何が起きたんだ?
薄いカーテンから差し込む太陽の光は、小さな木の部屋を暖めることができなかった。
カインは鳥のさえずりが耳に届こうとしているのに、そのメロディを聞き分けられなかった。
少し頭を動かしたが、目はその動きに従わなかった。視線は鏡に固定されていた。
反射像があまりにも鮮明で、口で呼吸し始めた。
目の前の人物は彼より背が高く、粗い素材の緩やかなシャツとズボンだけを身に着けていた。
その体が後ろへ一歩下がった。心に言葉一つ浮かばなかった。
なぜかわからないまま、右手を耳まで持っていった。
耳だけでなく指にも触覚があった。冷たさ、先端、軟骨の鋭さを感じた。
「右腕で感じられる?」
両腕を前に出した。手のひらを見て瞳孔が収縮した。
「なぜ?左腕を失ったはずなのに」
全身が小さくけいれんするのを感じながら、鏡に近づいた。
表面に触れ、右目があった場所を手で隠した。
「俺は……死んだ?」
そう考えた時、瞼が閉じた。
頭を振って目を開けた。鏡の中の若者が見つめ返してきた。
「いや、まだだ」
拳を握り、鏡に鈍い一撃を与えた。
「ヴェイルに落ちて体が健康になった?」
「だから外見が変わった?」
歯を食いしばり、鏡から離れた。
指が髪に絡まり、力強く握った。
「で、どうすればいい?」
胸が激しく上下した。
もっと静かに呼吸しようとした。やがて鳥のさえずりがようやく耳を通り抜けた。
振り返ると、今まで無視していた朝の光があった。
「集中しろ、カイン。今重要なのは他の奴らに何が起きたかだ」
「ディランは大丈夫か?全員戻れたか?ヴェイルはどうなった?」
「戻らなければ」
窓に近づき、開けて出ようとした。
扉の外から足音がして、その場で止まった。
木の床のきしみがだんだん小さくなった。続いて小さな跳び跳ねる音のようなものが聞こえた。
下で二つの声が話していた。距離があり、カインには一言も聞き取れなかった。
ナイフが刻む音が部屋まで反響してきた。
「ここに他の人がいる。何が起きたか知っているかもしれない」
突然めまいが襲いかかり、カインをとらえた。体が弱くなっていく感覚。
倒れないよう壁に寄りかかった。
「娘、お兄ちゃんの様子を見てきて」
「はーい!」
小さな足音がどんどん大きくなった。カインは動けないまま立っていた。
ドアが慎重に開いた。
茶色の髪と小さな尖った耳を持つ小さな女の子が入ってきた。
その目の色は、カインが鏡の中で見たのと同じ暗い緑だった。
女の子は壁で支えているカインを見た。目が瞬時に開いた。
「おにいちゃん!」
走って出ていった。声が廊下に響いた。「ままー!おにいちゃん起きたよ!」
カインは心が締め付けられるのを感じた。
ナイフが床に落ちる音と、女の子の母親が急いで近づいてくる足音を聞いて、その感覚は大きくなった。
女性が入ってきた。同じ髪、同じ目。
「景哉!」声は安堵していたが、表情は心配していた。
「なんでベッドから出てるの!?」
その体の口が開いたが、一つの音も出てこなかった。
あのネタリ女性の姿がカインの瞳の中で揺れていた。今にも地面に崩れ落ちそうだった。
母親は抱きしめ、落ち着いた狼狽とともにベッドへ導いた。
「まだ起き上がれないの」
「どんな気分?」
「疲れた、お母さん」と景哉は答えた。
カインが感じていためまいは、言われた言葉を理解させてくれなかった。
しかし最も衝撃的だったのは、その返事の速さだった。
母親はため息をつき、微笑みながらその目が潤んだ。
「休んでね、坊や」
立ち上がり、女の子の手を取り廊下へ向かった。
「柔らかいものを持ってきてあげる」
急いで出た様子は明らかで、ドアを閉めた。
部屋がぐるぐると回った。カインの考えは起きたことを追いかけようとした。
瞼が閉じた。
目が覚めた時、太陽の光はオレンジ色の色調になっていた。
右手を顔に当て、その側を隠した。
左のサイドテーブルには、おかゆのような食べ物と水の入ったコップが置かれていた。
頭を空白にしたまま、カインはベッドの端に座った。コップを手に取った。
液体が喉を流れる感覚は、何日も喉が渇いていた人のような安堵をもたらした。
コップを置き、じっと見つめた。食べ物を見た時に感じた穏やかさが自分を責めた。
歯を食いしばり、皿を押しやった。できる限り遠くへ。
肘を膝に乗せ、額を手のひらで支えた。床を見ながら黙っていた。
「何が起きているんだ?」
目を閉じた。「何かがおかしい」
「あの人たちは誰だ?」
指が額に食い込み、答えを埋めようとしていた。
風が窓に当たり、ガラスを揺らした。
カインは立ち上がり、窓から外を見た。
土の道を歩く人々。木の家々に囲まれていた。
草の緑と屋根は、見覚えのない薄い白い層で覆われていた。
それが不思議だった。見渡すと、全員が尖った耳を持っていた。
右の瞼に指を当てた。「気のせいじゃなかった。視力が上がった」
窓ガラスに触れた。「ここはどこだ?」
離れ、もう一度鏡を見たいという深い衝動を感じた。
カインは進んだ。一歩ごとに高まる恐れを消そうとしながら。
止まり、まばたきせずに反射像を見つめた。
顔を触り、次に体を触った。腹のあたりで何か不規則なものを感じた。
シャツを上げると、胃の半分ほどにわたる傷跡が見えた。
その粗さのざらつきは荒かった。最近のものだとカインは思った。
もっと近づいた。鏡の中の人物は細く、筋肉は鍛えられていなかった。
失望して布地を下ろした。
体を見続けていると、目に警戒の色が浮かんだ。
左手を見た。「指輪が!」
素早くサイドテーブルへ走り、物を床に落とした。
「ない、ない!」
クローゼットへ行く前に止まった。首の後ろに手を当てながら。
「エラーラの髪ゴムもない」
ベッドを力強く叩いた。「馬鹿、なぜ気づかなかったんだ」
「時間を無駄にできない」
カインはクローゼットを探し、役に立たないと思うものは何でも除けた。
小さなシャツが床に落ちた。体が止まった。
膝をついて、腕が素早く伸びてシャツを拾い上げた。その服が部屋に縛りつけていた。
苦労して立つ前に拳を握った。指が布地に触れた。
「なぜ拾おうとした?」
体が折れ、木の床に座った。
「俺に何が起きている?」
「戻らなければ。ナタンとよく学校まで送るようにすると約束した」
指の関節で自分の顔を殴った。純粋な本能に導かれて。
「迷うな!」
荒々しく厚い革のブーツを履いた。
ドアに寄りかかり、注意深く聞いた。音は何も聞こえなかったので、部屋を出た。
階段を下り、玄関へ向かった。ノブに触れたが、回せなかった。鍵がかかっていないとわかっていながら。
道を知っている不快感は、行きたくないという感覚と共に来ていた。
必要以上の力でノブを回した。誰もいないことを確認するために顔をのぞかせた。
道が空になった瞬間に出て、村の出口がどこかを見分けようとした。
小道を歩きながら走りたい衝動を抑えた。足取りは確かで急いでいた。
道の半ばで体を抱き、息ごとに白い息が漂った。
皮革が立てる音はカインには新しかった。一歩ごとに白い層に跡を残した。
出口に近づくにつれ、息が激しくなった。コントロールできない疲れが増していくのを感じた。
正門の近くにネタリの男性がいるのに気づいた。がっしりとした体格で、顔は黒いひげに覆われていた。
視線を逸らし、出口へまっすぐ向かった。
「朝陽?」
その男が言った。カインは振り返らなかった。
「誰に話しかけてる?」
カインのほうへ向き直った。
「起きたんだな。よくなってきてよかった」微笑みながら話し続けた。
立ち止まらないのを見て、混乱して声を大きくした。
「おい、どこへ行く?」
カインは止まらずに横目で見た。
「くそ、俺に話しかけてる」
見知らぬ人に向けて腕を伸ばした。指を開いた。
男は一瞬だけ止まり、顔に軽い混乱が浮かんだ。
再び近づいてくる足音が聞こえると、走り始めた。
「待て!出られないぞ、朝陽」
(追いつけるか見てみよう)微笑みながら思った。
「マエナは六回しか追いつけなかった」
足にマナを送る体勢を取った。コントロールが不格好だった。
非常に不格好だった。
マナが思い通りに反応しないのを感じた時、ほとんど躓いた。
ネタリが後を追って走り始めた。
「なぜ動かない!?」
マナを強引に脚へ送った。感じた痛みも止まらせなかった。
しかし爆発させようとした時、体が地面に突っ込んだ。
激突し、少し滑った。
素早く向きを変えて立とうとしたが、完全に失敗した。
「何をやってるんだ!」
男の怒鳴り声でカインはいざりながらも止まった。
追いつかれたと感じた時、向き直った。肘を地面についたまま、もう一方の腕を伸ばした。
「近づくな!」
黒いひげのネタリは急停止した。伸ばしていた手を引いた。
「朝陽……大丈夫か、何かあったか?」
カインは体が倒れそうになるのを感じた。さらに苛立った。
「俺はここにいられない。行かなければ」
男は慎重に近づいた。
「おかしくなってる、混乱してるのはわかる。怖いのもわかる。でもここがお前の家だ」
ひげが動き、カインに話し続けた。カインはただ首を振るだけだった。
「お父さんのことは心配しなくていい、お母さんよりずっと心配してたくらいだから」
そばにしゃがんだ。
「一緒にいた間ずっと、怯えた野ウサギみたいだったぞ」しゃがれた笑い声とともに言った。
カインは首を振るのをやめた。目が燃えるような感覚がして、右目を隠した。
「わかっていない……俺はその子の息子じゃない」
「馬鹿なことを言うな!」男は反論した。
景哉の体を抱え上げた。まるで軽いものを持つように。
「お前の怪我を知った時、走って迎えに行ったんだぞ」
「走って連れて帰ってきたんだ」
カインは何か言おうとしたが、口が答えなかった。
舌さえ動こうとしなかった。
その男に抱かれながら、カインは一歩ごとの重さを感じた。
目が漂い、意図もなく周りを見回した。
一日最後の光が、屋根、荷車、地面を覆う薄い層に反射していた。
自分が残してきた足跡に気づいた。戻りたくない場所へまっすぐ続いていた。
牢獄ではなかった。もっと恐ろしいものだった。
ひげの男の沈黙が帰り道をより重くした。聞こえるのは革靴が雪に新たな跡を残すきしみ音だけだった。
カインは理由もわからないまま恐れを感じた。
一軒の家まで来ると、体が完全に緊張した。
その家の前には複数の足跡があった。
低い鼻息をつきながら、男はカインを見た。
「落ち着け、坊主」
家の前で女性が話しているのが聞こえた。カインがいた部屋から声が来ていた。
言葉は聞き取れなかったが、苦しそうなトーンがあった。
「大吾!いい加減出てきなさい、余計な仕事させないで」ひげの男が叫んだ。
その名を聞いた時、カインは硬直した。
声が止まった。人が下りてくるこだまが小道まで届いた。
扉が開き、息を切らしたネタリ女性が現れた。
「景哉!」と彼女は出てきながら言った。
「なぜ出たの?」
景哉の腕を掴んだ。「できないの。起きたばかりなのよ」
「落ち着いて、小春」
大吾が後から出てきながらしゃがれた声で言い、出てくると彼女の隣に立った。小春の頭が彼の胸にやっと届くほどだった。
「大吾、あなたには残業代が……」
「何が落ち着けよ!?」ひげの男を遮って小春が言った。
男は一歩下がり、景哉をまだ抱えていた。
「息子がどこにいるかわからなくて、それだけしか言えないの!?」
大吾はドアの枠からひげの男を見た。
「まず景哉がなぜ外にいたか知る必要がある」
「そんなのどうでもいい。なぜまだ部屋に連れていかないの?休まないといけないのに」
大吾は景哉を受け取った。景哉は完全に黙っていた。
小春は体を傾けた。
「ありがとう、岩上さん、連れてきてくれて」
「入口の近くで見つけたんです。できるだけ早く回復したいと言ってました」岩上は言い、大吾が景哉を抱いて家の中へ入っていった。
カインはひげの男が小さくウインクするのを見た。
「立派な狩人になろうと頑張ってるのは素晴らしい」笑いながら小春に別れを告げた。
小春は家の中へ入り、ドアを閉めた。大吾は息子を連れて階段を上っていった。以前より狭く感じる階段を。




