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エターナル・コネクト 〜陰キャの俺がゲーム世界に転生したら〜  作者: K
第2章 レーンの街編

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第9話 光る剣の朝練と、厨二病を患った相方。

いつも「エターナル・コネクト(エタコネ)」を応援いただきありがとうございます。

今回から「第2章」がスタートします!


宿屋での穏やかな朝、冒険者としての一歩を踏み出すべくギルドへ向かった二人に、受付嬢シンディが慌てて駆け寄ってきた理由とは……。


心機一転、新たな冒険の始まりをお楽しみください!



 朝の柔らかな光が差し込む宿屋の部屋でケイが目を覚ますと、視界の先ではハルがベッドの前で静かに素振りを行っていた。

その手には、まるでレーザーのように眩く光る棒が握られている。


(どこで手に入れた武器だろうか……?)


ケイは不思議に思いながらも、布団の中からハルの鍛錬をじっと見つめていた。

ハルは転生前の中学時代、剣道の全国大会で優勝を果たしたほどの猛者である。異世界に来て体が8歳の幼女になろうとも、毎日の鍛錬が日課として染み付いているのだろう。

ケイの素人目に見ても、一切の無駄を省いたその洗練された動きはただただ美しく、思わず見惚れてしまうほどの迫力があった。


「あ、おはよう、ケイ」

「おはよう、ハル」


視線に気づいたハルが微笑みかけると、お互いに朝の挨拶を交わす。

それと同時に、ハルの手に握られていた光る武器がフッと空気に溶けるように消え去った。


「その武器、どうしたの?」


気になったケイが尋ねると、ハルは得意げに胸を張った。


「ああ、これね。『虹彩の種子(プリズム・シード)』だよ!」


ハルがそう言った瞬間、彼女の頭上に五つの光る種子が出現し、ふわりと宙を舞う。


「『光の剣(ライト・サーベル)』!」


ハルが高らかに叫ぶと、頭上で回転していた種子が一箇所に集束し、先ほどと同じレーザー状の棒へと変化してハルの小さな手に収まった。


「この種子ね、好きな形状に変化させることができるの。だから剣の形にして素振りをしていたんだ」

「へえ……。その『光の剣(ライト・サーベル)』っていうのは、スキルの正式名称なの?」

「違うよ。かっこいいと思ってハルが自分で考えたんだ!」

「そ、そうなんだ……」


どうやら、彼女は少しばかり厨二病を患っているらしい。

もちろん、その満面の笑みに対して的確なツッコミを入れらる度胸など、ケイにはなかった。


     * * *


 朝食を済ませた後、ケイとハルは冒険者ギルドへと足を運んだ。

本格的に依頼を受注して、日銭を稼ぐためだ。

現在、ケイとハルは共にD級冒険者であるため、受注できる依頼は規則によりD級のものに限られている。

ギルド内には巨大な掲示板が設置されており、そこから受けたい依頼書を剥がして【受注カウンター】へ持っていくというシステムらしい。


二人はD級の依頼書が貼り出されたスペースの前で、どれを受注すべきか頭を悩ませていた。


「やっぱり、D級だとロクな依頼がないわね」

「最初は仕方ないよ」


あからさまに唇を尖らせてごねるハルを、ケイが苦笑いしながら(なだ)める。

ハルが不満を漏らすのも無理はない。現実世界のゲームで『エタコネ』をプレイしていた頃、二人は最高位のS級冒険者だったのだ。S級ともなれば、ドラゴン討伐や最難関迷宮(ダンジョン)の探索など、高難易度かつ破格の報酬が約束された依頼ばかりだった。

それに比べて、目の前に並ぶD級の依頼は地味なものばかりである。


「やっぱり、これかな」


ハルがそう言いながら、一枚の依頼書を手に取った。

それは『ゴブリン討伐』の依頼書だった。

内容はゴブリンを討伐するもので、期限は今日1日。ゴブリンの魔石を10個集めると、基本報酬として2000アデナがもらえるらしい。

さらに魔石は報告の際に換金され、1個あたり50アデナで買い取ってもらえる。つまり、ゴブリンの魔石を10個集めれば、基本報酬の2000アデナに魔石の売却益が加わり、合計で2500アデナが手に入る計算になる。

ただし、最低ノルマである10個の魔石を集められなければ依頼は失敗となり、違約金として一人につき1000アデナを支払う厳しいペナルティがあるらしい。


掲示板を見た限り、D級の依頼の中で一番報酬が良いのがこのゴブリン討伐だった。

ケイもその内容に納得し、二人は依頼書を持って【受注カウンター】の列に並んだ。


     * * *


【受注カウンター】は全部で五つあるが、どの列にも長い行列ができている。朝一番で依頼を受けようとする冒険者は多いのだろう。

しばらく待っていると、ようやくケイとハルの順番が回ってきた。


今日、目の前の受付に座っているのはウサギの耳を持つお姉さんだ。

そう思って依頼書を出そうとした、その時だった。


「ま、ま、待ってにゃ〜〜っ!」


奥から慌てた様子で駆け寄ってきたのは、昨日二人の登録受付をしてくれた猫耳のお姉さん、シンディだった。

彼女は息を切らしながらウサ耳のお姉さんと強引に場所を代わると、カウンター越しに身を乗り出した。


「えっとね、これからケイ君とハルちゃんの担当は、お姉さんが受け持つことになったにゃ! だから、これからは何か用事がある時は、真っ先にお姉さんを探して欲しいにゃ!」


シンディは満面の笑みを浮かべてそう言い放った。

(……ギルドの受付って、そういう専属制のものだろうか?)

ケイは内心で首を傾げたが、特に断る理由もないので素直に返事をした。


「で、今日は依頼の受注かにゃ?」

「はい、これをお願いします」


ケイは手に持っていた依頼書をシンディに手渡した。

シンディは依頼書の内容を一瞥すると、心配そうに顔をしかめた。


「え、えっと……ゴブリン討伐で間違いないにゃ? あまり若い女の子にはおすすめできない依頼なんだにゃ……」


ゴブリンは狡猾で集団で襲ってくる魔物だ。シンディが忠告してくれるのは受付嬢としての優しさだろう。


「大丈夫! ハル達はこれでもすっごく強いんだから!」


ハルは腰に手を当てて、自信満々に胸を張った。

その強気な態度に、ケイも心の中で深く同意する。ゴブリン程度の低級モンスターなら、レベル200の半分のステータスを持った今の二人であれば瞬殺できるだろう。もっと報酬の良い依頼がないから、仕方なくこれを受けているだけなのだ。


「わ、わかったにゃ。それじゃあ、パーティーでの受注でいいかにゃ?」

「はい、二人パーティーでお願いします」


依頼はパーティーで受注しても報酬の総額が変わるわけではない。しかし、達成時には参加した全員に『貢献度』が均等に入る仕組みになっている。

この貢献度を一定以上稼がないと、ランクアップのための昇級試験を受けることができないため、パーティーで正式に受注することは非常に重要なのだ。


「わかったにゃ! くれぐれも気をつけて、頑張ってくるのだにゃ!」


シンディの激励を背に受けながら、ケイとハルは異世界での初めての依頼へと出発した。


第9話をお読みいただきありがとうございました!

ついに始まった第2章。ハルの「ライト・サーベル(自称)」、格好良かったでしょうか?(笑)


意気揚々とゴブリン討伐を受けようとした二人に、シンディが放った静止の声。

彼女がなぜあんなに慌てていたのか……その理由は、次回の更新で明らかになります!


「第2章も楽しみ!」「シンディさんの反応が気になる!」と思ってくださった方は、

ぜひ作品の下にある【☆☆☆☆☆】や【ブックマーク】で応援いただけると嬉しいです。

皆様の応援が、執筆の最大のエネルギーになります!


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