変えられないもの
中央棟の中では、他の学生たちの音がカインのところへ届き始めていた。彼は一直線に歩いていた。
(何か食べに行かないと、できるだけ早くマナを回復しなければ)
足取りがだんだん遅くなり、完全に止まった。
「北棟の食堂の飯が一番うまいって聞いた」
「全部一緒だよ」
「違う、俺の使命はアルカノーヴァの全部の飯をできるだけ早く制覇することだ」
三人の学生がカインの前を通り過ぎた。黙ってその廊下を横切るのを見た。
「お前のために決めてるわけじゃない、エラーラ」
(ただ……)
なぜかもわからないまま、他の学生たちの後についていった。
食堂の近くに来ると、誰かが話しかけてきた。
「思ったよりひどい顔だな」
カインは振り向かなかった。
「気分じゃない、五番」カインは答えた。
タロスはそのトーンを聞いてルカンを止めようとしたが、ルカンは腕を振り払い、まっすぐカインのほうへ歩いた。
いつもの嘲るような笑みはなかった。表情は珍しく真剣だった。
「エラーラと話した」ルカンは腕を組みながら言った。「ディランとも」
カインはまだ完全に頭を向けないまま、ただ視線だけを向けた。
「それで?」
「お前は二人を見事に騙している」
「特にエラーラを」
カインは考えなしにルカンの胸ぐらを掴み、壁に叩きつけた。
タロスはその場で動かず、ルカンがカインの腕を掴むのを見た。
「本当のことを聞いて動揺するのか?」
「真実の何がわかる、五番?お前はただ、出しゃばってくる衝動的なガキだ」
「お前は違うのか?」ルカンは額を彼の額に当てながら答えた。
「違う、カイン、お前は持っているものが見えていない盲目だ」
カインの腕が震え始めたが、掴む力は緩まなかった。
タロスが一歩前に出たが、ルカンが合図を送るのを見て止まった。
「お前がネテリアに取り憑かれている理由は知りたくない。行く権利はある、腹は立つが、お前が一位だったのには理由がある」
「でも奴らを自分の計画に巻き込むな」
「それをしようとしているんだ!」
カインは両手で掴み、宙に持ち上げた。
「誰かが傷つくか帰ってこないかが怖いとわかるか!」
「だからお前は五番なんだ、自分のくだらない自尊心の向こうが見えていない!」
「でも俺は友人を傷つけているような自己中心的な奴じゃない!」ルカンはカインの顔に向かって怒鳴った。
カインはそれ以上堪えられず、一撃で顔を殴りルカンを床に倒した。
ルカンはすぐにタロスのほうへ手を伸ばした。口を拭いてから立ち上がり、カインの前に立った。
「こんなに動揺するなら、本当のことを言え。言わないほうが傷つけている」
ルカンはカインの横を通り過ぎ、タロスのほうへ向かった。
「恐怖からついてきているなら、遠ざけるより危険にさらすことになる」
廊下を歩き続けるとタロスが追いついた。
「以前の問題行動を修正するための方法は、いつも謎に満ちている」
「黙れ、タロス」頬の絆創膏に触れながら言った。
「嘘は痛みを生む、それを学んだんだ」
カインはその後ろ姿を見つめ、全身が制御できないけいれんを起こすのを感じた。
食堂に入り、何か食べ物を注文した。まっすぐテーブルへ歩き、一人で座った。
カインはそのまま黙って座り続け、食べ物には手をつけなかった。周りの騒がしさは耳に届かなかった。
昼食の時間は彼だけでなく、アルカノーヴァ中でゆっくりと過ぎていった。
鐘が鳴ると、一口も食べないまま立ち上がった。周りでは数人の学生が授業に戻ることをこぼしていた。
北棟訓練室で、五人の学生たちが指揮官の前に集まっていた。
ディランはカインが近づいてくるのに気づき、ゆっくりと手を上げたが、カインが振り返らないのを見て途中で止めた。指揮官だけをまっすぐ見ていた。
「ネテリアで従うべきプロトコルから始めます」腕を組んだ。
「第一の規則、アルドリックの命令に疑問なく従うこと」
「第二、独断行動は禁止。つまり隊形を崩さないこと」
マエナの目がカインに一瞬止まった。「一人で行動しないこと」
一歩前に出た。「第三、仲間を守ること」その声の重みが増した。
「あの世界へのクロスは絶対的な真剣さをもって行うこと。あの世界にいる間、お互いだけが頼りです」
「依存が信頼を生む!」腕が一人ひとりを指した。「信頼が絆になる!」
全員がその言葉の重みを感じた。
マエナは技術的な詳細と緊急時のプロトコルを続けた。終わると、一つの命令で全員を再び震え上がらせた。
「先ほど使った武器を取ってきなさい、時間を無駄にしないで」
授業の後半は激しい訓練の繰り返しだった。指揮官の下、全員の連携が向上していった。
一言も話せないまま。カインとディランは依然として最も息の合った戦い方をしていた。
二人の顔は真剣で、笑顔は一つもなかった。しかしその動きはほとんど本能的だった。
それはマエナの目には留まっていた。
一日の終わりを告げるメロディーが鳴った瞬間、全員が床に崩れ落ちた。
「休みなさい。明日から本当の訓練が始まります」
カインが最初に立ち上がり、まっすぐ棚へ向かって武器を置いた。
一瞬も止まることなく向き直り、訓練室を出た。
外に出ると、もう学生のいない庭まで歩き続けた。
風が音一つ持ってこなくなった時、肘から地面に崩れ落ち、汗をかいて息を切らし始めた。
左目でぼんやりと芝生の繊維を見ながら、転がって仰向けになった。
瞼を閉じ、呼吸を安定させる方法を探した。
口から入ってくる空気は冷たく、喉を乾かしていった。
(十分くれ。すぐに追いつく)
訓練室の中では、カインが残していった沈黙がディランの足取りを重くしながらマエナのほうへ近づかせていた。
近づくほど脚から力が抜けていった。
指揮官は昼食の時間に届いた報告書をめくっていた。
「話して」マエナは振り向かずに言った。
「指揮官……今日の罰について」
ディランはさらに近づき、学院の敬礼を取った。
「明日に延期してください。倍でも三倍でも受け入れます」
マエナの体が伸びた。「理由を話して」
「とても大事なことがあります」
さらに一分間書類を見続けた。沈黙がディランを蝕んでいった。
「明日、東棟の全教室を掃除しなさい」
「はい、指揮官!」ディランは笑顔で答えた。
「退室してください」
一言も言わず、ディランは素早く部屋を出た。
マエナは扉が閉まるのを見て、長いため息をついた。
「二人の問題を解決しなさい、任務には二人とも必要です」
夕暮れの風が持ってくる湿気がディランの体の前を流れ、大股で速く近づいてくるエラーラの体に当たった。
「カインは?」
「先に出た」ディランは周りを探しながら答えた。
「もうあそこにいると思う?」エラーラはカバンの紐に指を通した。
ディランは歩きながら、ちょっとだけ止まった。肩に腕を軽く乗せた。「わからないけど、そこにいると言った」
エラーラは並んだ。夕暮れの光は、ほんのり温かく、二人の顔の右側を照らしていた。
正門をくぐると、地面が何か引き止めようとするような感覚があった。不思議な感覚。学院自体が重みを感じているかのように。
ブーツの下の小道を友として、カインがゲートを眺める広場に到着した。
広場につながる斜面に座って待つことにした。目の前の広場は、銀縁のポータルが放つ光を映していた。
空は分ごとに深みを増す色に染まっていった。
エラーラの足が芝生を叩き始め、だんだん頻繁になっていった。
「探してくる」ディランは立ち上がった。
「来るよ、いつもそうだから」エラーラは脚を抱えながら言った。
星たちは彼女の待つ間を気にせず輝き始めた。
広場でディランはゲートをじっと見つめていた。エラーラはまだ座って待っていた。
彼女の後ろの芝生がカインの接近に合わせて分かれた。
気づいた瞬間、エラーラは制服を払わずに立ち上がり、近づいていった。
「カイン」
「エラーラ、俺は……」
二人の声にディランが振り返り、小さな斜面を上がって合流した。
「カイン、大丈夫か?」
「うん、ディラン、来る前に少し落ち着かせたかっただけだ」腕を動かしながら答えた。服が動くたびにしわが鳴った。
エラーラは近づき、その表情が和らいでいった。
「何を考えてるか、何を感じているか教えて。理解していないことをするなと言われても困る」
「もう秘密はなし」
「知ってるよ、お前がネテリアを渡ったこと」ディランは言い、脚が地面に埋まっていく感覚を感じた。
「全部話す」ディランは勇気を出すために拳を力強く握った。「あの日、ナタンが俺の家まで知らせに来た」
「着いたとき、医者が交代でお前の腕と右目を修復しているのを見せないように、廊下で俺を抱きしめてくれた」
傷跡のある手を額に当てた。「そこに倒れているお前を見てどう感じたかわかるか?」
カインは頭を下げ、ディランは続けられないため息を飲み込んだ。
「お前の母親がエラーラを連れてきたのは、腕の処置が終わった後だった」
エラーラはスカートを握り締めた。
「着いたとたん、部屋まで走った。お前の自分のマナを使って目を再生しているのを見た」
思い出す手が震えた。「なんでそんな馬鹿なことをしたんだ?」
カインは腕を伸ばそうとしたが、ディランが続けるのを見て止めた。
「終わった後、医者はお母さんと二人で話した。帰った後、後遺症が残るって説明された」
エラーラは一歩前に出た。カインは後ろへ引いた。
「一晩中お前のそばにいた……でも目覚めなかった」
「ディランは声を上げ、感じていることを抑えなかった。「三日間も目覚めなかった!」
ディランの目は、カインの中の平静を打ち砕くものを映していた。
「何をしたか公になるのを避けたかったから……お金を取らない代わりに、お母さんに口止めをした」
「だからエラーラも俺も二週間お前に会いに来られなかった」
エラーラが続き、ディランの言っていたことを引き継いだ。
「毎日ナタンと公園で会っていた。もう目覚めたことと、回復の様子を教えてくれた」
エラーラの声が割れ始めた。「空いた席を何度見たと思う?」
カインはまた一歩後ろへ引き、唇をわずかに開いた。
「兄さんと最後に会った時、お父さんのためにしたんだという結論に達した」
ディランの声はエラーラと違い、より真剣なトーンになった。
「その時に三人で約束した。エラーラと俺はネテリアにお前についていく、ナタンは俺たちのためにギルドを作る」
「なぜ?」かろうじてカインは聞けた。体が後ろへ傾いていった。「望んでいなかったのに、なぜそうしたんだ?」
ディランは何か言おうとしたが、エラーラが彼の前に立った。
「あなたはいつも私のそばにいてくれた。私のことをどんな人間だと思ってるの?」
「これは違う、エラーラ、俺の責任だ」
「もう違う、助けさせて」
カインの歯が震え、頭の中までこだまが届いた。
「わかってくれ!お前はこれを背負う必要はない」
「何を背負うの?」エラーラは声を上げ、二人の視線は切れなかった。
「俺が死なせてしまったんだ!」
カインの叫びが二人の背筋を凍らせた。
「ナタンと俺の母さんが悲しんでいるのを見ながら、うんざりして怒っていた。父さんがいつもそこにいないことに」
「ある日ナタンと話したら、泣きながら寂しいと言った」
左手の指が曲がりくねっていくのを感じた。
指輪が皮膚に擦れていた。
「その夜……言った……ネテリアにいたいなら、そこにいればいいって。父さんが家族のためにしていると言った時、爆発した」
「嘘つきとか、クズとか叫んだ……」
「家族と一緒にいたくないって」
輝く指輪を見つめた。指を刻んでいた。
「あの時は傷つけてしまったと気づかなかった。大剣を収めていたアニヤを渡してくれた時……床に投げた」
エラーラは彼に向かって手を上げようとしたが、できなかった。
「翌日、ヴェイルに落ちたと聞いて、どこも全部探した」
「ソファの下で見つかるまで」
ディランはその場で固まった。エラーラは混乱しながら、ただ目が燃えるようだった。
カインの首は持ちこたえられなかった。まだ指輪を見ていた。
広場そのものがより冷たくなっていた。唯一の音はゲートのマナが風に運ばれてぐるぐると回る音だった。
エラーラは二度名前を呼ぼうとして、やっと言葉が出た。
「カイン、知らなかった」
「一人で背負う必要はない」ディランが加えた。
「俺の家族が何日泣いたかわかるか?」カインの言葉は歯の間からかろうじて滑り出た。
「衝動に任せて、父さんを口論に巻き込んだ」
「お前たちにこれを背負わせるわけにはいかない」
「頼む、わかってくれ」
エラーラはぎこちない足取りで隣に立った。
「それは背負わない。でも、あなたを背負わせて」
ディランも同じように、反対側に並んだ。
三人はポータルを見つめた。遠くでうなっていた。
永遠のように感じられる数分間の沈黙。
(もう誰も俺のミスに巻き込まない)
ついに秘密が明かされました。
この章を書き上げるのには、本当に苦労しました。エラーラは、作者にとっても感情を描写するのが非常に難しいキャラクターです。




