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小悪魔ちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第1章 小悪魔のゲームスタート
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第20話




 イベント2日目。私は3周目の攻略を開始していた。昨日はあのウォータージェットの練習をしてたからね……全然使いこなせなずにいるけれど。あれ勢い強過ぎるし、足首の角度がズレるとその方向に吹っ飛ぶからね……本当に厄介な魔法。

 昨日の夜はメイカに頼まれて森に行って月光草集めしてたんだけど、何回木に衝突しかけたか。激突してたら死んでたかもね。


「ここまで扱いにくい魔法は初めてな気がする……lv30で覚えるべきじゃない気もするし」


 多分、このゲームしてて1番HPを削った気がする。それなりに扱えるようになるのはいつになるやら……バランス感覚とかスキルで強化してて扱い切れてないからね。覚醒玉の使い道が増えた。


(使わないって選択肢もあるけど……あれ使いこなせれば普通に便利な魔法だからね)


 上手く使えれば高速で動き回れて蹴りとも相性良いし。何より足の遅さをカバーできる……割と動き回るのにAGI自体は低いからね。割と毎回全力疾走してる。

 とりあえず今回は覚醒玉交換を目標にポイントを集めていこう。しばらくはアイテムの交換はしないで貯めていく。


「ギ、ゴゴ」


「うわ、いきなり武器持ち……」


 早速出てきたのは武器持ちのジャンクゴーレム。しかも胸の弱点の結晶が半分瓦礫で隠れてる……弱点に対して対策取ってきてる。あれを蹴りで壊すのちょっと怖いね。


「ま、武器待ちには魔法で対処するって決めてるんだけど。【ウォーターカッター】」


 いつものように武器のある腕を切断。覆っている瓦礫の上から【ヘイルバレット】で弱点を砕く。瓦礫のせいで地味に2発必要だったけど難なく倒せた。


「やっぱり魔法の火力ちょっと弱いよね……」


 武器無しだとやっぱり魔法の威力がね……《着飾り》で装飾品を増やしているとはいえ、強化率も微々たるもの。聞いた話だと魔法使いが使う杖って大体が強化率30%超えてるらしいし。うーん……


(《着飾り》も強化したいね。数揃えば強化率も上がるし)


 強化したいスキルが本当に多い。やること沢山だね。そんな感じで進んでいるとジャンクゴーレムたちが襲ってくる。全員武器を持って……武器持ちが雑魚ポジか。


「急に難易度上がり過ぎじゃない?」


 武器持ち普通に強いからね。ここから戦闘慣れしたプレイヤー用の難易度ってことなのかな?MP回復薬の在庫は充分とはいえ強い相手と戦い過ぎるとすぐに在庫が切れそう。


「うーん、あの胸の瓦礫って蹴りで壊せるかな?」


 少しでも魔法を節約したいから蹴りも使うことにした。幸い、胸の瓦礫は薄めで強めの蹴りで剥がせた。ちょっとヒビも入れられるし、これなら【ウォーターショット】でも倒せるね。あとは腕の切断もしなければ節約になるんだけど、それはまだ怖いからやめとく。


「ギゴゴゴ」


「せい!【ウォーターショット】!」


 私は相手の動きをしっかりと見極めつつジャンクゴーレムを倒していく。3回目だから素材も多いしポイントも美味しい。それと……


「あ、コイン見っけ」


 時々地面に錆びが少し浮いているコインが落ちるようになった。これ拾うだけでガラクタポイント100貰えるんだよね。


(拾っても特にデバフとかは無いから。拾えたラッキーって感じ)


 こういうのもコツコツ集めていかないと。そう思いながら進んでいくと、不意に見たこと無いものが視界に入った。それは木の箱……俗に言う宝箱ってやつに見える。


「宝箱?……もしかしてさっきのコインがいっぱい入ってるのかな?」


 私はワクワクしながら近づいて蓋に手をかけた。そしてパカっと開けると目に入ったのはお宝……ではなくズラッと並んだ牙。


バクン!


「あっ、ぶな!?」


「ギシシシ……」


 頭を噛み砕かれそうなったのをなんとか回避。噛み砕き損ねた宝箱は笑うような鳴き声を上げる。


(こいつ……ミミックとかいうトラップモンスターだよね)


 ダンジョンのお約束的モンスター。まさか宝箱1発目で引き当てるとは思わなかった……あの鳴き声ムカつくな。バクンバクンと口を開閉してるのも。


「……【アシッドショット】」


 私はポイっとミミックの口の中へ酸性の液体を放り込んだ。ミミックは一瞬動きが止まったかと思うと……


「ギ、シシシシシ!!?」


 大絶叫と共に暴れ始めた。蝶番が壊れそうな勢いで口が開閉し、ガタン!ガタン!と箱が暴れる。動きは段々と収まっていきパタンと蓋が閉じると同時に消えていった。

 そして後に残るはコイン10枚に500ガラクタポイント。う、旨……一気に1500ポイントも貯まった。


「私の頭を噛もうとした分はこれでチャラだね」


 むしろどんどん出てきてほしい。ミミック狩りしなきゃ……ジャンクゴーレムと違って口に強酸を放り込めば良いから楽だしね。


「てか生物っぽいし……《有害的な毒愛》でも試してみようかな?」


 良い実験台になってくれそう。私はニヤリと笑いながらミミックが居ないか目を光らせていった。ちなみにミミックの名前はトラップボックス、素材は特に何も無かった……コインがドロップアイテムって扱いなのかな?



「意外とミミック居ないなぁ……宝箱はいくつかあったけど」


 あれから5個の宝箱を見つけた。中身はどれもコインが5枚とかでちょい微妙。戦闘せずにポイント稼げるのは嬉しいけどミミックの方が美味しいからなぁ……


(この感じだとミミック引き当てる方がレアっぽい……1発目にミミック引いたせいでそっちを引き当てる方が多いと思ってたんだけど違ってたみたいだね)


 おかげで《有害的な毒愛》を試せていない。早く試したいんだけどね……そう思っている間にもうボスの階層に到着。今回もジャンクゴーレムかな……そう思いながら闘技場へと入っていくとバサ!バサ!と羽ばたく音が上から聞こえた。上を見上げてみるとそこにはとても大きなコウモリが羽ばたいていた。


「キィ!キィ!」


「急にモンスターのテイスト変わった?」


 サイズは兎も角普通の生き物出てきたからね。私がそんなことを思っているとコウモリが闘技場の外周へと移動すると足に瓦礫の塊を掴みこっちに落としてきた。ゴミを投げ捨てるかのように。


「ちょ、殺意高くない!?」


 私は急いで横に走って瓦礫を避けた。瓦礫は地面に落ちると同時に砕けて破片を周囲に撒き散らした。あの破片も痛そうだね。


「キィィ!」


「と、今度は滑空してきたね」


 瓦礫を落としたコウモリは羽を畳んで勢いよく突っ込んできた。そして私の近くに来ると羽を広げて減速し足の爪を振り下ろそうとした。


「【ポイズンバレット】」


 大人しく振り下ろさせる訳もなく私は《有害的な毒愛》と【ヘイルバレット】の合成魔法を撃ち込む。紫色の氷の弾丸がコウモリの身体に突き刺さり、刺さったところを紫色に変え蝕み始める。


「キィ!」


 攻撃を受けたコウモリはすぐに高いところへと逃げた。そして再び外周へ行き瓦礫の塊を拾いに行く。このコウモリとの戦闘は瓦礫を避け、そのあと近づいてきたところに攻撃を叩き込む感じっぽい。


「かなり時間がかかりそうだけど……今毒にしたから楽になったね」


 攻撃を当てにくい高さに飛ばれても毒はダメージを与えてくれる。《恋の一撃》でそのダメージは上がってるしね。

 私は上から落ちてくる瓦礫を避けつつ、近づいてきたところに毒氷を浴びせる。強酸をかけても良いけど今回は毒氷でどれだけ戦えるか検証したい。丁度毒になってくれる良い実験台だしね。てな訳でゆっくり戦っていこうと思っていたんだけど……


「キィ……!キィ……!」


「あれ?なんかもう弱ってない?」


 それほど時間が経っていないのに動きが弱々しくなっていた。あー、これ……面倒な相手だからHPが凄く低いタイプっぽいね。


(コウモリ自体タフなイメージ無いし。仕方ない……毒の強さも大体把握できたから早くトドメ刺して終わらせよ)


 私はコウモリの滑空を待ち構える。そして滑空してきたところで頭に狙いをつけて【ポイズンバレット】を撃ち込んだ。動きが鈍いコウモリは避けることもできずに頭部に氷が直撃して墜落した。


「キィ……」


 コウモリは弱々しい断末魔をあげて消えていった。ちょっと面倒な相手だったけど今までと違う戦いで楽しめたね。ポイントも美味しいし。


「素材は皮膜か……結構大きそうだからメイカ喜びそう」


 早速、渡してこよう。そろそろ新しい防具も出来上がってそうだしね。私は闘技場を後にした。


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