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追放令嬢の【ドラッグストア工房】〜ヘタレ法務監査官が悪知恵と法律で敵を論破し、実は最強の氷魔法で私を過保護に溺愛してきます〜  作者: 月神世一


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痛快!リーガルざまぁ(前編)。猫耳商人の裏帳簿と、監査官の合法的な追い込み漁が始まりました

痛快!リーガルざまぁ(前編)。猫耳商人の裏帳簿と、監査官の合法的な追い込み漁が始まりました

「ふ、ふざけるな! 法務省だか何だか知らねぇが、辺境のチンピラ役人がしゃしゃり出てきやがって!」

ゼルバ商会会長、ゲルトの額に脂汗が滲む。

自身の偽造書類を瞬時に見破られ、さらに背後には重武装したポポロ村の自警団がずらりと並んでいる。圧倒的な不利を悟りながらも、彼は強欲とプライドから退くことができなかった。

「俺の背後にはアルベルト王太子殿下がいらっしゃるんだぞ! 俺たちを捕まえれば、殿下の顔に泥を塗ることになる! お前みたいな下っ端役人、王家の力で一瞬でクビを飛ばしてやる!」

「……はぁ。本当に、救いようのない三流ですね」

クロードは六法全書を片手に、哀れむような、けれど絶対零度の冷ややかな視線をゲルトに投げかけた。

その横で、ニャングルがニタニタと嫌らしい笑みを浮かべながら、ドサリと分厚い書類の束をカウンターの上に叩きつけた。

「殿下の威光ねぇ……。そんなもん、この『裏帳簿』の前じゃ、ちり紙にもならんけどな」

「う、裏帳簿だと……!?」

ゲルトの顔が、今度こそ完全に引き攣った。

「おうよ。お前らゼルバ商会が、関税を誤魔化して帝国に密輸しとった魔族の薬草のリスト、違法な高利貸しで奪い取った土地の権利書、それに……王都の裏組織に横流ししとったポーションの売上記録や。全部、ワイが独自ルートで集めた【本物】の証拠やで」

「な、なぜお前がそんなものを……!」

ニャングルは愛用の魔導黒檀算盤をカチャリと弾き、得意げに胸を張る。

「ワイを誰やと思っとるんや。三か国に『ルナ・イーツ辺境版』を展開する、ポポロ村の財務コンサルタントやぞ? 国境警備隊のおっちゃんらや、物流の元締め連中とはズブズブの仲や。お前らのガバガバな裏取引の噂なんて、弁当の配達ついでにナンボでも集まってくるんや!」

ニャングルの圧倒的な情報収集能力(という名の、おばちゃんたちの井戸端会議ネットワーク)の前に、ゼルバ商会の悪事は完全に丸裸にされていた。

ゲルトは震える手で書類の束を指差す。

「で、でっち上げだ! そんなもの、俺は知らない!」

「でっち上げかどうか、これからじっくりと検証させていただきましょう」

クロードが一歩前に出た。

彼のまとう空気が、一気に法務省のエリート監察官のそれに変わる。理路整然と、かつ容赦のない【合法的な狩り】の始まりだった。

「帝国法第88条『脱税および関税法違反』。同第92条『違法薬物の密輸・横流し』。……これだけでも、あなたの首が三回は飛ぶほどの重罪です」

クロードは手元の魔導通信石を起動させた。

「あー、こちら法務省特別監査部、地方監察官ランカスター。……ええ、ポポロ村にて、ゼルバ商会による大規模な組織的犯罪の確たる証拠を押収しました」

『なっ……!? お、おい、やめろ!』

ゲルトが血相を変えて飛びかかろうとするが、自警団のマンミアが巨大なパイルバンカー付きの盾をガシャン!と鳴らして威嚇し、その足を縫い留める。

クロードは通信石に向かって、淡々と、しかし恐ろしい速度で指示を出し続ける。

「容疑は有印私文書偽造、恐喝未遂、並びに国家に対する巨額の脱税。——ええ、証拠隠滅の恐れが極めて高いため、帝国法第11条『緊急捜査権』を発動します」

「き、緊急捜査権だと……!?」

ゲルトがその場にへたり込んだ。

それは、帝国法において「極めて悪質な経済犯罪」に対してのみ認められる、超法規的な強制捜査の権限だ。

「これより、王都にあるゼルバ商会の本店、並びに全支店への【即時強制立ち入り監査】を実行してください。帳簿、在庫、金庫の中身に至るまで、1銅貨の狂いもなく差し押さえるように」

通信石の向こうから、法務省の監査官たちの「了解した!」という血気盛んな声が響く。

「ま、待ってくれ! 頼む、待ってくれぇ! それをやられたら、取引先からの信用が完全に消し飛ぶ! 倒産だ、倒産しちまう!!」

ゲルトは床に這いつくばり、先ほどの傲慢さは見る影もなく、クロードの足元に縋り付こうとした。

しかし、クロードは冷酷な見下ろす視線を外さない。

「倒産? いいえ、これは正当な法的手続きです。あなたは先ほど、私的な借用書(偽造品)を盾に、このセリア嬢の財産と人生を奪おうとしましたね?」

クロードは、背後にいるセリアを庇うように立ち塞がったままだ。

「市民の正当な権利を理不尽な暴力で奪おうとする輩に、商売を語る資格はありません」

「殿下だ! アルベルト殿下に報告してやる! お前らなんて、殿下の力で……」

「ほう。アルベルト殿下が、あなたの脱税や密輸に加担していると? それは重大な国家反逆罪の自白と受け取ってよろしいですね。すぐさま皇帝陛下に報告書を提出しますが、構いませんか?」

「ひっ……! い、いや、殿下は関係ない! 俺が勝手に……!」

「なら、黙って法の裁きを受けなさい」

クロードの一刀両断の論破に、ゲルトは白目を剥いて言葉を失った。

武器を構えていた私兵たちも、雇い主が完全に社会抹殺される瞬間を目の当たりにし、武器を取り落としてカタカタと震えている。

「クロード様……」

セリアは、クロードの広い背中をただ見つめていた。

前世では、理不尽なクレームや会社の命令に対し、誰一人としてセリアを守ってはくれなかった。

しかし今、目の前にいる少し胃弱で不器用な青年は、持てる全ての知識と権力を総動員して、セリアに降りかかる理不尽な火の粉を完璧に払い落としてくれている。

(……すごい。暴力じゃなくて、法律と知恵だけで、こんなにも圧倒的に悪者をやっつけてしまうなんて)

「ねーちゃん、惚れ惚れしとる場合ちゃうで」

横からニャングルが小声で囁いてきた。

「お役人サマの法務ざまぁはこれからが本番や。ワイの財務ざまぁもミックスして、連中を骨の髄までしゃぶり尽くしたるからな」

ニャングルの言葉通り、クロードの反撃はまだ終わっていなかった。

彼は六法全書を閉じ、冷たい笑みをゲルトに向けた。

「さて、ゼルバ商会会長。緊急捜査権の発動により、あなたの商会の資産は現在全て【凍結】されました。つまり、あなたは今、弁護士を雇うための1銅貨すら持っていない。……ですが、私には慈悲があります。あなたの罪を少しでも軽くする、唯一の『取引』に応じましょう」

悪魔の契約を突きつけるような、クロードの冷酷な交渉。

痛快な【リーガルざまぁ】は、後編へと続く。

第9話をお読みいただき、ありがとうございます!

いかがでしたでしょうか、クロードとニャングルの最強・最悪タッグによる【痛快リーガルざまぁ(前編)】!

武力に訴える前に、情報網で「裏帳簿」を突きつけ、法務省のエリートとしての権限『緊急捜査権』で敵の商会を本部ごと物理(差し押さえ)で営業停止に追い込む!

暴力に頼らない、頭脳と権力を使ったスマートな「ざまぁ」の快感をお届けしました。

震えるゲルトに追い打ちをかけるクロードの「皇帝陛下に報告しましょうか?」のコンボ、最高に性格が悪くて(褒め言葉)、セリアを守るためなら手段を選ばない過保護っぷりが表れていますね!

次回、クロードの容赦ない追い込みにより、悪徳商会は完全に破滅します! そして、追い詰められた敵がまさかの凶行に……!?

「法律無双、最高にスカッとした!」「クロードの冷たい笑顔がたまらない!」「ニャングルの情報網、有能すぎる!」

と思っていただけましたら……!

ぜひ、画面下(または上)にある、

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【☆☆☆☆☆】(評価ポイント)を【★★★★★】にして応援していただけると、最高に嬉しいです!

皆様の評価ポチッが、クロードの胃痛を癒やす最高の特効薬になります!

引き続き、痛快な第10話をお楽しみに!

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