に気をつけながら指を構える。そして口を開けているハエトリグサに向けて【ヘイルバレット】を撃ち込んだ。


「グサァァァ!!」


「鳴き声?植物だけど声帯あるのかな?」


 氷の弾が突き刺さったハエトリグサの悲鳴を聞きながら私は首を傾げる。ハエトリグサは首?茎?を伸ばして噛み付こうとしてきたが、届かず私の目の前でガチン!ガチン!と口を開閉する。


(……あと一歩前に出てたら噛まれてたかな?)


 ちょっとヒヤッとしたのは内緒。私は冷や汗を感じながら【ヘイルバレット】を再度撃ち込んでハエトリグサを倒した。


「これでハエトリグサ……カミツキソウの繊維をゲットできたね」


 これも服に使うのかな。麻とか綿みたいに……結構頑丈そうだったから沢山集めておいた方が良さげ。こういうのがメイカ喜ぶ素材だからね。家の中で観葉植物みたいに麻とか綿を育てているくらいだし。


(まぁ、こいつは良いんだよ動かないから)


 ここ動かない植物とは別で……動ける植物も居るんだよね。丁度前からこっちに向かって来てるアレとか。


「ツボォォ!」


 何本もの根っこで歩いてくるウツボカズラ。どういう生物なのか気になる……てか足が蠢いてて気持ち悪い。


(ウツボカズラって強酸を袋に溜めてるイメージあるし、こいつも氷で攻撃しようかな)


 挨拶代わりの【ヘイルバレット】。袋はかなり頑丈なのか刺さらなかったけど、表面に傷をいくつか作れた。


「ツボォォ!」


 攻撃を受けたウツボカズラは足をワシャワシャと動かして向かってきた。とりあえず近づけないように【アイススパイク】を発動してバリケードを作る。


「ツボォ!ツボォォ!!」


 行手を阻まれたウツボカズラは急停止。しかし突撃の代わりと言わんばかりに袋の口を広げると薄黄色の液体をばら撒いてくる。後ろに下がって回避したけど、私が居たところの液体からジュウジュウ音が鳴ってる。


「やっぱり強酸だよね……なんか変な匂いが」


 私の強酸は若干甘い匂いがするけれど、あいつのは悪臭が……消化液だから?未消化の何かでも混ざってたかな。


「綺麗な風景が台無し。花枯らすな【ヘイルバレット】」


 悪臭に花を枯らす。景色が気に入っていたからかなりムカっとしたので容赦無く魔法を撃ち込む。ウツボカズラが近づこうとすれば【アイススパイク】で近寄らせず、強酸は距離を取って回避する。


「お触り厳禁。そのラインは越えないでくださーい」


 そんな感じで対応し、ウツボカズラは私に近づくこともできずに倒れていった。こいつ、正式名はアシッドウォークプラントから集めるのは不思議な消化液ってアイテム。これに関しては本当に何に使うのやら?


(お、そこそこ落としてくれてる。沢山戦う必要は無さそうだね)


 素材の確認をしつつMPを回復。うーん、ここのモンスターたち魔法じゃないと攻撃受けそうなモンスターたちが多くてね。


「虫たちならまだ蹴れるかな?でも甲殻が硬いモンスター多いし、チョウくらい?まともに効きそうなのは」


 元より蹴りはサブの攻撃手段。そこまで重要では無いけどね……この際、次に手を付けるべきは足回りかな?ダンスの基礎的な。


「んー……なんか使えそうなスキルとか無いかな?」


 一旦、ステータス確認してみよう。今の私がどんな感じか把握しとく。


◇◆◇◆◇◆◇◆

モモカlv34

・基礎ステータス

HP:63/63

MP:114/169

STR:41

VIT:41+50

INT:129

MID:41+60

AGI:41

CAM:129+139

・職業スキル

《誘惑の香り》《恋の一撃》《目を奪う人差し指》

《刺激的な初恋》《有害的な毒愛》

・自由スキル

《流水魔法》《氷雪魔法》《回避》《軽業》《舞踏》

《八方美人》《大食い》《傾奇者》《格闘》《蹴術》

《毒耐性》《麻痺耐性》

・使用可能魔法

《水魔法》

【ウォーターバレット】消費MP:5〜15

【ジェットカッター】消費MP:10〜20

【ウォーターマイン】消費MP:20

《氷雪魔法》

【ヘイルバレット】消費MP:20

【スノーシールド】消費MP:30

【アイススパイク】消費MP:30

◇◆◇◆◇◆◇◆


 相変わらず物理方面が弱い。蹴りの威力も殆どスキル由来だね……それでも雀の涙程しか上がってなさそうだけど。


「んー……魔法関係はアクセサリーで強化していく予定だし。新しいスキルでまた身体能力を強化していこうかな?」


 もしくはCAM。少し伸ばせば300になりそうだからね。あとはlvを上げて新しい職業スキルと魔法を得てから考えるのもありだけど……残り6か。


「まぁ、ここならモンスター沢山集まってくるだろうし。レベル上げはできるかな?」


 ウツボカズラも寄ってくるだろうけど、そこは諦めよう。さっきみたいに戦えば大丈夫。


「…………いや、それでもちょっと嫌だな」


 すまんウツボカズラ。お前だけ素材置いて消えてくれ。私はそんなことを思いつつもMP回復薬が残り少なくなるまで花畑での狩りを続けた。なんの恨みがあるのかウツボカズラが沢山来たりしたけど……


(悪口言ったの悪かったから勘弁してー)


 HPじゃなくてメンタルめっちゃ削られた。しばらくウネウネは見たくない……

 その日の夜、テレビでウナギの養殖施設についての番組がやっててリアルでもダメージ食らった。今日厄日?


▷▷▷


「…………なんか顔死んでるけど大丈夫?」


「大丈夫。ちょっと夢見が悪かっただけだから……ただ、しばらくウネウネを見たくないだけ」


「ウネウネ?」


 翌日、夢の中でもウネウネに悩まされた私はほんのり寝不足気味。え?どんな夢だったか?足がウナギのウツボカズラたちに追い回される夢だったよ……意味不明過ぎて起きてから呆然としてたからね。どんな精神状態ならこんな夢見るの?って。


「とりあえず午前中はちょっと素材集めはやめとくよ……それで装飾品が出来上がったんだっけ?」


「体調悪いならリアルで寝てきなよ。とりあえずこれが装飾品13個。指輪10個にイヤリング2個、チョーカー1個」


 15個じゃないのは月涙石のネックレスと小悪魔なりきりセットを除いた数だからだね。この2つは交換じゃなくて強化していく感じになるからね。


「指輪は全部魔法威力向上。イヤリングは水属性強化。チョーカーは魔法発動速度向上ね」


「ほうほう……で、これが説明文と」


ーーーーーー

ルーンの指輪

魔法威力10%上昇

▷説明

古代の不思議な鉱石で作られた指輪

暗い金属に刻まれた文字は魔法を強化する

ーーーーーー

ーーーーーー

水冷のイヤリング

水属性の魔法威力10%上昇

火属性の魔法威力10%低下

▷説明

古代の不思議な鉱石で作られた土台に

水属性を強化する魔石を付けたイヤリング

水属性の魔法を強化する

ーーーーーー

ーーーーーー

詠唱者のチョーカー

魔法発動速度20%強化

沈黙耐性5%低下

▷説明

古代の不思議な布地とドッペルミミックの素材で作られたチョーカー

魔法発動を大きく早めてくれるが沈黙に対して弱くなってしまう

ーーーーーー


「弱体化を付けることで効果を上げてある。イヤリングに関しては《火魔法》取らなければ問題無いけど、チョーカーの沈黙耐性がね」


 なんでも沈黙は私のスタイルと相性が悪い。沈黙の効果は口に出して発動するスキルが一時的に使えなくなる……簡単に言えば魔法が使用不可になるってこと。魔法使いの天敵じゃない?


「それが付いたの不味くない?」


「沈黙は耐性スキルを付ければある程度は対処できるからそこまで問題じゃないよ。あとこれに関しては面白い対策方法があってね……そっちがモモカと相性良いんだよ」


 そういってメイカが私に見せてくれたのは《振付》ってスキルだった。


ーーーーーー

《振付》

魔法等口頭発動のスキルを動作で発動できるようになる

動作で発動させた場合、性能が25%低下する

CAMを常時10上昇させる

ーーーーーー


 おー、これはCAMを上げれて沈黙も対策できて良いね。性能低下についても装飾品でゴリ押ししてるからそこまで気にはならないかな?


「ちなみにこのスキル。スキルショップで5万くらいするんだよね」


「高……まぁ、沈黙対策できるからおかしくは無いのか」


 今の私の貯金的には全然買える。だけどメイカがお金の話をしてきたってことは……何か別の手段がある感じかな?


「モモカのポイントってまだそこそこ残ってたでしょ?イベントの交換アイテムにさ各ステータスに関連したスキル引換券があるじゃん……それで狙うのもありかなと。あれ持ってるスキルは出てこないし」


「成程。それはありだね」


 仮に《振付》が出なくてもCAMが上がるスキルなら大歓迎。えーと、CAM関連スキルの引換券は3個まで交換可能。ポイントも足りてるね。


「それじゃあ3連ガチャ開始!」


「そのテンションは普通10連ガチャとかのテンションだと思うんだけど……モモカが楽しそうなら良いか」


 外野が何か言ってるけど気にせず引換券を使った。まずは1枚目!


ーーーーーー

《美声》

声を聞いた相手の意識を引きやすくなる

CAMを常時5上昇させる

ーーーーーー


「ヘイト稼ぎには使えそうだけど……どっちかというとハズレ?」


「上昇値も少ないしね。まぁ、強化したら化けそうではある」


 覚醒玉をこれに使うの博打過ぎてちょっと怖いけどね。では2枚目ドロー!


ーーーーーー

《美肌》

天気による熱と光の影響を軽減する

CAMを常時10上昇させる

ーーーーーー


「これは強くない?結構便利そうだし」


「んー……天気による熱と光がどこまでカバーしてくれるかで結構変わりそう。てかこんなスキルもあるんだ」


 《美声》に比べると使えそうなスキルで嬉しい。目当ての《振付》じゃなかったけどね。それじゃあラスト!これで当てる!


ーーーーーー

《フェロモン》

香水のような香りを放ち嗅いだ相手の気を引きやすくする

CAMを上昇10上昇させる

ーーーーーー


 残念当たらなかった。そしてこれもどっちかというとハズレよりかな……獣以外には使えなさそう。てか待って?


「これ……聴覚、視覚、嗅覚に関するスキルじゃない?」


「確かに。《美肌》はちょっと違うかもだけど、聴覚と嗅覚はあってるね」


 要するに私は五感のうち3つでヘイトを買いやすくなったと……あ、あんまり嬉しくない。ガチャも爆死だったし。


「…………スキルショップで《振付》買ってくるね」


「いってらっしゃい。私はMP回復薬を作っておくね」


 ガチャ結果になんとも言えない気分の中、私はスキルショップに向かった。ちなみに《美声》《美肌》《フェロモン》の値段も見てきたけど、どれも5000Gで買えるもの。値段見て更にダメージ食らったね。とほほ……


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― 新着の感想 ―
美肌は熱や光への耐性なので(自身の)触覚に影響するスキルですな!
振付で印を結ぶと魔術が発動するように設定したら忍者ロールプレイが捗りそう。
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