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小悪魔ちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第1章 小悪魔のゲームスタート
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第18話



 ゲートの先に広がる光景はまるで遺跡のような通路だった。縦も横も長め……少なくとも4mはあるかな?大きな武器も問題無く振り回せそう。壁には等間隔で松明が設置されていて暗くは無いね。


「さーて、どんなモンスターが出てくるかな?」


 屈伸とアキレス腱を伸ばして軽くウォーミングアップし奥へ。いつでも魔法が撃てるように構えていると早速モンスターが現れた。


「ギガガ!」


 出てきたのはガラクタでできた人形。ボロボロ木材や石材、布が人の形を模ったみたいな見た目をしている。胸の部分には赤く光る結晶のようなものが露出していた。


(見るからに弱点って感じ……)


 魔法を撃ち込んでやりたいけど、最初だし何が効いて何が効かないのか色々試してみよ。私は姿勢を低くして忍者のような体勢でガラクタ人形に駆け寄った。姿勢を低くすることで被弾を抑える走り方……色々調べたら見つけたんだよね。

 ちなみにスキルでバランス力を良くしてないと顔面から地面に突っ込む。スキルあっても何回も顔から地面に突っ込んだけども……繰り返し練習して今は真っ直ぐ走るだけならなんとかできる。


(本来はジグザグ走って撹乱したりするんだけどね……)


 まぁ、相手の動きは緩慢だからそこまでする必要は無さそうだけどね。とりあえず距離を詰めたから手始めに足払い。簡単にバランスを崩してくれたから顔面にキックを叩き込む。


「ギガ!」


「んー……手応え無し」


 ガラクタの塊だと物理攻撃の意味は無さそう。ハンマーとかで粉砕するとかじゃないと……私の蹴りじゃ蚊に刺される程度。


(まぁ、バランス崩せるだけ充分だね)


 次は魔法。私はあえて弱点っぽい結晶を狙わずに【アシッドショット】を撃つ。


「ギ、ギギガガ……!?」


「お?意外と効いてる?」


 関節部分からシュゥゥ……と白い煙をあげてガラクタ人形の動きが悪くなった。身体を構成してるパーツに金属が含まれてたのかな?でも継続ダメージは無さそう。生物じゃないとダメージ無いのかな?


「一応、こっちも撃っておこ。【ヘイルバレット】」


 私がガラクタ人形に向けた指先に拳大の氷の塊が形成。勢いよく射出されて頭部に直撃した。《氷雪魔法》の基本的な魔法【ヘイルバレット】、硬い氷の塊を勢いよくぶつけるシンプルなものだけど……生身の生物なら頭部に受けたら痛いじゃ済まないよね。


「ギガガ!」


「やっぱり物理はあんましかぁ……大体把握はできたし弱点狙おう」


 実験は終了したから倒す方向へ。私は胸の結晶へ【ヘイルバレット】を撃ち込んだ。胸の結晶は簡単に砕ける……思っていたよりも脆いね。


「ギ、ガ、ガ、ガ……」


 胸の結晶を破壊されたガラクタ人形はガラガラと崩れていった。あれ?なんか弱い……


「あー、これ戦闘が苦手な人でも倒せるように序盤は弱めなんだろうね」


 進んでいくほど強くなるんだろうね……私は何処まで行けるかな?


「と、アイテム確認。どんな素材が手に入ったかな?」


 ストレージを確認。あのガラクタ人形の名前はジャンクゴーレム、素材もその名前に違わないものばかりで……


「ボロ布に錆びた鉄屑……ゴミ?」


 一見ゴミとしか思えない代物ばかり。メイカに素材集めてきてって言われてたけど……これでも良いのかな?


「まぁ……渡して文句言われないでしょ」


 なおガラクタポイントの方は20。目当ての覚醒玉は1つ1000ポイント……3つ交換するには3000ポイント必要。全然足りなーい。


(これも奥に行けば手に入る量増えるかな?)


 他にも色々交換したいし。というわけで私は次のガラクタゴーレムを求めて奥へ進んだ。


「ギガガ!」


「ふん!」


 2体目のジャンクゴーレム。私は魔法を使わず胸の弱点へ蹴りを叩き込んだ。あの簡単に砕けた感じ的に行けると思ったけど、思った通り胸の結晶にヒビが入った。もう1回蹴りを入れれば砕くことができそう。序盤は節約できそうだね。


「ギ、ガガ!」


「おっと」


 私は横薙ぎに振られたジャンクゴーレムの腕を後ろに下がって回避する。こいつの腕、ガラクタが寄り集まってるからかゴツゴツトゲトゲしてて痛そうなんだよね。

 あとジャンクゴーレム……どうも個体差があるみたい。この個体、さっきのやつに比べると腕が長いんだよね。間合いの感覚が違うから慣れた時が少し怖い。


「とりあえずこれでお終い」


「ギガ、ガ……!」


 私は結晶を蹴り砕いてトドメを刺した。素材はやっぱりゴミみたいなものばかり……まぁ、ガラクタポイントは価値あるから気にしない。


「蹴り2発で倒せるならしばらくは蹴りメインで進んで行こうっと」


 MP節約節約。難しくなってきたら魔法を解禁するけどね。今日の私の蹴りは獲物の血を求めてるよ……私はグルグルと足首を回して更に奥へと向かった。


▷▷▷


 夢の残骸迷宮を進み始めて1時間近く経った。現在居るのは地下第4層の終わり、敵はジャンクゴーレムのみでちょっと飽きてきてる。ここまで魔法使わずに来ちゃってるし。

 ちなみに構造は花の迷宮と同じ迷路型。あんまり分岐とかなかったから探索はそこそこスムーズ。


「第5層はどんな感じかな」


 そう思いながら下への階段を降りていくと階段の先には円形の闘技場のような空間。奥には出口らしきものが見えるね……先に進むために空間に足を踏み入れるとガシャン!と音が鳴り、振り返って確認すれば入ってきた入り口が鉄格子で塞がれてしまっていた。


「あー、これボス戦だね」


 私がそう呟くと出口の方から物音が聞こえ始め、出口から段々と影が見えてきた……どうやらボスのお出ましだね。


「ギ、ゴゴ!」


 出てきたのは少し大きめのジャンクゴーレム。変わってるのは大きさだけじゃなくて、右手には錆びて途中で折れている剣、左手には殆ど欠けてハンドスピナーみたいな形状の盾を持っていた。


(あれ、よく見ると持ってるんじゃなくて手に融合してるね……握れるような指無いから)


 剣か盾を蹴り落とそうかとも思ったけど、あれじゃ無理だね。胸の弱点は変化無いけど蹴りじゃ盾で伏せがれるだろうし。


「仕方ない。魔法解禁」


 武器持ち相手に温存無理。私は素早く指をジャンクゴーレムに向けた。盾あるから《氷雪魔法》は効果薄そう……先にあの腕切り落とすか。


「【ウォーターカッター】!」


「ギゴ!」


 私は盾がある腕を切り落とそうと関節を狙う。ジャンクゴーレムはそれを防ごうとしたけれど、ガラクタの寄せ集めでできた腕はスムーズに動かず防ぐ前に水のレーザーが関節を削った。


ゴトン!


 盾が付着した腕が地面に落ちる。思っていたよりも脆かった……意外と《水魔法》有効?


「ギ、ゴゴゴ!」


 片腕を無くしたジャンクゴーレムは剣を振り回そうとする。しかし片腕を無くしたことで身体のバランスが悪くなり上手く振り回すことができずにいる。


「盾さえ無ければ胸の結晶も簡単に壊せる。【ヘイルバレット】!」


 私はバランスを崩した隙を狙って【ヘイルバレット】を撃ち込んだ。ジャンクゴーレムは右手で防御しようとするが細い腕では間に合わず結晶に直撃する。


「ギ、ゴ……」


「あっ、ちょっと硬くなってる」


 中々にクリーンヒットしたんだけどね。少し強化されてるか……ならもう1回叩き込むか。まぁ、だいぶヒビが入っているから蹴りで充分かな。


「ギゴゴ!」


「せい!」


 私は攻撃を避けつつ後ろ回し蹴りで結晶を蹴り付ける。踵がぶつかったところから一気に砕け散った。


ゴシャ!


 弱点を破壊されたジャンクゴーレムは崩れながら倒れていく。素材はいつものガラクタにプラスして折れた錆剣が一緒に手に入った。い、要らないなぁ……どう使えば?


「ガラクタポイントの方は100も貰えてる。かなり美味しいね」


 とは言え交換したいものには全然足りない。もっと沢山倒さないとね。私がそう思っていると奥の鉄格子が音を立てながら開いた。その先に進んでみると下に降りる階段と帰るようのポータルがあった。


「この感じ攻略していく毎に難しくなっていく感じか……」


 難しくなる分報酬が美味しいってやつ。やり込み要素とかでよく見るよね。とりあえず1回帰ってこのゴミ……素材をメイカに預けてこよ。


(これ渡して怒られないかな?)


 私は心配しつつポータルに触れた。


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