第19話
夢の残骸迷宮2回目。メイカに素材を渡して早々、私はポイント稼ぎに潜り直した。素材を渡した時にメイカの表情固まってたなぁ……気持ちは分かるけど。
「活用法を探してみるって言ってたけど……どうするんだろう?」
まぁ、もし活用法が見つかった時に備えてできるだけ集めとこ。ちなみに2回目の敵も引き続きジャンクゴーレムだね。
「新しい敵は居ないけど……代わりに武器持ちが出てくるようになったね」
さっき戦った腕に武器が融合しているタイプ。剣以外に斧とか槍、変わったものだと鍬とか鎌を融合させてるやつもいる。盾に関しては付けてるのと付けてないのが居るからランダムってところかな?
「武器を持っているのは別に構わないんだけど……とりあえず適当に振るのはやめてほしい」
軌道が読みにくくて本当に怖い。特に斧とか鎌は食らったら痛そうだし。武器持ちには容赦無く魔法使ってるから早々当たらないんだけどね。
「ポイントは50ちょっとに下がってるけど……ボスは少し上乗せされてる感じ?」
でも武器無しがポイント少ないし、あのボスを周回するよりこっちで倒しまくった方が効率良いね。
「それに意外と経験値美味しいしね!」
その上数も多いからレベル上げが捗る。ジャンクゴーレムの弱点を蹴り砕きながらやりごたえを感じる。もうちょっとでlv30……新しい職業スキルと魔法が楽しみだね。
そんな感じでボスを目指して攻略し続ける。流石に強くなって1周目に比べるとペースは落ちる……1時間進んで3階層しか進めてない。でもその分ポイントは美味しい。そして遂にlv30になった。
「どんなスキルと魔法が増えたかな」
ワクワクしながら私はステータスを確認した。増えた職業スキルは《有害的な毒愛》。魔法は《ウォータージェット》と《アイススパイク》だね。
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《有害的な毒愛》
CAMに比例した分、攻撃魔法に毒効果付与
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【ウォータージェット】消費MP:20
足の裏から水を吹き出し移動する
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【アイススパイク】消費MP:30
地面から鋭い氷の棘を生やす
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強酸に続いて今度は毒を付与できるようになったね。強酸に比べるとダメージを与えられる相手が増えたかな。魔法の方は試してみないと分からないね。
「こっちから使ってみようかな。【ウォータージェット】」
発動させると足の裏に魔法陣が出現して……水が吹き出して真上に押し出された。びっくりして体勢を崩したら噴出の向きが変わり、今度は壁へと進んで衝突。背中に強い衝撃が走った。
「ゴフ……」
こ、この魔法……じゃじゃ馬もいいところだよ。衝突でHPの3割近く削られた。海のレジャーにフライボードって言う水の勢いで飛ぶやつがあるけれど……この魔法はあれとほぼ同じだね。
(上手く使えば回避や蹴りの強化に繋がるけど……ここで練習したら何回壁に突っ込むことか)
これの練習は草原みたいな広い場所でやろう。ちなみに【アイススパイク】の方は地面から30cmから1m程の氷の棘を扇状に生やす感じで足止めにかなり便利そう。通路で使うとバリケード代わりにもなる。
「まぁ、ここの敵だと使い難いけどね」
「ギゴゴ!」
何せ棘にお構いなく突撃してくる。しかも鋭いとは言え氷は氷……耐久性はそこまで無い。
(毒の方もジャンクゴーレムには効かないだろうし……)
今回増えたスキルと魔法……なんか覚えるタイミング間違えた感が凄いね。使えないわけじゃないんだけども。
「とりあえず《有害的な毒愛》は何と組み合わせようかな……やっぱり《水魔法》かな?」
そう思って早速合わせようとしたけれど、どうやら《有害的な毒愛》を合わせようとすると《刺激的な初恋》との組み合わせが解除されてしまう。職業スキルとの組み合わせは重複不可っぽいね。
「なら《氷雪魔法》と組み合わせようか。地味に相性良いし」
氷に強酸付与してもあんまり意味無かったけど、毒ならダメージを与えれば毒にできるしね。実践で使うのはまた今度だけども……これ以上のお試しはMPがちょっと勿体無い。お試しはここをクリアしてからだね。
「ギゴゴ!」
「【ヘイルバレット】」
《有害的な毒愛》試すためにも手早く攻略。lvが上がったことでINTも上昇し道中の相手も余裕。この調子ならそろそろ良いものを交換できるかもね。
そんなこんなで10階層目。前回と同じく闘技場みたいな場所でのボス戦……相手は武器持ち3体。もれなく盾持ち……め、面倒。
「1体1体片付けるかな」
私は走ってジャンクゴーレムたちを揺さぶる。まずは分断から、ここは広いから動き回れて戦いやすい。
「ギゴゴ」
「ギギゴゴ」
「ギ、ゴ」
周囲を回ったり近づいて離れたりを繰り返しているとジャンクゴーレムたちの動きが乱れていく。わざと攻撃を振らせると動きが一瞬止まるからね。それに撹乱にはこれも使える。
「《目を奪う人差し指》!」
強制視点集めによって更に行動を妨害。普段使うこと殆ど無いけど、使える場面じゃちゃんと活躍してくれるね。案の定、ジャンクゴーレムたちも混乱してるみたい。
そんなこんなで揺さぶり続けていると1体が他の2体との距離が開いた。その隙を逃さず私はそいつへと距離を詰める。
「これで分断っと。【アイススパイク】」
私は他の2体が近づけないように氷の棘で障害物を作る。これで時間稼ぎできるからさっさとこいつを片付ける。
「【ウォーターカッター】」
まずは盾が付着している腕を切り落とす。そうしたらあとは【ヘイルバレット】で胸の結晶を砕いて終了。これで1体片付いた。
「【アイススパイク】残ってる間にMP回復っと」
回復の隙を作れるから【アイススパイク】思っていたよりも便利だね。さて2体になれば分断は簡単。さっきみたいに撹乱して【アイススパイク】で分断、1体1体しっかりと処理をした。
「3体いても問題無し」
私は強くなった!ま、こいつみたいに動きが遅い上に遠距離攻撃を持ってない場合のみだけどね。
「ポイントも美味い。今回で2000ポイント貯まったし何か交換しようかな」
装飾品で良いものないかな。とりあえずメイカに相談しよ。そういえば渡した素材はどうなったかな?
「そこそこ集めたから無駄になると悲しいな……」
そしたら捨てれば良いか。売ってもお金にならなそうだし……とりあえず帰ろっと。
▷▷▷
「え?あのゴミ役に立ったの?」
「ゴミって……確かに加工しなかったらゴミだけどさ」
2周目から帰ってきた私はメイカに素材のことを聞いたら。予想外の答えが返ってきた……えっ、本当に?
「木材は繋ぎ合わせて杖や弓にすると性能が良いし、燃やして灰にすると魔法関係の染料の素材になる。布は繋ぎ合わせると魔法耐性の強い布に変わって中々強い」
石材は砕いて鉄に混ぜると頑丈になるし、錆びた武器は精錬し直すと魔鉄っていう素材に変化する。ジャンクゴーレムから落ちる素材たちはまさに無駄の無いものだった……マジか。
「ちなみに今モモカの新しい防具作ってるところ。今のやつは試験的かつ間に合わせだったからね……今度のはかなり良い防具になるよ」
「新しい防具楽しみにしてるよ。あ、それじゃあ今回集めてきた素材渡しとくね」
私はメイカに素材を全部渡した。役に立つならもっと集めて来ないとだね……その前にポイント交換しよ。
「そういえばさ。そこそこポイント貯まったから装飾品交換しようと思うんだけど……どれ交換すれば良いかな?」
「装飾品?んー……まぁ、モモカの場合だと魔法関係かCAM関係で良いと思う。まぁ、魔法に関しては今回の防具で補強する予定だしCAMで良いんじゃない?」
ふむふむCAM関係ね……となると丁度2000ポイントで交換できる装飾品交換チケット(CAM)が良さそうだね。何が手に入るかはランダムだけどCAM関係の装飾品しか出ないやつだし。
私は早速交換。目の前にピンク色のチケット券が出現した。これを使えば良いんだね……どう使うんだ?
「このミシン目のところで千切れば良いのかな?」
映画の券みたいに。やってみるとそれが正解だったみたいで千切ったチケットは光の玉になる……そして光の玉が消えると現れたのは黒い角に羽、そして細長い尻尾。ん?何これ?
「なんか思ってなかったものが出てきた」
「私も初めて見るタイプの装飾品だね。とりあえず説明見てみれば?」
確かに説明見れば分かるか。メイカに言われ私は出てきた装飾品?の説明を確認した。
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・小悪魔なりきりセット
CAM+30
▷説明
悪魔の角、羽、尻尾のなりきりセット
装備することで小悪魔のような見た目になる
不思議な力で角、羽、尻尾は感覚がある
※なりきりセットは1つしか装備できない
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コスプレ衣装?てかCAMの増える量凄いね……これ装備したら防具の強化分含めてCAMが200近くになる。
(しかもこれ角、羽、尻尾合わせて1つの装飾品なんだ……なんかお得な感じがする)
交換するのは魔除けの指輪で良いか。私は魔除けの指輪を1つ外してコスプレセットを装備した。付け方分からなかったから装備欄から設定するとこめかみ辺りから角が生え、腰のちょっと上辺りに蝙蝠っぽい羽が、尾骶骨の辺りから黒く細長い尻尾が生えた。羽と尻尾は服の上から生えてるんだけどどういう原理?
さわ
「ひゃっ!?」
「おー、本当に感覚あるんだ。面白」
私が不思議な装飾品に戸惑っていると不意にメイカが羽を触ってきた。説明文通りちゃんと感覚があるけど……リアルには存在しない部位のせいか刺激が強過ぎる。それが面白いのかメイカはずっと触り続けてきた。
「い、いい加減にしなさい!」
「あたっ!?」
さわさわと触り続けていたメイカにゲンコツを落とす。さっきから触り方が気持ち悪いわ!
「え、STRが上がってるんだから少しは加減して……町中はダメージ無いとはいえ衝撃はちゃんとあるんだからさ」
「ならゲンコツされそうなことしないでよ。どんな触り方してるのさ……」
ずっとさわさわさわさわ……背筋に悪寒が走るわ!触り方が変質者!
「尻尾が猫みたいに立ってる……どういう原理?」
ピーン!と立つ私の尻尾を見てメイカは興味深々……絶対に触らせないからね。私はフシャー!と威嚇してメイカから距離を取った。
やっとタイトル回収なり




